「本質的」と「実質的」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「本質的」と「実質的」の違い生活・教育

この記事では、「本質的」「実質的」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「本質的」と「実質的」の違い

「本質的」「実質的」の違いは、「本質的」「ある物事を規定する重要な内容や根本的な要素があること・本来的に持っているもの」を意味していますが、「実質的」のほうは「形式や外見ではなくて実際にどうであるかということ」を意味している違いになります。

「本質的」というのは「その人や物が本来的に備えている性質・その物事の重要な部分」を示唆している言葉ですが、「実質的」のほうは「見た目だけでは分からない実際的な内容や性質」を意味している表現なのです。


「本質的」と「実質的」の使い方の違い

「本質的」「その主張は本質的なものではない」のように「ある物事においてもっとも重要な要素・部分」を示唆して使う使い方になりますが、この意味で「実質的」を使うことはできません。

さらに「本質的」「本質的には運動は好きではありません」のように、「本来的に備えている特性」といった意味でも使われますが、「実質的」にはその使い方はないという違いがあります。

「実質的」「実質的には彼が経営のトップです」のように「ある物事・人物が実際に持っている特性」「結果として本当は(実際は)どうなのか」の意味で使われますが、「本質的」にはそういった用法はありません。


「本質的」と「実質的」の英語表記の違い

「本質的」の英語での表現は以下になります。

“essential”(ある物事を規定する重要な要素・本来的に持っているもの・本質的)

“inherently”(元々備わっている特性・本来的に・本質的)

「実質的」の英語を用いた表現は以下になります。

“substantial”(ある物事の見た目ではない実際的な性質や内容・実質的)

“virtually”(実際のところ・事実上・実質的)

「本質的」の意味

「本質的(ほんしつてき)」とは、「ある物事・人物において、もっとも重要な内容・根本的な要素があること」を意味しています。

「本質的」という言葉には、「見た目からは分からない本来的に持っているもの・元々備えている特性や傾向」といった意味合いもあります。

「本質的」の使い方

「本質的」「この意見交換は本質的ではありません」の文章のように、「ある物事のもっとも重要な内容・ある事柄を構成している根本的要素」を意味して使う使い方になります。

さらに「本質的」「アウトドアもしますが、本質的にはインドア派です」のように、「その人・物事が持っている外見だけでは分からない本来的な特性」の意味でも使われます。

「本質的である・本質的ではない・本質的な・本質的には」などの用法でも使用可能です。

「本質的」を使った例文

・『会議でビジネスの成否に直結する本質的な議論が行われていました』
・『流行の商品を買うか買わないかは、人生設計にとって本質的な問題ではありません』
・『彼は本質的に政治家ではなくビジネスパーソンなのです』
・『本質的な理解ができていなければ、いくら勉強をしても身につきません』
・『彼女は利他的な価値観や博愛精神が強いので、本質的に医者に向いているのです』

「本質的」の類語

「本質的」の類語には、以下のような言葉があります。

「本来的(ほんらいてき)」……ある物事が元々(最初)から備えている内容・特性。

「実質的(じっしつてき)」……ある物事に実際に備わっている内容・特性。

外見がどうであっても、事実上どうであるかということ。

「根本的(こんぽんてき)」……物事を規定しているもっとも基本的なものであること。

物事の大元や基盤(土台)と関わりがあるさま。

「本質的」の対義語

「本質的」の対義語には、以下のような言葉があります。

「表層的(ひょうそうてき)」……物事の本質に触れていない表面的な部分・うわっつらだけの要素であること。

「現象的(げんしょうてき)」……目に見えるような形であらわれている(外見的な姿を見せている)だけで、本質的・根本的ではないこと。

「実存的(じつぞんてき)」……認識対象として頭で知ろうとする本質とは違い、自分自身が唯一無二の人生・自我意識を体験している特殊な存在であるということ。

「実質的」の意味

「実質的(じっしつてき)」とは、「外見・印象よりも実際的な性質や特性に関係していること」「見た目がどうであるかよりも、実際的な性質が充実しているさま」を意味しています。

「実質的」の表現には、「見た目・表層の印象よりも、結果として本当のところは(実際のところは)どうなっているのか」といった意味のニュアンスもあります。

「実質的」の使い方

「実質的」「彼はリーダーシップに優れた実質的な人物でした」のように、「外見ではなく、実際の性質・特徴が優れているさま」の意味で使う使い方になります。

また「実質的」「実質的に彼が責任者でした」の文章のように、「実際のところは(事実・結果としては)どうなのか」というニュアンスでも使えます。

「実質的」の表現は、「実質的である・実質的ではない・実質的な人物(商品)である・実質的な・実質的に・実質的には」というような用法で使用することが可能です。

「実質的」を使った例文

・『この冷蔵庫はデザインはいまいちですが、実質的な家電でした』
・『実質的ではない家具を買ってしまって後悔しています』
・『彼女は企画開発部に欠かすことができない実質的な人材でした』
・『彼が実質的にこのメンタルクリニックの院長を務めているのです』
・『実質的な土地の所有権を持っている人物が誰なのかを突き止める必要があります』

「実質的」の類語

「実質的」の類語には、以下のような言葉があります。

「実際的(じっさいてき)」……見た目や理屈ではなくて、現実的な効果・実際の利便性があること。

「事実上(じじつじょう)」……建前や理屈がどうであれ、事実(現実)としてどうなっているのかということ。

「結果的(けっかてき)」……ある物事・行為などが結果としてどうなったのかということ。

結局のところ、どうなったのかということ。

「実質的」の対義語

「実質的」の対義語には、以下のような言葉があります。

「形式的(けいしきてき)」……実際の内容・性質とは関係なく、外形的なかたちや建前を優先すること。

「外見的(がいけんてき)」……見た目がどうなっているのかということ。

外見・容姿などの見た目と関係しているさま。

「表層的(ひょうそうてき)」……本質的な事柄・内容ではなくて、物事の表面的な部分やうわっつらだけの内容と関係していること。

まとめ

「本質的」「実質的」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「本質的」「実質的」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。