皆さんは「爵位」「位階」「称号」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
現代社会ではあまり日常的に使われることのない言葉かもしれません。
そこでこの記事では、「爵位」と「位階」と「称号」の違いを分かりやすく説明していきます。
「爵位」とは?
「爵位」は「しゃくい」という読み方をしますが、「貴族の段階別、すわなちクラスを示す称号のこと」であり、世襲されることが一般的。
貴族の爵位の意味は国から与えられる称号なのですが、国によって事情が異なります。
君主制に基づいた国家から与えられるものであり、血統で続いていく世襲制に加え、大きな成果を挙げた功労者に対する一代限りの栄誉称号として与えられるケースもあるのです。
日本でも、以前は「公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵」の5つのランクがありました。
「爵位」の例文
・『貴族の爵位は階級の序列』
・『日本でも爵位は公爵・侯爵・伯爵:子爵:男爵』
貴族の爵位は、階級の序列を表していますが、日本でも例文のような爵位が使われていたことがあったわけです。
「位階」とは?
「いかい」という読み方をする「位階」は、「功績のあった人や官庁などの公的な人などに与えられる栄典の一種」です。
「正八位」「従一位」などが知られていますが、歴史的には、飛鳥時代の大宝律令で制定されたものと言われています。
「位階」の例文
・『位階は30段階あり最上位の正一位から最下位の少初位下まで』
・『位階は官職とも関連性がある』
位階と官職にはある程度の組み合わせが決まっていました。
「称号」とは
「称号(しょうごう)」は、「優れた者としての呼び名」のことで、いわゆる「身分・資格などを表す呼び名」と言ってもいいでしょう。
源蔵でも個人や団体の身分や地位を表す言葉として使われているのです。
「称号」の例文
「称号」の例文は以下の通りです。
・『人間国宝の称号を贈られる』
・『女王からこの称号を授けられました』
現在でも「人間国宝」という称号は身近なものと言えるでしょう。
「爵位」と「位階」と「称号」の違い
「爵位」は「古代~中世の国や君主制国家において、貴族の血筋に基づく世襲、あるいは国に大きな功労のあった人への恩賞として授与される栄誉称号のことでした。
「位階」はよりも時代が遡り奈良時代から存在している階級制度です。
当時は30階級制あったのですが、明治時代に16階級制となり、「爵位」とセットで使われていた経緯があります。
1947年に廃止されていますが、現在では功労者に対し誉の証として与えられることも。
要約すると、「爵位」は明治時代~1947年までかつての大名・華族に対して与えられていた特権であり、「位階」はさらに古い時代からあった階級制度なのです。
「称号」は、本来「号を称する」という意味を持ち、名以外に特定の人を指す呼び名として使われていました。
まとめ
ここまで「爵位」と「位階」と「称号」の意味やその違いを解説してきました。
現代ではほとんど触れる言葉ではないので、言葉の知識として知っておいてもいいのではないでしょうか。