この記事では、「協力」と「団結」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「協力」と「団結」の違い
「協力」とは、2人以上や2団体以上が力をあわせて事にあたることです。
「団結」とは、多くの人が共通の目的や考えのもとにまとまることです。
「協力」には事にあたるという意味が含まれていますが、「団結」は単にまとまることです。
一緒に何かをするという意味は含まれていません。
「協力」は一緒に事にあたりますが、一緒に事にあたるという場合には、共通の目的を持っていることが少なくありません。
「団結」には共通の目的のもとという意味が含まれており、集まる人や団体、力をあわせる人や団体が共通の目的を持っている点では「協力」と同じです。
「協力」と「団結」の使い方の違い
力をあわせて何かをすることには「協力」を使用します。
「撮影に協力する」のような使われ方をします。
同じ目的を持っている人たち、考えを同じにする人たちが集まること、まとまることには「団結」を使用します。
一緒に何かをするという意味は含まれておらず、単にまとまることです。
まとまる人たちには、共通の目的や同じ考えがあります。
「チームで団結する」のような使われ方をします。
「協力」と「団結」の英語表記の違い
「協力」は英語で“cooperation”と表記をします。
「団結」は英語で“unity”と表記をします。
「協力」の意味
「協力」には、一緒に力をあわせて事にあたるという意味があります。
「一緒」には、一つにまとめるという意味があり、「あわせる」には、心や力を一つにするという意味があります。
一つにするという場合、2つ以上のものが存在していることになります。
つまり、一緒に力をあわせるときには、2人以上や2団体以上がかかわっていることになるのです。
そのため、「協力」は2人以上や2団体以上が力をあわせて物事に従事する意味になります。
料理教室では、1人が調理のすべての工程を行うのではなく、1品を複数人で調理することがあります。
たとえば肉じゃがを作るとしたら、野菜を切る人、肉を炒める人など分担をします。
調理をするそれぞれの人が勝手に好きなことをしていては、うまく調理ができないので、それぞれがうまく作業を分担して、力をあわせて行う必要があります。
料理という事を複数人で力をあわせて行っている、これが「協力」です。
また、料理の例だと、料理という一つの目的を共有しています。
「協力」の使い方
力を合わせて事にあたることに使用をします。
ばらばらに勝手気ままに物事に従事することではありません。
「協力」を使った例文
・『協力を惜しまない』
・『父の協力のおかげで成功することができた』
・『撮影に協力してもらう』
・『家族の協力に感謝しています』
「協力」の類語
「協同」「共同」「提携」が類語です。
「協同」は「協力」と意味は同じです。
心や力をあわせるためにまとまるという意味合いを持っています。
「共同」も『協力」と意味は同じです。
同じ資格によってかかわるという意味が含まれています。
「提携」とは、事業を効率的に行うためのつながりで、互いに助け合うことです。
「協力」の対義語
「勝手」が対義語です。
他の人には構わず、自分の好きなように振る舞う意味があります。
「団結」の意味
「団結」には、同じ目的や同じ考えのもとにまとまることという意味があります。
「まとまる」とは、ばらばらになっていたものが一つにかたまることです。
「団結」には多くの人がかかわる意味があります。
また、まとまる力が強いです。
サッカーや野球などのスポーツはチームプレーです。
チームがばらばらに動いていては、相手チームに勝つことはできません。
チームのメンバーは、勝つなど同じ目的を持っています。
そして、チームのメンバーはその目的のためにまとまっています。
こういったことが「団結」です。
「チームで団結する」のような言い方をします。
「団結」の使い方
同じ目的や考えがあってまとまることに使用をします。
目的が違う人たち、考えが違う人たちがひとかたまりになることには使用しません。
「団結」を使った例文
・『もっと団結する必要があると感じた』
・『団結力が問われる』
・『部署を超えて団結する』
・『市の職員と市民が団結をしてイベントを開催する』
「団結」の類語
「大同」が類語です。
一つの目的のために多くの人がまとまるという意味があります。
「団結」の対義語
「解散」が対義語です。
行事などが終わって集まっていた人たちがばらばらになるという意味があります。
まとめ
2つの言葉には、複数人や複数団体が集まるという意味合いがあり、意味が似ているように感じ、使われ方も似ていますが、「協力」は力をあわせて物事に従事すること、「団結」はひとつにまとまることで、意味が違います。