「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」の違いとは?分かりやすく解釈

「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」の違い生活・教育

相手の心遣いへ甘んじるときに使われる「お言葉に甘えて」「ご厚意に甘えて」ですが、何か違いや使い分けはあるのでしょうか?

この記事では、「お言葉に甘えて」「ご厚意に甘えて」の違いを分かりやすく説明していきます。

「お言葉に甘えて」とは?

「お言葉に甘えて」とは、「相手の親切な申し出、勧めに従うときや受け入れるとき」などに用いられる慣用句です。

ここでの「お言葉」「相手からの申し出や勧め」を指しています。

「言葉」に尊敬を意味する接頭語「お(=御)」をつけて尊敬語とすることで、相手を敬った表現になっています。

「甘える」「可愛がってもらおうとすること」「わがままに振る舞うこと」などの意味を含みますが、ここで指すのは「遠慮なしに相手の好意を受け入れること」です。

「お言葉に甘えて」は、一般的に相手が親切心から言った申し出や勧めに甘んじるときの前置きの言葉として用いられています。


「お言葉に甘えて」の言葉の使い方

・(相手に食べ物や飲み物を勧められたとき)『では、お言葉に甘えて、ありがたく頂きます』
・(相手から援助の申し出を受けたとき)『では、お言葉に甘えさせていただきます』
・(上司などから自分の体調を気遣って休むことを勧められたとき)『申し訳ありませんが、お言葉に甘えて休みを頂きます』


「ご厚意(こうい)に甘えて」とは?

「ご厚意に甘えて」は、「相手の親切な申し出、勧めに従うときや受け入れるとき」「相手の親切な行為を受け入れるとき」などに用いられる慣用句です。

「ご厚意」「厚意」「思いやりの心」「心遣い」を指し、尊敬を意味する接頭語「お(=御)」をつけて尊敬語とすることで、相手を敬った表現になっています。

先述した「お言葉に甘えて」とほぼ同じ意味合いで、「ご厚意に甘えて」も相手の親切心や心遣いに甘んじるときの前置きの言葉として用いられています。

「ご厚意に甘えて」の言葉の使い方

・(相手に食べ物や飲み物を勧められたとき)『せっかくなので、ご厚意に甘えて、ありがたく頂戴いたします』
・(相手から援助の申し出を受けたとき)『恐れ入りますが、ご厚意に甘えさせていただきます』
・(相手から集まりなどへの参加を誘われたとき)『ご厚意に甘えて、同席させていただきます』

「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」の違い

いずれも相手の親切な心遣いに甘んじるときの前置きの言葉として用いられており、どちらを使用しても間違いということはありません。

ただし、「ご厚意に甘えて」「ご厚意」は相手からの「申し出、勧め」「行為」を含めます。

一方、「お言葉に甘えて」「お言葉」は相手からの「申し出、勧め」のみを指し、「行為」そのものは含まれません。

また、尊敬語から分かるように、かしこまった表現であるため、基本的に目下の相手には使われません。

加えて、親しい間柄の相手に使った場合はやや仰々しい表現となってしまいます。

まとめ

「お言葉に甘えて」とは、「相手の親切な申し出、勧めに従うときや受け入れるとき」などに用いられる慣用句です。

「ご厚意に甘えて」は、「相手の親切な申し出、勧めに従うときや受け入れるとき」「相手の親切な行為に甘んじるとき」などに用いられる慣用句です。

どちらも同じような意味合いで用いられていますが、「ご厚意」「相手からの申し出や行為」全般を指すのに対し、「お言葉」が指すのは「相手からの申し出」であり、「行為」そのものは含まない点に注意しましょう。