この記事では、「ししおどし」と「つくばい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ししおどし」とは?
「ししおどし」とは、畑を荒らす鳥や動物を追い払うために設置される仕掛けのことです。
漢字では、「鹿脅し」や「獅子脅し」、「獅子威し」とも表記されますが、正式な表記は「鹿威し」です。
「ししおどし」の種類には「かかし」、「鳴子(なるこ)」、「添水(そうず)」があります。
このうち、「添水」は傾いた竹筒の上向いた方に水が注がれ、水が一定量溜まると、そのまま重みで竹筒が下がり、溜まった水が排出されます。
水が排出された竹筒は軽くなり、上向きに戻ろうとするときに石などの支持台を叩くことで音が鳴り響くというメカニズムになっています。
「ししおどし」といったら、一般的にこの「添水」のことを指す場合が多いと言えるでしょう。
また、「ししおどし」と聞いたら多くの方が日本庭園の装飾として設置されているものを思い浮かべるのではないでしょうか? しかし、先で説明したように「ししおどし」とは本来、害獣を追い払うための農具だったのです。
「ししおどし」が放つその音が風流であることから、後に日本庭園の装飾としても利用されるようになりました。
「つくばい」とは?
「つくばい」とは、茶庭(=露地)に設置される日本庭園の添景物の一種です。
茶室へ入る前に手を洗う目的で設置された低めの手水鉢に趣を加えたものがこの「つくばい」になります。
「つくばい」という名称ですが、手水で手を洗うときにしゃがむ(=つくばう)ことに由来しており、茶道の習慣において、客人が這いつくばるように身をかがめて、手を洗ったことが始まりとされています。
また、茶室という特別な空間へ行くための結界という意味も持っているのだそうです。
「ししおどし」と「つくばい」の違い
「ししおどし」と「つくばい」の違いを、分かりやすく解説します。
「ししおどし」は元々、畑を荒らす鳥や動物を追い払うために設置される仕掛けのことであり、「ししおどし」の一種である「添水」は趣があることから日本庭園の装飾としても利用されています。
対して、「つくばい」は茶庭に設置される日本庭園の添景物の一種になります。
まとめ
「ししおどし」と「つくばい」はどちらも日本庭園の装飾として用いられていますが、それぞれ違うものを指すということでした。