この記事では、「本質」と「目的」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「本質」と「目的」の違い
「本質」と「目的」の間にある大きな違いは、「本質」というのは「頭で理解して把握する知的な対象」であり、「目的」のほうは「実際に行動して実現(達成)しようとする狙い・目指しているもの」であるということです。
「本質」という言葉は「物事の根本的な性質・内容」を意味していますが、「目的」というのは「最終的に目指している地点(狙いとしているもの)・行動して実現しようとしていること」を意味しているという違いがあります。
「本質」と「目的」の使い方の違い
「本質」の典型的な使い方として、「本質を理解(認識)する・本質を知る・本質を把握する・本質を見失う・本質を忘れる」などの「本質の理解・認識と関わる言い回し(実際の行動は伴わない言い回し)」があります。
「本質」に対して「目的」には「目的を設定する・目的を持つ・目的を果たす・目的を実現する・目的がある・目的がない」など、「目的の実現・達成・有無と関連する言い回し(実際の行動を伴う言い回し)」で使われる違いがあります。
「本質」と「目的」の英語表記の違い
「本質」の英語での表現は以下になります。
“essence”(物事を規定している根本的な要素・本質)
“substance”(物事の実際的な性質・実質・本質)
「目的」の英語による表現は以下になります。
“purpose”(目指しているもの・目標・目的)
“aim”(狙っているもの・目的)
“goal”(到達すべき地点・ゴール・目的)
「本質」の意味
「本質(ほんしつ)」とは、「そのものがそのものであることを決定しているもっとも基本的(中心的)な要素・要因」を意味しています。
「本質」というのは、「物事のもっとも重要な意味を規定している根本的な要因・性質」や「ある対象・言及においてもっとも大事な部分・要素」、「存在するものを規定する根本的な本性(哲学用語)」を示している表現です。
「本質」の言葉には、「見た目(表層)のあらわれである現象の背後にある、もっとも根本的な性質」といった意味のニュアンスがあります。
「戦略」の使い方
「本質」の言葉は「問題の本質を的確に見抜くことが大切なのです」の文章で使えるように、「ある物事のもっとも重要な部分・要素」や「ある問題・事柄のもっとも根本的な要因」を意味して使う使い方になります。
また「本質」は、「本質的・本質を理解(認識)する・本質を見抜く・本質を知る・本質を見失う・本質を忘れる」などの用法を用いて使うことが可能です。
「本質」を使った例文
・『本質を見失った議論を続けていても結論が出ることはないでしょう』
・『社会保障制度と税制改革の政治問題の本質は、少子高齢化と雇用環境の悪化にあるのです』
・『先生はいつも討論の本質を正確に理解した上で慎重な発言をされます』
・『あなたがおっしゃっている反論は本質的ではありません』
・『問題状況の本質を見抜いた鋭い意見は非常に参考になります』
「本質」の類語
「本質」の類語には、以下のような言葉があります。
「実質(じっしつ)」……物事に実際に備わっている本来的な内容・性質・特性。
「本体(ほんたい)」……現象の背後にある普遍的なもの。
本当の存在・姿を示している実体。
「根本(こんぽん)」……物事を成立させているもっとも基本的・基礎的なもの。
物事の大元に基盤(根っこ)としてあるもの。
「本質」の対義語
「本質」の対義語には、以下のような言葉があります。
「表層(ひょうそう)」「表面(ひょうめん)」……物事の本質的ではないうわっつらの部分・要素。
「現象(げんしょう)」……物事の本質・本体ではない表層的なもの、目に見える形であらわれているだけの本質的ではないもの。
「実存(じつぞん)」……認識対象(知る対象)としての本質とは異なる、まさに自分という意識を備えていて実際に生きて体験するしかない(一度しか体験できない)存在そのもの。
「目的」の意味
「目的(もくてき)」とは、「実際に行動することで、実現したり達成したりしようとしている事柄」を意味しています。
「目的」の言葉には、「実現(達成)を目指しているもの・狙いとしているもの」や「到達することを目指している地点・状態」といった意味のニュアンスが備わっています。
「目的」の使い方
「目的」は「努力の継続によって目的を果たしました」のように、「実際に行動することで、実現(達成)しようとしている事柄・到達することを狙っている地点(ゴール)」の意味合いで使うことができます。
「目的」の実際的な使い方として、「目的を実現する・目的に到達する・目的がある・目的がない・目的を果たす・目的に近づく・目的から遠ざかる・目的を見失う」というような用法で使用することが可能です。
「目的」を使った例文
・『東大に合格するという目的に向かって受験勉強を頑張っています』
・『強い生きがいを実感したいのであれば、人生の目的を持つことが必要です』
・『彼女は目的を達成するためであれば手段を選びません』
・『目的地に到達するまで、まだ二時間以上はかかるでしょう』
・『目先の仕事・雑事に追われていて、本来の目的を見失っていました』
「目的」の類語
「目的」の類語には、以下のような言葉があります。
「目標(もくひょう)」……最終的な目的を達成するために設定した具体的に目指すもの・手段・地点。
「狙い(ねらい)」「ターゲット」……達成しようとして目指しているもの。
ねらいをつけている標的や対象。
「ゴール」……到達(到着)することを目指している目的地。
最終的にたどり着こうとしている場所や結果。
「目的」の対義語
「目的」の対義語には、以下のような言葉があります。
「手段(しゅだん)」……ある目的を実現するための具体的な方法・実際のやり方。
「方策(ほうさく)」……ある物事を実現するための具体的な対策・手立て・はかりごと。
まとめ
「本質」と「目的」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「本質」と「目的」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。