技術者が仕事をする時に重要なのは、対象となる業務を遂行するための技能や技術、能力があるかどうかということです。
IT技術者には、その辺りを客観的に証明するための認定制度があります。
さて、ここで使用した「技能」、「技術」、「能力」とはどんな意味でしょうか。
そして、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「技能」と「技術」と「能力」の違いを分かりやすく説明していきます。
「技能」とは?
「技能」とは、文字通り「技術的な能力」のことであり、「訓練や業務遂行によって身につけた能力」と言い換えることもできます。
「医療事務技能認定試験」のように、使われることが多い言葉です。
日常会話で使われることはなく、正式な文書に記載されることが多い言葉です。
「技術」とは?
「技術」とは、「わざ」のことです。
「特殊な職業の人が持っている技能」のような意味でも使われますし、「何かを実施するためのテクニック」のような意味でも使用されます。
現代においては、「一般的な事務作業では無い専門的なもの」で、特にデジタル的な技術を指す場合が多い言葉です。
「能力」とは?
「能力」とは、文字通り「何かができる力」のことです。
使われる範囲は極めて広く、「スマホを操作する能力」のようなものから「裁判所で司法関連の業務を行える能力」まで、様々なものがあります。
さらに、日常会話においても普通に使用される言葉です。
通常は、「能力がある」、「能力がない」というように有る無しで表現されるので明確な表現とも言えます。
「能力」があるのは、人間だけに限らず、例えば、よく使われる「放射能」という言葉は、ウランなどが持っている「放射線を出す能力」の略であることはあまり知られていません。
「技能」と「技術」と「能力」の違い
「技能」と「技術」と「能力」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの言葉は、主に技術が必要とされるエリアの話題の中で使用されるものではありますが、意味は全く違います。
今回はそれぞれの英語訳を比べてみることによって、その違いを明確にして行きます。
「技能」、「技術」、「能力」の英訳を並べると、「skill」、「technology」、「ability」となります。
これらの言葉は日本語でも、「スキル」、「テクノロジー」、「アビリティ」として普通に使用されているので、その意味はわかると思いますが、こうしてみると、日本語でみる場合の「似たもの」感が英語にはほぼ無いことがわかります。
まとめ
この記事では、「技能」と「技術」と「能力」の違いを説明してきました。
これらの言葉は、技術者として仕事をしている人にとっては最も基本的なものであり、それを証明するための認定性もあるという話をしましたが、その認定は公式なものや非公式なものもあり、多岐に渡っています。
例えば、情報処理推進機構(IPA)が行なっている「情報処理技術者試験」は、経済産業省主幹の国家資格であり、認定者は増えています。