「投入」と「注入」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「投入」と「注入」の違い生活・教育

この記事では、「投入」「注入」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「投入」と「注入」の違い

「投入」の主な意味は2つあります。

1つめは、ものをなげいれることです。

もう一つは、事業などに資金や労力を集中的に向けることです。

「注入」には、3つの意味があります。

1つめは、液体や気体をそそぎいれることです。

2つめは、多くのものを1か所に送り込むことです。

3つめは、知識などをそそぎ込むことです。

「投入」にあるものをなげいれるという意味と、「注入」にある液体や気体をそそぎいれるという意味が似ていますが、同じことを意味しているのではありません。

どちらの言葉にも「入れる」という意味が含まれていますが、入れ方が「投入」の場合は投げており、「注入」の場合はそそいでおり、圧力をかけて流し入れるようなイメージです。

また、「投入」にも「注入」にもそれ以外の意味があり、それらの意味は2つの言葉でまったく違います。


「投入」と「注入」の使い方の違い

物を投げ入れることに「投入」を使用します。

入れることでも、注ぎ入れることには「注入」を使用します。

たとえば、ぐつぐつと沸騰した鍋があり、その中に野菜や肉などの具材を、そっとではなく、ぽんと入れることは「投入」といいます。

または、プールに塩素の錠剤を投げ入れるのも「投入」といえます。

浄水場では、ろ水に塩素を入れて消毒をする作業が行われます。

この作業のことを塩素注入といいます。

プールに塩素剤を入れる例では、錠剤のようなものを投げ入れているので「投入」といいますが、塩素注入は投げて入れるのではなく、注ぐように入れます。

そのため、「投入」という言葉が使用されています。


「投入」と「注入」の英語表記の違い

「投入」は英語で、投げ入れる意味では“throw into”、資金や労力などを集中的に向ける意味では“input”と表現をします。

「注入」は英語で“pour”と表現をします。

「投入」の意味

「投入」の主な意味は2つあります。

1つめは、ものをなげいれることです。

投げるには、手に取って遠くに飛ばす、ほうるという意味があります。

入れるとは、外側から内側に移すことです。

調理中、高温になって火があがっている油を見ると、パニックになって水を油の中に入れてしまう方がいるようです。

このとき、水をそっとかけるのではなく、遠くからほおっていることが多くあります。

このようなことを「油に水を投入する」といいます。

油に水を「投入」するのは危険なので、行わないでください。

「投入」のもう一つの意味は、事業などに資金や労力を集中的に向けることです。

外から何かを持ってきて、資金や労力などを向けることではなく、自分のところにあるものを集中的に向ける意味になります。

たとえば、A会社はある企画を考えていて、そこに200万円を使うことにしました。

会社にとっては大きな金額です。

この200万円は借りたものではなく、もともと会社で持っているものです。

ある事柄にだけ集中的に注いでおり、こういったことを「投入」といいます。

「投入」の使い方

物を投げ入れる意味では、「洗濯機が自動で洗剤を投入する」のような使い方をします。

事業などで資金や労力を注ぐ意味では、「1億円を投入する」のような使い方をします。

「投入」を使った例文

・『選手獲得のために1億円を投入した』
・『高温の油にマヨネーズを投入する』
・『土地に資金を投入する』
・『燃えさかる炎に花束を投入する』

「投入」の類語

事業などで資金や労力を注ぎ込む意味の類語が「導入」です。

外部から持ってきて入れる意味があります。

「投入」の対義語

「取り出す」が対義語です。

中から取って外へ出すという意味があります。

「注入」の意味

「注入」には、3つの意味があります。

1つめは、そそぎいれることです。

「注入」が意味する注ぎ入れるとは、圧力をかけて狭い口から入れる意味があります。

たとえば、美容目的で肌にヒアルロン酸を入れることがありますが、このときには注射針を使用してヒアルロン酸を肌に入れています。

注射針は細く、また入れるときには圧力をかけています。

このような入れ方が「注入」です。

2つめの意味は、多くのものを1か所に集め送ることです。

仕事をしていて、ある1つのものに精力を傾けることがあるのではないでしょうか。

このようなことを「精力を注入する」といいます。

3つめの意味は、知識などをそそぐことです。

「注入」の使い方

注ぎ入れる意味では、液体にも気体にも使用できます。

多くのものを1か所に集中的に送り込む意味では、精神力や知識など見えないものに対して使うことが多いです。

「注入」を使った例文

・『エアーマットに空気を注入する』
・『エネルギーを注入する』
・『薬剤を木材に注入して耐火性を高める』
・『皮膚にヒアルロン酸を注入する』

「注入」の類語

「注水」が類語です。

水を注ぎ入れるという意味があります。

「注入」の対義語

「吸い出す」が対義語です。

中にあるものを吸って出すという意味があります。

まとめ

2つの言葉では、入れるという意味が似ていますが、投げて入れる、注いで入れるという点で意味が違います。