この記事では、「往生際」と「死に際」の違いを分かりやすく説明していきます。
「往生際」とは?
「往生際」には2つの意味があります。
ひとつは、今が死ぬ本当にそのときです。
体調が非常に悪いとき、もうすぐ死を迎えるのではないかという状態になることがあります。
しかし、何とか命を保つことができ、意識のある状態が続くことは珍しくありません。
この言葉は、死にそうだけれど死なないといった状態ではなく、本当に今このときが死を迎えるときだという、まさにそのときを指しています。
もう一つの意味は、とうとうあきらめなければならなくなったときの決断する能力や態度のことです。
プロのスポーツ選手のことで説明をします。
競技によっては40代、50代になってもプロとして活躍できるものがありますが、サッカーや野球などは30代前に引退してしまうことが珍しくありません。
今、40歳を前にしようとしている選手がいたとします。
この選手は20代、30代のときは華々しい活躍をしていました。
しかし、年齢の影響なのか、このところいい結果を出せずにいます。
周囲からは、そろそろ引退なのではという声がささやかれています。
この選手は、ついに選手生活をあきらめるときだといえるでしょう。
そのときに、ぐすぐすとした態度をとっていたり、なかなか決められずにいたりすることを「往生際が悪い」といいます。
「往生際」の使い方
2つの意味がありますが、とうとうあきらめなければならないときの態度や決断力の意味で使われることが多いです。
「死に際」とは?
まさに死が訪れようとするそのときという意味です。
まさに生命が失われようとするそのときのことで、まだ生命を失ってはいません。
意識がある場合には、周囲の人の声に反応をしたり、死を迎えようとしている人が言葉を発したりすることがあります。
もう命がつきようとしているときには、ほとんど体力がありません。
そのため、言葉を発したとしても聞き取りにくいです。
ドラマなどで最後の別れのシーンで、死を迎えようとするものの口元に家族などが耳を近づける場面があります。
声を聞き取りにくいため、このようにする必要があるのです。
「死に際」の使い方
今死を迎えるまさにそのときという意味で使用をします。
死は頻繁にあるものではないので、頻繁には使わない言葉です。
「往生際」と「死に際」の違い
死を迎えるまさにそのときという意味が同じです。
後者には、とうとうあきらめなければならなくなったときの決断する能力や態度という意味もあります。
「往生際」の例文
・『往生際が悪い』
・『往生際の悪さが目立つ』
「死に際」の例文
・『死に際の最後の一言』
・『死に際に言葉を残す』
まとめ
まさに今生命が失われるときという意味が、2つの言葉には共通しています。
一方の言葉には、ついにある事柄を断念しなければならなくなったときの態度や決断力という意味もあります。