この記事では、「懸命に働く」と「賢明に働く」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
懸命に働くと賢明に働くの違い
「懸命」には、力の限りに努める、全力でつくすという意味があります。
つまり、「懸命に働く」は、力の限り働くことに努める、仕事に全力をつくすという意味になります。
「賢明」には、かしこくて物事の判断が適切であること、またそのさまを意味します。
つまり、「賢明に働く」は、仕事に関してかしこく判断をすること、かしこく判断をして仕事をすることという意味になります。
「力の限り」と「かしこい判断」は意味が異なります。
「力の限り」とは、出せる力いっぱいのことを意味します。
出せるだけの力を出して仕事をすることが「懸命に働く」です。
「かしこい判断」とは、頭の働きが鋭いことを意味します。
頭の回転をよくして働くことが「賢明に働く」です。
懸命に働くと賢明に働くの使い方の違い
「懸命に働く」は、一生懸命に働いて欲しいとき、力の限りをつくして欲しいとき、一生懸命に働いているときなどに使います。
「賢明に働く」は、頭の回転をよくして働きなさいと伝えたいとき、頭を使って働いていますよというときに使う言葉です。
懸命に働くと賢明に働くの英語表記の違い
「懸命」にピッタリとあてはまる英語はなく、その時々の情況によって英語での表現方法が異なります。
「懸命」は「一生懸命」と意味が近く、「一生懸命」のことは“all my might.”や“very hard”などと表現をします。
「賢明」は英語で“wise”といいます。
懸命に働くの意味
「懸命に働く」とは、力の限り努めて働くこと、全力をつくして働くことを意味します。
「懸命」は、力の限り努めること、全力をつくすことです。
「懸」という漢字には、かける、かかるという意味があり、「命」という漢字には、いのちという意味があります。
「働く」には、体を動かすことという意味がありますが、「懸命に働く」が意味する「働く」とは、仕事をすることを意味しています。
「仕事」とは、生計を維持するための職業のことです。
「懸命に働く」と反対の状態が、仕事へのやる気がなく、ぼーっとしていたり、頼まれた仕事になかなか着手しなかったり、仕事中にもかかわらず携帯ゲームをしていたりといった状態です。
このような状態は、仕事に力をつくしているとはいえません。
懸命に働くの使い方
仕事に関して、力の限りの努力をしているとき、またそうして欲しいときに使われる言葉です。
懸命に働いている人からすると、その努力を認めてもらいたいところです。
しかし、努力よりもミスに目を向けられてしまうことが少なくありません。
懸命に働くを使った例文
・『毎日懸命に働く』
・『懸命に働く部下を持っている』
・『懸命に働く上司を尊敬している』
・『もっと懸命に働くよう、努力をしなければ』
・『懸命に働くようにと注意を受けてしまった』
懸命に働くの類語
類語は「精一杯に働く」です。
「精一杯」には、力のかぎりという意味があります。
懸命に働くの対義語
対義語は「力を抜いて働く」「だらだらと働く」などです。
「だらだら」には、気分が緩んで締まりがないという意味があります。
賢明に働くの意味
「賢明に働く」とは、堅実に働くこと、判断を適切にして働くことを意味します。
「賢明」には、物事の判断が適切であること、堅実であることという意味があります。
「堅実」とは、手堅く確実なことです。
「賢」という漢字には、かしこい、すぐれるという意味があり、「明」という漢字には、さとい、かしこいという意味があります。
「賢明に働く」が意味する「働く」とは、仕事のことです。
生計を維持するための仕事のことを指しています。
賢明に働くの使い方
賢い判断をして仕事をして欲しいとき、またそのように仕事をしているときに使われる言葉です。
肉体を一生懸命に動かして仕事をするには限界があります。
体力には限りがあり、いつも力の限りをつくしていては、いつか力が尽きてしまうことでしょう。
「賢明に働く」は体力のことではありません。
体を動かして働きなさいというときよりも、頭を使って働きなさいというときに使われることがあります。
賢明に働くを使った例文
・『賢明に働いてください』
・『彼はいつも賢明に働いている』
・『懸命に働くわが社の社員』
・『賢明に働く姿勢を見習いたい』
・『懸命に働くように部下を指導する』
賢明に働くの類語
類語は「賢く働く」です。
「賢明」の類語は「知的」で、「知的」は知識のあるさまを意味する言葉なので「知的に働く」とは一般的にはいいません。
賢明に働くの対義語
「賢明」の対義語は「愚昧」ですが、「愚昧に働く」とはあまりいいません。
まとめ
「けんめい」と同じ読み方をしますが、意味することは違う言葉です。
どちらも「働き方」を表していますが、どのような働き方なのかが異なります。