「蒸発」と「沸騰」と「気化」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「蒸発」と「沸騰」と「気化」の違いとは?生活・教育

日常生活において、また、理科の授業などで耳にする機会の多い言葉として、「蒸発」「沸騰」「気化」というものがあります。

言葉の響きは違いますが、何となく意味は似ているように感じます。

果たして、これらの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、「蒸発」「沸騰」「気化」の違いを分かりやすく説明していきます。

「蒸発」【じょうはつ】とは?

「蒸発」とは、液体がその表面において気体に変化する現象のことです。

物質は常に、固体、液体、気体のうちいずれかの状態であり、周囲の温度や気圧の変化により相互に変化し合います。

これを、物質の三態と言います。

そして「蒸発」は、液体の表面が気体に変化する現象のことを言います。

ポイントは、「表面が変化」するという所です。

また、「蒸発」の他の意味として、動機を明らかにせず不意にいなくなり、家族と音信を絶ってしまうというものがあります。


「蒸発」の例文

・『水が蒸発し始めたので、お湯が沸くのはもうすぐだ』
・『私が幼い頃に、父親は蒸発してしまった』


「沸騰」【ふっとう】とは?

「沸騰」とは、煮えたつこと、液体の内部からも気体に変化する現象のことを言います。

液体を熱していくと、気体に変化する時の圧力(蒸気圧)が、外からの圧力(大気圧)と同じになり「蒸発」が始まります。

さらに熱していくと、蒸気圧が大気圧よりも大きくなり液体内部からも気体に変化し始めます。

これが「沸騰」であり、「内部から気体」に変わるというのがポイントです。

気体に変化する現象という点では「蒸発」と似ていますが、気体に変化する段階が違うというわけです。

また、「沸騰」は他に、さわぎ立つことの比喩的表現として用いられる場合もあります。

「沸騰」の例文

・『蒸発して間もなく沸騰し始めた』
・『渦中の人物が帰国するというニュースに、世論が沸騰する』

「気化」【きか】とは?

「気化」とは、物質が液体から気体に変わる現象のことを言います。

気体に変わる現象全般のことを指し、先述の「蒸発」「沸騰」どちらも、「気化」の一部ということになります。

ちなみに、固体から直接気体に変化することを「昇華」(しょうか)と言いますが、これも「気化」の一部です。

「気化」の例文

・『液体の表面が気化することを蒸発と言います』
・『液体の内部からも気化することを沸騰と言います』

「蒸発」と「沸騰」と「気化」の違い

「蒸発」とは、液体の「表面」が気体に変化する現象のことです。

一方「沸騰」とは、液体の「内部」からも気体に変化する現象のことを言います。

そして、これら気体に変化する現象全般のことを「気化」と言います。

「蒸発」「沸騰」も、どちらも「気化」というわけです。

まとめ

ここまで「蒸発」「沸騰」「気化」の違いを述べてきましたが、小さなことではありますが、明確な違いがありました。

日常生活の中で何気なく目にしている現象も、じっくり考えてみると面白い発見があるかもしれません。