この記事では、「失敬」と「失礼」と「無礼」の違いを分かりやすく説明していきます。
「失敬」とは?
「失敬」は「しっけい」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「人に対して尊う気もちを欠いたふるまいをすること」という意味で、人を大切にしない厚かましい態度を取ることです。
2つ目は「人と別れること」という意味で、途中で席を立ったり、人と別れて帰ることです。
3つ目は「他人のものを黙って自分のものにすること」という意味で、気付かれない様に人の物を盗むことです。
上記に共通するのは「人への礼を欠く」という意味です。
「失敬」の使い方
「失敬」は名詞・形容動詞として「失敬だ・である」と使われたり、形容詞として「失敬な奴」などと使われたり、副詞として「失敬にふるまう」などと使われます。
基本的に、相手への礼儀を欠いたふるまいをすることや、こっそり人のものを盗むことを表し、武士の言葉として男性が使うことの多い言葉です。
「失敬」の例文
・『彼の上司に対する態度は非常に失敬だ』
「失礼」とは?
「失礼」は「しつれい」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「人に接する際の心得がないこと」という意味で、礼儀を欠いたふるまいをすることで、上記で紹介した「失敬」と同じ意味です。
2つ目は「他人のもとを立ち去る時のことわりの表現」という意味で、いなくなることで礼儀を欠くというニュアンスがあります。
3つ目は「人に軽く謝ったり、声をかける時などの挨拶の言葉」という意味で、「すみません」という意味です。
上記に共通するのは「人への礼を欠く」という意味です。
「失礼」の使い方
「失礼」は名詞・形容動詞として「失礼だ・である」と使われたり、形容詞として「失礼な人」などと使われたり、副詞として「失礼に当たる」などと使われます。
基本的に、相手への礼儀を欠いたふるまいをすることや、軽く人に謝罪する時の挨拶に使われる言葉です。
「失礼」の例文
・『取引先に対して失礼のないように心がける』
「無礼」とは?
「無礼」は「ぶれい」と読みます。
意味は「礼儀を知らずに無作法なふるまいをすること」で、礼儀を知らずに人前で乱雑にふるまってしまうことです。
古くは「ぶらい」と読まれていました。
「無礼」の使い方
「無礼」は名詞・形容動詞として「無礼だ・である」「無礼者」「無礼講」と使われたり、形容詞として「無礼な奴」などと使われたり、副詞として「無礼にふるまう」などと使われます。
基本的に、人に対する礼儀を知らず、無作法なふるまいをすることに使われる言葉です。
「無礼」の例文
・『出会った時に挨拶しない無礼な若者が多い』
「失敬」と「失礼」と「無礼」の違い
「失敬」は「相手への礼儀を欠いたふるまいをすること」「こっそり人のものを盗むこと」という意味で、」武士の言葉として男性が使うことの多い言葉です。
「失礼」は「相手への礼儀を欠いたふるまいをすること」「軽く人に謝罪する時の挨拶」という意味です。
「無礼」は「人に対する礼儀を知らず、無作法なふるまいをすること」という意味です。
まとめ
今回は「失敬」と「失礼」と「無礼」について紹介しました。
「失敬」は「礼儀を欠くこと」「物を盗むこと」、「失礼」は「礼儀を欠くこと」「軽く謝罪する言葉」、「無礼」は「礼儀を知らないこと」と覚えておきましょう。