「準用」と「適用」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「準用」と「適用」の違い生活・教育

この記事では、「準用」「適用」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「準用」と「適用」の違い

「準用」は、「あるルールを本来の対象ではなくて、類似した対象に当てはめて作用させること」を意味しています。

「適用」は、「あるルールを本来の対象に当てはめて用いる」を意味している違いがあります。

「準用」「適用」も法律用語ですが、「準用」「ある条文の規定を、一定の読み替えなどを行いながら他の条文にも応用すること」を示しています。

「適用」「準用のような読み替え・変更をすることなく、本来の対象にストレートに条文を当てはめること」を示している点が異なっています。


「準用」と「適用」の使い方の違い

「準用」という言葉は、「特定のルールが元々想定していた対象(事柄)ではなく、その対象と類似しているものに拡張して適用する」といった意味合いで使われます。

一方、「適用」のほうは「特定のルールがはじめから想定していた対象(事柄)に、そのまま読み替えなどをせずに当てはめること」を意味して使用する違いを指摘できます。

「準用」「似ているものに対して類推して当てはめる」の意味で使えますが、「適用」にはそういった類推に基づく使い方はありません。


「準用」と「適用」の英語表記の違い

「準用」「適用」は、英語の表現では厳密に区別されることがないため、どちらも以下の英語で表せます。

“apply”……ある事柄を標準として他にも適用する。

準用する。

“application”……本来の対象とは異なる類似の対象にも解釈・拡張などで当てはめること。

準用。

ただし、法律用語の「準用」は以下で表記できます。

“applications with modifications”……ある条文の規定を修正した上での類似項目に対する適用。

準用。

「準用」の意味

「準用(じゅんよう)」とは、「ある規則・物事を、他にも使える基準として用いること」を意味しています。

「準用」には、「ある法律(ルール)の規定を、本来の適用対象の事柄とは異なる類似の事柄に修正して当てはめること」という法令用語としての意味も備わっています。

「準用」という法律用語は、「ある条文が規制対象として想定している元の事項ではない、類似の事項に対して類推・解釈で当てはめること」を示唆しているのです。

「準用」の使い方

「準用」の言葉は、「ある内容・規則を、他にも適用できる標準として使うこと」を意味して使うことが可能です。

例えば、「テストの解答方式は前回のテストのやり方を準用してください」などの文章で使用されます。

また法令用語の「準用」は、「法律Aがはじめから対象としているaの事項ではなく、aと類似しているbに対して類推・読み替えで適用すること」を指して使えます。

「準用」を使った例文

・『契約社員に対する雇用条件は、弊社では基本的に正社員と同じ条件で準用します。』

・『同じ系列の中学校における服装の決まりは、高校の校則を準用することとします。』

・『重複を避ける法律の準用によって、法律全体をシンプルに構築できます。』

・『内容が準用される類似した条文は個別に暗記する手間が省けるので、法律の勉強を効率的に行いやすくなります。』

・『民法の契約に関連する条文の規定は似通った内容が多いため、準用されているものが多いのです。』

「準用」の類語

「準用」の類語には、以下の言葉があります。

・『類推(るいすい)』……ある物事と類似している要素があるものについて推測すること。

本質的な類似点がある二つの物事の性質を合理的に同じであると見なすアナロジー。

・『準拠(じゅんきょ)』……ある物事・ルールに依拠して従うこと。

・『準える(なぞらえる)』……ある物事をそれと似ている物事と対比して、同じものと見なすこと。

あるものを他のものに似せること。

「準用」の対義語

「準用」「法律の規定を本来の事項とよく似た事項にも類推で適用すること」を意味しているため、国語辞典などで定義されている「準用」の対義語はありません。

「適用」の意味

「適用(てきよう)」とは、「法律・方法などを当てはめて使うこと」を意味しています。

「適用」という言葉は、「本来の対象に当てはめて使用する」のシンプルな意味を持っています。

「適用」には、「特定の法律や条文を、元々から想定していた特定の事項・事件にストレートに当てはめて効果を発揮させる」の法律用語の意味もあります。

「適用」の使い方

「適用」は、「法律などを当てはめて用いること」の意味で使います。

「適用」の表現は、「法律の規定を本来の事項に当てはめて用いる」の意味で使用することができるのです。

例えば、「万引きは軽く考える人もいますが、繰り返せば刑法235条が適用される可能性もあります」といった文章で使われます。

「適用」を使った例文

・『人を計画的あるいは意図的に殺害すれば、刑法199条の殺人罪が適用されて重い刑罰が科されることになります。』

・『この夜間の遊興を禁止する条例が適用されるのは、18歳以下の未成年者だけに限られます。』

・『他者を不快な気持ちにさせるこの迷惑行為に対して、具体的にどの法律のどんな条文が適用できるのかがはっきりしません。』

・『オウム真理教が地下鉄サリン事件を起こした後に破防法が適用されなかったことは、世間を驚かせました。』

・『悪質な飲酒運転で死亡事故を起こしてしまうと、1年以上の懲役となる危険運転致死傷罪が適用されることになります。』

「適用」の類語

「適用」の類語には、以下の言葉があります。

・『施行(しこう・せこう)』……実行する。公布した法律の効力を生じさせること。

・『使用(しよう)』……モノ・人・法律などを使って用いること。

・『当て嵌める(あてはめる)』……二つのものが適切に合うようにする。適用すること。

「適用」の対義語

「適用」の対義語には、以下の言葉があります。

・『取消(とりけし)』……事前に発言した内容や決めていた事柄を無かったことにすること。

・『免除(めんじょ)』……法律の強制力や義務などを免じて、従わなくて良いようにすること。

まとめ

「準用」「適用」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「準用」「適用」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく知りたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。