簡易宿泊施設というものがあります。
旅館やホテルなどの一般の宿泊施設に比べると、設備が簡易で、その分値段が安くなっています。
これは旅館業法上では、簡易宿所と定義されていて、スポーツ合宿所、小規模の民宿、カプセルホテルなどがこのカテゴリーに属します。
さて、ここで使用した「簡易」という言葉はどういう意味でしょうか。
同じような言葉として「簡便」や「容易」がありますがそれらの違いはなんでしょうか。
この記事では、「簡便」と「容易」と「簡易」の違いを分かりやすく説明していきます。
「簡便」とは?
「簡便」とは、文字通り「簡単で便利なこと」あるいは「簡単で都合が良いこと」を意味します。
使われる対象はかなり限定されるので、使用には考慮が必要です。
例えば化学実験のプロセスとして「簡便法」と言えば、「本来は10の手続きが必要だが、そのうち6つは状況によっては必要ないので省略した方法」のようなものを言います。
もちろん、採用するにあたっての条件は明示されることがほとんどです。
英語では、「convenient」です。
「容易」とは?
「容易」とは、「容」も「易」も「やさしい」という意味なので、合わせても「とても易しい」という意味になります。
「易しい」というのは「gentle」ではなくて、「easy」という意味です。
すなわち、「容易に想像できます」、「容易に実行可能です」、「このゲームのモードはイージーなので、進行は容易です」などのように、イージーな状態のことは全て「容易」と表現することができます。
「簡易」とは?
「簡易」とは、文字通り「簡単で易しい」という意味です。
通常は必要なさまざまなものが省略されている状態のことを指す言葉です。
例えば、「簡易裁判所」とは、軽い罪状の裁判のための施設であり、手続きや提供される施設内容が通常よりも簡単になっているものです。
また、「簡易保険」と言えば、一般の生命保険のよりも加入に際する制限が少なく、その分、保険金は安く抑えられています。
英語では、「simple」が近いでしょう。
「簡便」と「容易」と「簡易」の違い
「簡便」と「容易」と「簡易」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの言葉は、「簡単である」ことを表す言葉であるという部分は同じですが、それぞれの意味は違います。
最も大きな違いは、何を重要視するかということです。
例えば、「簡便」は「都合が良い」こと、「容易」は「たやすい」こと、「簡易」は「易しい」ことを重要だと定義しています。
「容易」と「簡易」はかなり近いニュアンスなのですが、違いは「容易」で簡単なのが工程であることに対して、「簡易」で簡単なのは結果として出来たものであるという部分です。
まとめ
この記事では、「簡便」と「容易」と「簡易」の違いを説明してきました。
「簡単に」というと、手を抜いているような印象になる場合もありますが、「簡易裁判所」や「簡易施工」などは手を抜いているわけではなく、一定の条件の元に必要ないと判断できるものや工程を取り除いているに過ぎず、結果として迅速な完成や安価な提供ができるようになっているのです。