「紅い」と「赤い」は色を表す言葉ですが、その色は全く同じではありません。
どのような違いがあるのかを紹介します。
紅いとは?
「紅い」は「あかい」と読みます。
「紅」だけだと、「あか」ともいいますが「くれない」や「べに」「こう」ともいいます。
口紅は「くちべに」といいますし、「紅白」は「こうはく」と読みます。
紅い色は、キク科に属する紅花で染めた色のことをいいます。
鮮やかな濃い赤色で、若干紫がかっているように見えます。
紅花は古くから染料として使用されており、元々はアフリカのエチオピアが原産の植物です。
それが世界中に広まり、日本には中国から伝来したといわれています。
カルタミンという色素が色の元になっています。
日本に伝来した当時は、くれのあい(呉の藍)と呼んでたようです。
これは中国にあった呉という国の顔料という意味になります。
昨今では化学染料が普及したことで、紅花の染料はほとんど使われなくなりました。
現在、紅白という時には紅花由来の紅い色のことではなく、一般的な赤色を指すことが多いです。
ただし、日本の国旗の日の丸に使われているのは、紅花由来の紅い色です。
紅い色は活力と博愛を表しており、白い色は神聖さや純潔を表しています。
紅い色は日本の伝統的な色で、非常に縁起が良い色とされます。
赤いとは?
「赤い」は「あかい」と読みます。
赤は光の三原色の一つで、JIS規格の基本色名の1つでもあります。
熟したトマトの色です。
語源は「明るい」で、それが徐々に「あかい」と変化していったと考えられます。
また、緋色や朱色、紅色など赤系統の色は全て赤い色と表現することもあります。
緋色は明るい赤い色のことをいい、英語ではスカーレットと訳されることが多いです。
朱色はスタンダードな赤い色と比べると、少しオレンジがかっています。
日本では太陽というと赤い色をイメージしており、国旗にも使われています。
しかし、世界的に見ると太陽は黄色と認識されていることが多いです。
それから共産主義者や社会主義者のことを赤いと表現することもあります。
これは共産主義者や社会主義者が赤旗を使用するためです。
「紅い」と「赤い」の違いは?
紅い色は赤い色よりも鮮やかで、濃い印象があります。
若干紫がかっているようにも見えます。
そのため紅色と赤色は、微妙に色合いが異なります。
色見本などで比べてみると違いがよく分かります。
ただし、朱色や緋色、深紅、ワインレッド色、バラ色など、赤系統の色を全て赤い色と表現することもあります。
その場合、紅は赤の一部ということになります。
「赤い」という表現は、「紅い」よりも広範囲の色に使われています。
まとめ
「紅い」と「赤い」は色合いが微妙に違います。
紅い色は紅花由来の色で、赤よりも鮮やかで濃い色です。
ただし、赤系統の色を全て「赤い」ということもあり、その場合の紅は赤の一部になります。
一般的には「紅い」よりも「赤い」を使うことが多いです。