この記事では、「待望」と「念願」の違いを分かりやすく説明していきます。
「待望」と「念願」の違い
「待望」と「念願」の違いについて紹介します。
「待望」と「念願」の使い方の違い
「待望」は、「ものごとの実現を長い間期待して待ち続けること」に使われます。
自分が欲しいもの、望んでいるものが現われることを、心をはずませて待っている状態です。
「念願」は、「常に心の中で強く望み、祈ること」に使われます。
とにかくそうなって欲しいと強く祈る状態です。
「待望」と「念願」の英語表記の違い
「待望」の英語表現は以下の2つです。
1つ目は「long-awaited」で、「長く待っている状態」というニュアンスです。
“The long awaited vacation has finally come.”
(待望の夏休みがとうとうやってきた)
2つ目は「long-expected」で「長く期待していた」というニュアンスです。
“We received a long-expected bonus.”
(待望のボーナスが出た)
「念願」の英語表現は以下の2つです。
1つ目は「dream come true」で、「夢が叶う」というニュアンスです。
“I got my new house, finally my dream has come true.”
(家を手に入れて、遂に念願が叶った)
2つ目は「ones heart’s desire」で「心の願望」というニュアンスです。
“I passed an exam, my heart’s desire has come true.”
(試験に受かって念願が叶った)
「待望」の意味
「待望」は「たいぼう」と読みます。
意味は、「あるものごとに実現を強く期待して待つこと」です。
ある事象に大きく期待して、現実になることや、成果が出ることを楽しみに待つ様子を言います。
ワクワクと心をはずませて待つ状態で、喜ばしいことに対して使われます。
「待望」はあくまで「待ち望むこと」であり、それについて何らかの努力するという意味までは含まれていません。
「待望」の使い方
「待望」は、「あるものごとを強く期待して待つこと」に使われます。
「待望する・した」と助動詞を伴って使われることもあれば、「待望の〇〇」と使われることもあります。
これから起きることを楽しみに待つことで、自分で努力すること以外に、他人や自然現象に対しても使われる言葉です。
また、自分だけではなく他の人にとっても待ち望んでいるものごとに使われます。
「待望」を使った例文
・『3人目で待望の男の子が授かった』
・『日照り続きだったが、待望の雨が降ってきた』
・『廃部の危機にさらされていたが、待望の入部希望者が現われた』
・『推しアイドルの待望のニューアルバムが発表された』
・『スマホの値段が高いと思っていたら待望の新プランが登場した』
「待望」の類語
「待ち焦がれる(まちこがれる)」
あるものごとを待ち続けて、じりじりと身が焼ける様に感じることを言います。
「心待ち(こころまち)」
心の中で大いに期待して待つことを言います。
「待望」の対義語
「望み薄(のぞみうす)」
そうなる見込みがあまりない様子を言います。
「念願」の意味
「念願」は「ねんがん」と読みます。
意味は、「常に心の中で気にかけて強く望み願うこと」です。
あるものごとが実現して欲しいと思い、常にその様に願ったり、祈ったりすることを言います。
期待するというよりは、わらんもすがる思いや、祈りたい気持ちというニュアンスがあります。
ただ待つだけではなく、自分から「是非こうなって欲しい」と強く希望することを表します。
また、そのものごとが実現する様に自分から何らかの行動を取るという意味も含まれています。
「念願」の使い方
「念願」は、「常に気にかけていて、その望みを願ったり祈ったりすること」に使います。
名詞として「念願が叶う」「念願を果す」と使われたり、「念願の〇〇」と使われることもあります。
その人が強く望み、その為に努力してきたことに対して使われることが多くなります。
「念願」を使った例文
・『長い戦いの末、念願の優勝旗を手に入れた』
・『努力して念願の国立大学に合格した』
・『念願叶ってマイホームを手に入れた』
・『念願だったアイドルグループのコンサートチケットが手に入った』
・『我慢して貯金を続けて念願の新車を購入した』
「念願」の類語
「熱望(ねつぼう)」
強い気持ちで望み願うことを言います。
「願望(がんぼう)」
実現することを願い望むことを言います。
「念願」の対義語
「放念(ほうねん)」
ものごとを気に留めずに忘れてそのままにすることを言います。
まとめ
今回は「待望」と「念願」について紹介しました。
「待望」は「望みの実現を待ち望むこと」、「念願」は「望みが叶う様に願うこと」と覚えておきましょう。