この記事では、「気迫」と「気合」と「気力」の違いを分かりやすく説明していきます。
「気迫」とは?
「気迫」【きはく】とは、物事に力強く立ち向かっていく精神力のことです。
漢字の「気」は心のはたらきやそれに伴うエネルギー、 「迫」はせまることを意味しており、これらの漢字を組み合わせた「気迫」はせまってくるような心の激しいエネルギー、力強い精神力を表しています。
「気迫」は、物事に取り組むときに生じる意気込みの激しさ、魂のこもった様子を表します。
ほかの人が見て、迫ってくるような精気を感じる状況です。
「気迫に満ちた」「気迫のこもった」などの使い方をします。
類語は「バイタリティ」、「鋭気」【えいき】です。
「バイタリティ」は生命力が旺盛な様子、「鋭気」は意気込みに勢いがあることを意味します。
「気合」とは?
「気合」【きあい】とは、何かをおこなう前に、精神を集中させて気持ちを引き締めること、またはそのときの掛け声です。
「気合」は「気を合わせる」と書くように、気(呼吸)を合わせることを指します。
闘争心にスイッチを入れたり、逆に気持ちをリラックスさせたりしているのは呼吸であり、何かに立ち向かう際に集中力や覇気を高めるためには呼吸の乱れをなくすことが必要です。
「気合」という言葉は、これから何かをおこなう際に持っている力を発揮させるため、呼吸を整えて心のエネルギーを充満させることを表します。
「気合」の類語は「気勢」【きせい】、「意気込み」、「心構え」などです。
「気勢」と「意気込み」は何かをおこなう前の意欲的な気持ち、「心構え」は物事に取り組む際の心の準備を指します。
「気力」とは
「気力」【きりょく】とは、何かをおこなおうという意欲的な気持ち、気持ちの張り合いのことです。
「気力」は「気の力」と書き、生きるための原動力となる「気(心のエネルギー)」がみなぎっている様子を指します。
「気」は目に見えない抽象的な存在ですが、精力や気持ちの張り合いといったニュアンスを持ち、「気力」とはいわゆる「やる気」のことを指します。
体に備わる元気さ、行動力を「体力」といいます。
対して「気力」は心の元気さ、活動力を表す言葉になっています。
「気力」の類語は「精気」【せいき】、「活力」【かつりょく】、「精根」【せいこん】です。
「精気」は人が生きていくために必要な活動力、「活力」は体に備わるエネルギーを指し、「精根」は「気力」や「活力」を含んだ意味合いを持ちます。
「気迫」と「気合」と「気力」の違い
「気迫」「気合」「気力」はいずれも、ある瞬間の「心のエネルギー」のあり方を表しています。
「気力」は、何かをおこなおうとする意欲的な気持ちです。
何かをおこなう際に、精神を集中させて「気力」を高めることが「気合」といえます。
「気迫」は物事に力強く立ち向かっていく精神力、「気力」に満ちている様子のことです。
「気迫」と「気力」は類語の関係にあたり、どちらもやる気に満ちた様子を表しますが、「気迫」のほうがより情熱や勢いの強さを感じます。
まとめ
「気迫」「気合」「気力」は精神力、やる気に関連する言葉です。
心の概念は漠然としているので分かりにくいですが、それぞれの言葉はニュアンスが微妙に異なります。
意味の違いを理解して細かく使い分けていくとよいでしょう。