この記事では、「忖度」と「贔屓」と「斟酌」の違いを分かりやすく説明していきます。
「忖度」とは?
忖度とは、そんたくという読み方をすべき言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば理解出来る事ですが、思案するや心を推しはかるといった意味の忖の漢字に、推しはかるや見積もるといった意味がある度の漢字を加える事で完成した言葉となっています。
そのため忖度は、他人の心を推しはかった上で配慮する事を意味するのです。
「忖度」の言葉の使い方
忖度は、他者の意向を推しはかりながら配慮するという意味で使われる言葉となっています。
特に目下の者が目上の者の意向を汲んで、その意に沿う様に行動するという意味で使われる事が多いです。
「贔屓」とは?
贔屓とは、ひいきという読み方をする言葉となっています。
文字で記されたこの言葉を目にすれば分かる事ですが、重い荷物を背負うという様な意味を持つ贔の文字に、鼻で呼吸をする等の意味を有する屓の文字を組み合わせる事で成立した言葉です。
だからこそ贔屓は、自分が気に入った者を特に目をかけて引き立てる事を示します。
「贔屓」の言葉の使い方
贔屓は、気に入っている人を特別に引き立てるという意味で用いられる言葉です。
他にも、既に贔屓されている者や贔屓されたい者が、ご贔屓という表現でこれからもお世話になりたい、という意向を示したりします。
「斟酌」とは?
斟酌は、しんしゃくという読み方をする言葉です。
漢字で表記されたこの言葉を見れば合点が行く事ですが、事情を汲み取る事で手心を加えるといった意味がある斟の漢字に、先方の事情や意見を汲み取るという意味を所有する酌の漢字を付け足す事で誕生した言葉となっています。
なので斟酌は、相手の心情とか事情を汲み取った上で手加減する事を意味するのです。
「斟酌」の言葉の使い方
斟酌は、相手の心情を推しはかった上で手加減するという意味で使用される言葉となっています。
同情心等から相手の心情を汲んだ上で、手加減する事で勝負事でわざと相手に勝たせたりする際に使われる言葉です。
「忖度」と「贔屓」と「斟酌」の違い
忖度と贔屓、斟酌の3つの言葉を文字表記で並べても、共通する漢字はなく、読み方も特に似てはいません。
ですが3つとも相手を優遇する、といった似た様な意味合いを持っている点がややこしいと言えます。
もっとも忖度は、主に目下の者が目上の者の意向を汲む事で、その意向に沿う形で行動する事を表す言葉です。
贔屓は、気に入った者を特別に引き立てる、という意味を示します。
斟酌は、相手の心情を汲んだ上で手加減するという意味を表現するのです。
まとめ
3つの言葉は、使用されている文字は全然違うものの、持つ意味合いが似ているので使い分けを意識すると混同する恐れがあると言えます。
とはいえ表す意味のニュアンスには違いがあるので、その点を踏まえる事で使い分けが可能になるのです。
まず忖度は、他人の心を推しはかった上で配慮するという意味を表します。
特に目上の者に対し目下の者が、意向に沿う形で行動するという意味で使用されるのです。
次に贔屓は、目を掛けている相手を引き立てて優遇するという意味で、用いられる言葉となっています。
最後に斟酌は、相手の事情や心情を汲み取った上で、手加減してあげるという意味を示すのです。