人が相手に対し抱く感情となる「憐れみ」と「哀れみ」と「同情」。
この3つの言葉には、どのような感情の違いがあるのか。
この記事では、「憐れみ」と「哀れみ」と「同情」の違いを分かりやすく説明していきます。
「憐れみ」とは?
人の苦しみや悲しみに対し、かわいそうだと思うことを「憐れみ」と言います。
相手に対しかわいそうだと思うだけではなく、気の毒に思う、不憫に思う、ことを意味し、そのことによって自分自身の心を痛めることが「憐れみ」です。
「憐れみ」は、目下の人に対し用いられる言葉となります。
そのほか、純粋な気持ちで、かわいそうだと思うこと以外に「憐れみ」の場合、相手を少し下に見る気持ちや軽蔑する気持ちが含まれていることもあります。
そして、「憐れみ」は、単に心の中で思う気持ちだけではありません。
その気持ちを言葉や 態度、行動に表すものとなります。
「哀れみ」とは?
人の苦しみや悲しみに対し、かわいそうだと思うことを「哀れみ」と言います。
その気持ちは、心が詰まるほどです。
また、相手に対しかわいそうだと思うだけではなく、気の毒に思う、不憫に思う、ことを意味し、そのことによって自分自身の心を痛めることが「哀れみ」です。
「哀れみ」は、目下の人に対し用いられる言葉となります。
そのほか、純粋な気持ちで、かわいそうだと思うこと以外に「哀れみ」の場合、相手を少し下に見る気持ちや軽蔑する気持ちが含まれていることもあります。
そして、「哀れみ」の場合、かわいそうな人に対し心を痛めるだけで、何か行動に移すといったことはありません。
「かわいそうな人だ」と心で思うだけで留まります。
「同情」とは
相手の苦しみや不幸、悲しみなどに対し、かわいそうだと思うことを「同情」と言います。
その人の立場に立って、その人の悲しみに向き合うことが「同情」で、単にかわいそうだと思うだけではなく、同じ気持ちになり、そして、少しでも相手のためになることができればと相手のことをいたわるものとなります。
「同情」は、相手との立場に関係なく用いられる言葉で、目下の人にも目上の人にも「同情」を用いることが可能です。
また、この「同情」には、相手のことを下に見る気持ちや軽蔑するような気持ちは含まれません。
「憐れみ」と「哀れみ」と「同情」の違い
「憐れみ」と「哀れみ」は、目下の人に用いる言葉。
「同情」は、立場に関係なく用いる言葉。
この点に違いがあります。
そのうえで、「憐れみ」は、かわいそうだと思う気持ちを態度や行動として表すのに対し、「哀れみ」は、あくまでも、心で思うだけに留まります。
また、「同情」は、自分のことのように思うことを意味し、相手のことを親身に考えるものとなります。
決して、「憐れみ」や「哀れみ」が持ち、相手のことを軽蔑するようなことはありません。
まとめ
このように、一見同じような意味を持つ言葉でも、誰に対し用いられる言葉なのか。
また、そこにどのような気持ちが含まれているのか。
といった違いがあります。