相手に迷惑や心配をかけてしまった際に「ご心労をおかけして申し訳ございません」といった風に謝罪をすることがあります。
この「心労(しんろう)」と同じ読み方の言葉に「辛労(しんろう)」がありますが、これらふたつはいったいどのように使い分ければよいのでしょう。
この記事では、「辛労」と「心労」と「ストレス」の違いを分かりやすく説明していきます。
「辛労」とは?
辛労とはつらい苦労をしたりとても大変な骨折りをする事、もしくはそのさまのことを言います。
「顔色の悪さから彼の生活の辛労を察する」や「山積みの仕事に辛労する」などのように使います。
この辛労が使われた四字熟語に「辛労辛苦(しんろうしんく)」というものがあります。
つらい苦労のことである「辛労」につらく苦しいことを意味する「辛苦」が付くことによって「並大抵ではない辛さ、苦労」を表しています。
「心労」とは?
心労とは精神的な疲れのことであり、気疲れや気苦労のことを意味します。
「家庭での問題に心労が絶えない」や「会社をまとめるために心労する」などというように使用します。
辛労はすべての辛さや苦しさを表しますが、心労は主に精神的な悩みにより心が病み身体にまで影響が出てしまっている状態のときなどに使います。
ビジネスシーンでは謙譲語の「御」をつけ、相手の苦労を気遣うときに「御心労お察しします」と使ったり、相手に心配や迷惑をかけてしまったときに「この度はご迷惑と御心労をおかけしてしまい申し訳ございませんでした」と使ったりします。
この心労という言葉は大げさな表現でもあるので、あまり自分自身に対しては使いません。
「ストレス」とは?
ストレスとは何らかの問題や苦労による生活上のプレッシャーのこと、もしくはそれを感じたときの感覚のことです。
ストレスは精神的なものだけではなく、寒さや熱さなどの生体的なストレスも含みます。
ストレスが健康に影響を与えるという研究はこれまで数多く行われ、あまりにも多くのストレスを受けすぎるとストレス障害などを発症してしまいます。
上記の「辛労」や「心労」もれっきとしたストレスの元であり、積み重なれば自分の身体や周りにも悪い影響を与えてしまいます。
「辛労」と「心労」と「ストレス」の違い
辛労はつらい思いや苦しい思いをすること、もしくはその出来事そのものを言います。
心労はつらいことや苦しいことに対して気を使ったり心を痛めたりすることです。
それらの問題はたびたびストレスの原因となり、ためこみすぎると身体や心の不調に繋がってしまいます。
ただ「ストレスは健康に悪い」と認識すると更に健康上問題が起きやすいという研究結果もあるので、気にしすぎないことも大事なのかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
辛労と心労には意味の違いだけでなくビジネスシーンなどで使われる場面も違ってきますので、混同してしまわないよう注意しましょう。