この記事では、「民話」と「伝説」と「昔話」の違いを分かりやすく説明していきます。
「民話」とは?
「民話」は「民話」と読みます。
「民話」は、「民衆の生活の中から生まれ、民衆によって口から口へと伝えられてきた話」という意味があります。
ちなみに「民衆」には、世間一般の人々という意味があります。
特別な語り部などが伝えてきた話ではなく、庶民の間で語り継がれてきた話を、「民話」と呼びます。
ただし、「民話」という言葉は新しくできた言葉で、戦後になり手を加えられた「昔話」と考えられています。
「民話」の言葉の使い方
ある地方に旅をしたときに、現地の人と話をする機会があるかもしれません。
この時、現地で語り継がれている話を聞いた時、「旅先で、民話を聞くことができた」などと感想を漏らすかもしれません。
また、各地で口伝えられてきた話を聞いて本にするとき、「民話をまとめて本にする」などという文章にできます。
「伝説」とは?
「伝説」は「でんせつ」と読みます。
「伝説」は、「ある時、特定の場所において起きたと信じられ、語り伝えられてきた話」という意味があります。
また、まるで、本当に起こったこととは思えないような、すごいことが起きたときも、「伝説」や「伝説的」と言われます。
「伝説」の言葉の使い方
吸血鬼について、昔から語り伝えられてきた話を聞くとき、「吸血鬼伝説を耳にする」などという文章にできます。
また、誰もが語り継ぎたくなるようなスポーツの試合に対して、「伝説の試合」などと呼ぶことがあります。
「昔話」とは
「昔話」は「むかしばなし」と読みます。
「昔話」には「民俗学で口承文芸の一つ。
子供に語って聞かせるたぐいの、空想的な世界を内容とする話」という意味があります。
基本的に「むかしむかしあるところに」という出だしで始まる物語を「昔話」と呼びます。
「昔話」の言葉の使い方
子供が桃太郎や舌切り雀といった、絵本を持って親に読み聞かせをねだる時、「昔話が聞きたい」などと言います。
また、悪い人が最後にバッドエンディングを迎え、良い人がハッピーエンドを迎えるようなストーリーを読んだ時、「昔話みたいなストーリーだ」などと言うことができます。
「民話」と「伝説」と「昔話」の違い
3つの言葉は、「過去の出来事が語り継がれたもの」を意味する言葉になります。
「昔話」が、時代や場所、人物を不特定のまま、語り継がれたものなのに対して、「伝説」は、それが特定されているという違いがあります。
「むかしむかしあるところに」なのが「昔話」なのに対して、それが起きた場所、時代、登場人物が特定されているのが「伝説」となります。
また、「民話」は、「昔話」を戦後になって、文学者が手を加えて書き直したものとされています。
このように三者三様の違いがあることが分かります。
まとめ
「民話」と「伝説」と「昔話」の違いについて、見てきました。
それぞれの言葉の意味を知ることで、混同せずに使い分けることができるようになりそうです。