この記事では、「削減」と「低減」と「軽減」の違いを分かりやすく説明していきます。
「削減」とは?
現にあるものを、削って減らすことを指す言葉で、予算を減らすという意味もあります。
コストや経費など、必要なものの減らしたいものを自分たちの意思で減らすというニュアンスが含まれています。
「温室効果ガスの削減」などにも使えますが、コストと温室効果ガスはもともとできれば減らしたいが活動していくと必ず発生してしまうという点ではそれほどニュアンスの離れた使い方ではないと言えるでしょう。
省資源が求められる中でのパッケージのプラスチック削減などの使い方も見られ、節約する、無駄を省くなどのイメージの良さを持ちつつあるといえますが、正社員削減、給与削減などの使い方もあります。
口語ではやや使われず省く、減らすなどで言い換えられます。
「低減」とは?
減ること、減らすことを意味する言葉で、値段が安くなるという意味合いもあります。
リスク低減など意思を持って減らし、目標とすることもありますが、地価が低減する、気温低減など人が意図しない結果も含まれます。
「自動車の排出ガス低減性能」では排出ガス(有害物質)を減らす性能を指し、基本として物の量が低下することを指し、品質の劣化を指すことはありません。
原則としては数値化できるもの、並べられるものを指して使う言葉です。
口語ではあまり使われず、減らすなどで言い換えられます。
「軽減」とは
苦痛、負担、つらさなどを減らして軽くすることを指す言葉で、「薬によって症状が軽減する」「公務の負担を軽減する」などの使い方があり、消費税の軽減税率も同じ意味合いです。
こちらも減らすべきものを減らしていますが、自分もしくは自分に関わる者(病気にかかっていれば医師、仕事の負担がきつかった場合は上司やマネージャー)の意思で減らそうとすることが原則で、勝手に軽減するということは言葉としてはあり得ないわけではないですが、主体的には使われません。
口語ではあまり使われない言葉で、楽になる、軽くなるなどで言い換えられ、健康器具のキャッチフレーズなどで軽減は使われます。
「削減」と「低減」と「軽減」の違い
「削減」と「低減」と「軽減」はどれも減らすという意味の言葉ですが、人の力が関わらずに減ってしまうことが含まれるのが「低減」、できるだけ減らしていきたいものを意思を持って減らすのが「削減」と「低減」と「軽減」、もとの負担や傷みが減るのが「軽減」となっており、「削減」のほうが「低減」と比べてより意思を持って目標を減らすという使われ方になっています。
「軽減」はネガティブな状態からよりポジティブな方向へという特徴があります。
まとめ
「削減」と「低減」は意味合いが近い言葉ですが、環境問題などでは、自分たちの業績のアピールとして「プラスチック使用量削減」「有害物質削減」など、低減よりも多く使われる傾向があります。
例外として「自動車の排出ガス低減性能」の低減があります。
軽減は辛さを減らすという意味合いから、人を対象に使うことが一般的です。