「主流」と「本流」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「主流」と「本流」の違い生活・教育

この記事では、「主流」「本流」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「主流」と「本流」の違い

「主流」「本流」はいずれも、「複数の支流が集まってできた大きな川」という意味においては同義語です。

ただし、「主流」「特定の集団組織における多数派(マジョリティー)・集団内における支配的な考え方や方法」の意味を持っていて、「本流」「中心的な流儀流派、政党や派閥などの正統な流れ」の意味がある違いを指摘できます。

「主流」「ある集団で数的に優位な多数派の勢力」の意味のニュアンスが強くなっています。

それに対して、「本流」「ある習い事などで中心となっている流派」「オリジナルと結びついていて正統性の強い流れ」といった意味のニュアンスが強い違いを指摘できます。


「主流」と「本流」の使い方の違い

「主流」「本流」も、「いくつかの支流が流れ込む根幹的な河川の流れ」という同じ川の意味で使うことができます。

ただし、「主流」「ある集団のパワーバランスにおいて構成人数が多くて有力なマジョリティー」の意味で使われるのに対して、「本流」のほうは「マジョリティー(多数派勢力)よりも本家・起源との結びつきが強くて正統性を持っている」という意味合いで使われやすい違いを挙げられます。

例えば、「今は電池式の時計が主流です」「電池式の時計の流通数が多い」の意味であり、「歴史的に機械式の時計が本流です」「機械式の時計が元々は時計の正統(中心的)なメカニズムであったこと」を意味しているのです。


「主流」と「本流」の英語表記の違い

「主流」という言葉を、英語を使って表現すると以下になります。

“mainstream”……支流が流入する大きな川の流れ。

中心的なマジョリティーの集団・勢力・価値観。

主流。

“commonplace”……大勢の人がコミットする中心的・支配的な流れややり方。

主流。

「本流」という表現を、英語を使用して表すと以下になります。

“mainstream”……複数の支流が交わる大きな河川の流れ。

中心的な派閥・流派。

本家からの正統な流れ。

本流。

“main course (of a river)”……特に河川の根幹を形成する流れとしての「本流」を意味する英語です。

「主流」の意味

「主流(しゅりゅう)」は、「いくつかの支流が流入する大きな河川の流れ」を意味している言葉です。

「主流」という言葉には、「特定の集団組織におけるマジョリティー・優位な中心的勢力(中心的な派閥)」といった意味もあります。

また「主流」は、「中心となっている思想や学問、芸術などの方法や理論」の意味を持っている言葉でもあります。

「主流」の使い方

「主流」の使い方は、「複数の支流が統合される大きな川の流れ」の意味で使うことができます。

「主流」の表現は「現在の政界の主流は自民党です」のように、「ある集団において人数の上で優位なマジョリティー」の意味で使われます。

また「主流」という言葉は、「今の学術会議では唯物論的な研究が主流です」など、「学問・思想哲学・表現方法などにおける中心的な流れ・やり方」の意味でも使用することができます。

「主流」を使った例文

・『利根川の主流は流域面積が日本最大級で、川の流れも大河川らしくゆったりとしています。』

・『大学経営の主流をなしている教授の派閥に逆らえば、報復人事で対抗されるリスクがありました。』

・『この会社の主流派は昨年まで会長が率いる派閥でしたが、会長の健康不安が表沙汰になってから影響力が落ちました。』

・『パソコンといえばWindowsが主流ですが、今はiPhone人気もありMacの利用者も増えています。』

・『世界経済の主流は自由主義経済なのですが、今はその弊害としての格差や環境問題も出てきています。』

「主流」の類語

「主流」の類語には、以下の言葉があります。

・『本流(ほんりゅう)』……何本かの支流が流入する根幹の河川。中心的な流儀や派閥。起源(創始者)からの正統性のある流れ。

・『マジョリティー』……ある集団組織において強い影響力を持っている多数派勢力。

「主流」の対義語

「主流」の対義語には、以下の言葉があります。

・『支流(しりゅう)』……主流の河川に流れ込む、主流よりも小さな川の流れ。本家本元から分かれた分派。

・『分派(ぶんぱ)』……主流から分裂して生まれた流れ。主流よりも小さな分かれた流派・派閥。

「本流」の意味

「本流(ほんりゅう)」とは、「何本かの支流が合流してできる根幹的な川の流れ」を意味しています。

「本流」の言葉には、「芸術や茶道などにおける中心的な流儀・方法」「歴史的な重みのある流派」の意味合いもあります。

さらに「本流」というのは、「始祖(創始者)とのつながりなどの正統性のある系統・系譜」を示している言葉なのです。

「本流」の使い方

「本流」の使い方は、「いくつかの支流が流れ込んで根幹をなしている大きな川の流れ」の意味合いで使うというものです。

「本流の作法で点てられたお茶」のように、「中心となっている流儀・作法・派閥」「歴史的に正統な方法」の意味でも使用できます。

また「本流」という言葉は、「正統性を持っている系統(流れ)・やり方」の意味合いで使う使い方も持っています。

「本流」を使った例文

・『エジプト旅行に行った時、ナイル川の本流を目の前にしてその壮大な景色に驚きました。』
・『彼は極真空手の本流を継承している武道家であり、いくつかの格闘技の経験者でもあります。』
・『この派閥は、保守政治の派閥の中でも特に本流とされています。』
・『茶道の家元の中でも本流に近い家柄ほど、茶道の世界では大きな影響力を持っています。』
・『自由主義者の本流は古典的自由主義のはずですが、今では福祉重視のリベラルが主流になっています。』

「本流」の類語

「本流」の類語には、以下の言葉があります。

・『主流(しゅりゅう)』……何本かの支流が交わって形成される中心的な川の流れ。集団内における中心的な勢力や優勢な価値観。

・『正統(せいとう)』……創始者・起源とのつながりがある正しい系統。正しい嫡流の血筋。

「本流」の対義語

「本流」の対義語には、以下の表現があります。

・『支流(しりゅう)』……本流に注ぎ込む複数の小さな流れ。河川の中心をなしているわけではない分かれた流れ。

・『傍流(ぼうりゅう)』……正統性のある本家本元のメインストリームから分かれた弱い流れ。本流ではない分かれた分流。

まとめ

「主流」「本流」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「主流」「本流」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容を読んでみてください。