「からだ」を漢字に変換しようとすると、「体」と「身体」が表示されます。
どちらを選べばいいか迷ってしまうことも多いと思います。
「体」と「身体」にはどのような違いがあるのかを紹介します。
「体」とは?
「体」は「からだ」と読むことができます。
人や動物などの肉体を指す言葉で、頭のてっぺんから足の先まで全て含まれます。
ただし、頭や手足を除いた胴体の部分を「体」と表現することもあります。
また、「体」は人間以外の動物や生き物にも使用することができます。
犬や猫などの動物にも使われますし、昆虫や鳥などにも使われます。
「体」の使い方
「体」の具体的な使い方を幾つか挙げてみます。
・ゾウは体が大きいので、踏まれたら死んでしまいます。
・体の具合は良くなりましたか。
・心と体は密接につながっています。
「心と体」という表現はよく使われています。
心と体が対になっていることからも分かるように、「体」に心は含まれていません。
「体」は精神面ではなく、物質的な部分だけを指す言葉です。
昔、日本では魂と肉体は別のものと考えられていました。
「体」の語源は殻(から)にあるといわれています。
魂の入っていない肉体のことを「からだ」と呼んでいたのです。
つまり、遺体のことを指す言葉でした。
その後、生きている肉体についても「体」というようになりました。
「身体」とは?
「身体」は「からだ」と呼ぶこともできますし、「しんたい」と呼ぶこともできます。
ただし、「からだ」という呼び方は常用漢字には該当しません。
そのためテレビのニュース等では、必ず「しんたい」と読ぶことになっています。
「身体」の「身」にも肉体という意味があります。
身を守るとか身に付くといった言い方もします。
元々、「身」は魂が入った肉体を表す言葉でした。
そして心を含めた体を「身体」というようになったのです。
「身体」の使い方
「身体」の具体的な使い方を挙げてみます。
・お身体に気を付けてお過ごしください。
・身体の調子があまりよくありません。
「身体」の調子といった時には、メンタル的な部分も含まれます。
肉体的に痛みや違和感を感じなくても、イライラするとか気分が落ち込む時なども身体の調子がよくないと表現します。
「体」と「身体」の違い
「体」と「身体」の違いは、心が含まれるかどうかにあります。
「体」に心は含まれてはおらず、「身体」には含まれています。
また、「身体」は人間以外の生き物にも使うことができますが、「身体」は通常人間にしか使いません。
それから「体」は常用漢字の表記ですが、「身体」は常用漢字外の表記となります。
そのためテレビのニュースなどで「身体」が出てきた場合には、必ず「しんたい」と呼びます。
まとめ
「体」は生き物のからだを指す言葉で、心は含まれていません。
人間以外の動物などにも使用することができます。
「身体」は人間の体を表現する言葉で、心も含まれています。