「自業自得」と「因果応報」の違いとは?分かりやすく解釈

「自業自得」と「因果応報」の違い生活・教育

この記事では、「自業自得」【じごうじとく】と「因果応報」【いんがおうほう】の意味や違いを分かりやすく取り上げて説明していきます。

「自業自得」とは?

自分でやっておいて失敗して、悪い状況に陥ってしまったその人の行為を「自業自得」【じごうじとく】と言います。

元々は仏教用語であり、人が欲を出したばかりに失敗したことが愚かなことであり、みっともないという意味で使われていた言葉です。

お金になると思って欲を出したばかりに人に騙されて全財産を失ってしまったが、それは自分の愚かな判断ミスによって起こるものだと人から同情もされない出来事を起こした者に対して使います。

結局は、自分の行為が悪い結果となって降りかかるみっともない結果に同情する予知もないと、人から馬鹿にされることを指すわけです。


「因果応報」とは?

いいことをすれば良い結果となり、悪いことをすれば酷いことが起きるという意味があるのが「因果応報」【いんがおうほう】です。

仏教語であり、己の善悪の因縁によって辛いと災いが起こるという意味がある「吉区禍福」【きっきょうかふく】が起こるから悪いことはするなと人々に諭します。

自分が苦しんでいるのは、過去に悪いことを起こしたからであるので、これからは気持ちを入れ替えて未来はいいことが起こるように人を救ったり、良い行いをした方がいいと思う気持ちを伝えます。


「自業自得」と「因果応報」の違い

「自業自得」「因果応報」の違いを、分かりやすく解説します。

悪いことすれば天罰のように自分に悪いことが返ってきて酷い目に遭うことを「自業自得」と言います。

悪ふざけした者や、自分さえ良ければいいと思うその気持ちで人を陥れるような悪行をしたとき、自分も同じような悪い状況に陥ってしまうことを表します。

一方の「因果応報」は、前世の行いからさかのぼり、現在に結果が出るものなので、生きている間は悪さなどせず、人のためになるような良い行いをして結果を残して成果をあげることが大事だと伝えます。

悪いことをすれば生まれ変わっても自分に返ってくることを伝えて、悪さをしないように引き止めます。

「自業自得」の例文

・『民家から車を盗んで高速道路を運転していた窃盗犯が、大型自動車に追突されて腰の骨を折ったのは自業自得だ』
窃盗犯が人の車を勝手に盗んで運転したとき大変な事故に遭い、大怪我したのは悪い行いをした報いだという意味を込めています。

・『時間内であれば好きなだけ食べてもいいので、思い切り食べたら下痢をしたのは自業自得だと反省した』
元をとろうと食べられるだけ食べたらお腹をくだしてしまった自分の愚かさに怒りを覚えるが、反省するしかない状況を表すわけです。

「因果応報」の例文

・『大病になったのは不幸だが、若い頃から悪いことばかりしていたため因果応報となって表れたのだろう』
若い頃に悪いことばかりしていると、後からになって恐ろしいこととなって自分を襲うのだと伝えます。

・『過去に悪いことした人でも、深く反省して人々のためになる行いをすれば因果応報で救われる』
悪いことをしたとしても、反省してこれからは人のためになることをして生きようと行動を起こせばいい報いが訪れることもあるのです。

まとめ

この2つの言葉には、自分のことばかり考えて人を傷つけたり、裏切るようなことをしていればいつか自分も同じ目に遭うことがあるので、慎重に考えて行動することが大事という意味を持ちます。

日頃から悪さをせず、いいことして生きる人は仏様に救われると考えながら生きていくといいでしょう。