「視察」と「観察」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「視察」と「観察」の違い生活・教育

この記事では、「視察」「観察」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「視察」と「観察」の違い

「視察」とは、実際にその場所にいって、状況をよくみて十分に確認することです。

「観察」とは、物事の状態や変化などをありのままに注意深く見ることです。

どちらの言葉にも「見る」という意味が含まれていますが、何を見るのか、どのように見るのかという点で意味が違います。

「視察」の場合は、実際にその場所に行って見ます。

そして、状況を十分に確認します。

直接自分の目で実情を見ることをいいます。

「観察」の場合は、物事を見ます。

見るものは、物事の状態や変化です。

ありのままを注意深く見ることをいいます。

たとえば、ある場所で洪水があって大きな被害が出た場所があったとします。

テレビでその状況が伝えられますが、テレビでもることは「視察」でも「観察」でもありません。

実際に洪水があった場所に行き、自分自身の目で実際の情況を見ることが「視察」です。

このことは「観察」とはいいません。

「観察」はありのままの現象を見ることを意味しており、実際にその場所に行って実情を見ることは、現象を見ていることではないからです。

子どものころ、アオムシを飼育していた人もいることでしょう。

サナギからチョウに変化する様子を見たことがあるかもしれません。

サナギからチョウへ変わる、ありのままを注意深く見ることといったものが「観察」です。


「視察」と「観察」の使い方の違い

その場所に行って、実際の様子を見ることに「視察」を使用します。

実際に行っていない場合は「視察」とはいいません。

物事のありのままの現象をじっくりよく見るこをとに「観察」を使用します。

テレビなどを通してじっくり見ることではなく、実物を自分の目で見ることについて使うことが一般的です。


「視察」と「観察」の英語表記の違い

「視察」は英語で“inspection”“observation”と表現をします。

「観察」は英語で“observation”と表現をします。

「視察」の意味

「視察」とは、実際にその場所に行って様子を見極めること、実情を知ることです。

「視」という漢字には、みる、目で見る、じっと見るという意味があり、「察」という漢字には、あきらか、よく見る、詳しく調べるという意味があります。

「視察」は単に物事を見ることではなく、実際にその場所に行くという意味が含まれています。

そのため、テレビ、パソコン、スマホなどで見るといったものは「視察」ではありません。

東日本大震災により、福島などの東北地方は大きな被害を受けました。

その後、政府関係者が実際に福島を訪れて、現地の様子を見ています。

このような行動が「視察」です。

政府の人が誰かに頼んで見てきてもらっているのではなく、実際に自分でその場所に訪れ、実際に自分の目で様子を見ています。

テレビを通じて福島の様子が伝えられていますが、テレビで見ることは「視察」ではありません。

「視察」の使い方

実際に自分がその場所に行って、実際に自分の目で実情を見ることに使用をします。

実際に行っていない場合は「視察」とはいいません。

誰かに頼んで様子を撮影してもらい、その映像を自分で見ることも「視察」ではありません。

実際にその場所に自分自身が足を向ける必要があります。

そして、その場所に行ったら、自分の目で様子を見極めます。

一般の人が普段の生活で「視察」をすることは少ないため、日常生活の中で使うことは少ないです。

ニュースなどでは使われることがあります。

「視察」を使った例文

・『バリアフリー化のための視察を行った』
・『欧州の視察を行うなど、精力的に活動をしている』
・『会長が視察をする』
・『総理が視察に訪れた』
・『視察に訪れた人々を迎える』

「視察」の類語

「査察」が類語です。

実際にその場所に行って、実情を見たり調べたりすることという意味があります。

実際にその場所に行く点は「視察」と同じです。

「視察」の対義語

対義語はありません。

「観察」の意味

「観察」とは、物事のありのままの状態や変化を客観的に十分に注意をして見ることです。

アオムシがサナギになるところを「観察」することで考えてみます。

アオムシがサナギになるときには、モンシロチョウの幼虫の場合だと、体の周りに糸を吐いて葉などに体を固定し、脱皮をしてサナギになります。

この様子はじっくりと見ていないと見逃してしまいます。

このとき、客観的にありのまま見ているはずです。

そして、注意深く見ています。

このような行動が「観察」です。

「観察」は客観的に見るものです。

そして、さっと見るのではなく、注意の度合いを強くして見ます。

一般的には、テレビやパソコンなどの画像で見ることではなく、自分の目で実際に見ることを「観察」といいます。

「観察」の使い方

物事の状態や変化を主観を離れて注意深く見ることに使用をします。

小学校の夏休みの宿題には、「あさがおの観察」があったのではないでしょうか。

あさがおの観察は、あさがおという植物をじっくりと見るものです。

客観的に注意深く見ているので「観察」といわれています。

「観察」する対象は身の回りにさまざまあり、日常的に何かを「観察」をすることができます。

「観察」を使った例文

・『観察したことを日記にまとめる』
・『動物の観察をする』
・『経過を観察するために隔離する』
・『海に潜って魚を観察する』
・『昆虫を観察するための道具をそろえる』

「観察」の類語

「精察」が類語です。

詳しく観察する、精密に観察するという意味があります。

「精密」には、細部まで注意が行き届いているという意味があります。

つまり、「精察」は細部まで注意を行き届かせて、物事の状態や変化を注意の度合いを高くして見るという意味になります。

「観察」の対義語

対義語はありません。

まとめ

どちらの言葉にも、あきらか、よく見る、詳しく調べるという意味を持つ「察」という漢字が使用されており、2つの言葉には見るという意味が含まれています。

しかし、どのように見るのかという点で意味が違います。