「厳正」と「厳格」の違いとは?分かりやすく解釈

「厳正」と「厳格」の違い生活・教育

似たような意味で使われる言葉として「厳正」「厳格」があります。

どちらもとても厳しい様子をあらわす言葉ですがどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「厳正」「厳格」の違いについて解説します。

「厳正」とは?

「厳正」とは、「規則や規律に対し厳しく公平にあたること」を意味する言葉です。


「厳正」の使い方

「厳正」「正」「公正」「正義」など「正しさ」を意味します。

この場合の正しさとは法律やルール、基準や水順など「事前に提示されていて多くの人に対し適用されるルールに対する正しさ」です。

ある基準をあいまいにせず厳しく適用していく行為が「厳正」であり、ルールをすべてのものに平等に適用し差がでないようにする取り組みを表します。

「厳正」が強調しているのは「公平性」です。

身分や地位、事情や状況など個別の都合に左右されることなくすべての物事に対し基準を一律に適用するのが「厳正」であり法律や社則などルールに通じつであることを意味します。

一般的には裁定するときに使われる言葉ので「ルールと照らしあわせて正しさを判断するときの厳しさ」をあらわす表現です。


「厳格」とは?

「厳格」とは、「不正を許さず厳しく取り組むこと」を意味する言葉です。

「厳格」の使い方

「厳格」という言葉は「道徳やモラルなどはっきりと明示されていないものを基準とするときの厳しさ」を表します。

不正やごまかしなどに対して厳しくあたりゆるさないのが「厳格」であり、容赦なく徹底的に追及し取り締まる様子を指す言葉です。

「厳格」という言葉には「融通が利かない」というニュアンスが込められています。

普通なら融通を利かせて許してくれたり観葉に受け入れてくれたりするのにそういった態度を見せず例外を一切認めないのが「厳格」です。

「厳正」と「厳格」の違い

「厳正」「厳格」の違いは「基準」です。

「厳正」は法律やスポーツのルールなど明示されたルールに対する厳しさを意味します。

「厳格」は道徳やモラルなど多くの人が認識しているがはっきりと明示されていない基準に対する厳しさを意味する言葉です。

すべての人を平等に扱う公正さに基づく厳しさが「厳正」、不正や例外を許さない厳しさが「厳格」という違いで区別されます。

どちらの言葉も厳しく例外を認めない強い対応を表していますが「厳正」は他の人との程度の違いを重視し「厳格」は本来あるべき様子との違いを重視するという違いを持つ表現です。

「厳正」の例文

・『応募作品を厳正に審査した結果、最優秀賞が決定した』
・『厳正な抽選により当選者が選ばれた』

「厳格」の例文

・『カンニングをした生徒に対し厳格な処分が下された』
・『宮中晩餐会には厳格なドレスコードが設けられている』

まとめ

「厳正」「厳格」はとてもよく似た言葉で置き換えて使われることもありますが本来の意味には違いが見られます。

微妙なニュアンスにより使い分けられる表現なのでそれぞれの言葉が持つ意味を正確に理解して区別してください。