この記事では、「代用」と「代替」の違いを分かりやすく説明していきます。
「代用」と「代替」の違い
「代用」と「代替」の違いについて紹介します。
「代用」と「代替」の使い方の違い
「代用」は「一時的であり、元に戻すことが前提であるもの」に使われます。
本来使うべきものを、一時的に他のものに代えて作業しますが、後に元に戻ることを表します。
「代替」は「元のものが使えなくなり、同等のものに代えてそのまま使うこと」に使われます。
本来使うべきものを使わずに、新たに別のものが使われる、元に戻らないことを表します。
「代用」と「代替」の英語表記の違い
「代用」の英語表現は「substitute」が一般的で、「ベストなものが利用できない場合に、代わりに使えるもの・人」というニュアンスです。
“I substituted bed with sofa.”
(私はベッドをソファーで代用しました)
「代替」の英語表現も「subutitute」が使われます。
英語には日本語の様なニュアンスの違いはなく、「代わりに使われるもの」という意味です。
ただし、ビジネスなどで失敗したり壊れたりして、「代替品」として同じ商品をあてがうときなどには「replace」「replacement」が使われることもあります。
“This is the replacement of ordered one.”
(これは注文した商品の代替です)
「代用」の意味
「代用」は「だいよう」と読みます。
意味は「ある物の代わりに別の物を使うこと」です。
「代用」の場合は「ベストなものがない為に、一時的に違うもので、代わりになるものを使うこと」というニュアンスがあります。
本来使うべきものが手に入った時に、元に戻すことが前提となっているのです。
代わりとして十分使えるものですが、習慣的、伝統的、本人の満足度などにより、一時的なものとして使われるものを表します。
「代用」の使い方
「代用」は「ある物の代わりを果たすものを使うこと」に使われます。
「代用する・した」と助動詞を伴って使われ、人に伝える時には「何を何で取って代えるのか」を明確にする必要があります。
また、ビジネスにおいては「一時的な代わり」という意味があることから、商品やサービスの質が落ちていないことを保障することも大切です。
「代用」を使った例文
・『マスクが品薄状態だったので、自作マスクで代用した』
・『牛乳がなかったので豆乳で代用したら、予想以上に美味しく出来た』
・『とろみ付けに片栗粉がなかったので、ジャガイモをすって代用した』
・『カニの代わりにカニカマで代用したが、誰も気づかなかった』
・『イラストを描くのにGペンがなかったのでミリペンで代用した』
「代用」の類語
「間に合わせ(まにあわせ)」
その場を乗り切る為に、必要な物の都合を付けることを言います。
「急場しのぎ(きゅうばしのぎ)」
事態が差し迫っている時に、一時的な間に合わせでその場を切り抜けることを言います。
「代用」の対義語
「正規品(せいきひん)」
規格どおりであると認定された品物のことです。
「代替」の意味
「代替」は「だいたい」と読みます。
意味は「それと同様の他の物に代えること」です。
「代替」の場合は、「それを持って本来の品物と同じものとすること」というニュアンスがあります。
後で元に戻すのではなく、それがそのまま本品になることを表すのです。
「代替品(だいたいひん)」と言えば、本来の品物と同じ価値があり、取って代わるものを表す言葉です。
「代替」の使い方
「代替」は「元の品物と同じ価値を持ち、取って代わるもの」に使われます。
「代替する・した」と助動詞を伴って使われたり、「代替案」「代替品」など複合語としても使われます。
「代替」は、本来は「だいたい」と読みますが、ビジネスなどで「だいがえ」と読むこともあり、間違いではないとされています。
これは、「だいたい」と読む言葉に「大体」もあり、「だいがえ」の方がイメージし易いからです。
「代替」を使った例文
・『土曜日の運動会が雨天の場合、日曜が代替日になります』
・『早く代替案を出さないと、業務に支障が出てくる』
・『急にスタッフが辞めてしまい、代替スタッフを探すのに苦労している』
・『届いた品物が不良品だった為に代替品を送ってきた』
・『この程度の性能では代替として使用できない』
「代替」の類語
「差し替え(さしかえ)」
ある物を、他の物と入れ替えることを言います。
「交代(こうたい)」
役割や場所などをお互いに入れかえることを言います。
「代替」の対義語
「掛け替えのない(かけがえのない)」
この上なく大切で、他に代わりとなるものがないことを言います。
まとめ
今回は「代用」と「代替」について紹介しました。
「代用」は「一時的で後から元に戻るもの」、「代替」は「それを以て本品に代わるもの」と覚えておきましょう。