この記事では、「同情」と「共感」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「同情」と「共感」の違い
「同情」とは、他人の境遇や気持ちをかわいそうだと思うこと、相手の身の上になって思うことです。
「共感」とは、相手の意見や感情をその通りだと思うこと、他人と自分で同じ感覚を持っていると感じることです。
「同情」は他人のことを思っていますが、他人と自分の気持ちが同じという意味は含まれていません。
一方、「共感」には他人と自分の感覚が同じように感じられるという意味があります。
また、「同情」はかわいそうに思うという意味が含まれていますが、「共感」にはそのような意味はありません。
「同情」と「共感」の使い方の違い
「同情」は、他人の境遇や感情をその身になって思い、かわいそうだと思うことに使用をします。
「共感」は、他人の行動や感情などに自分もそうだと感じられることに使用をします。
小さな子どもが一度に父親と母親を失ってしまいました。
その状態を見て、きっとつらいことだろ、かわいそうにと思いました。
他人の身の上になってかわいそうという気持ちを抱いているので、このことには「同情」を使用します。
小さな子どもが一度に父親と母親を失ってしまいました。
周囲の人たちは、あの子は施設に行くことになるだろうと話しています。
自分も周囲の人と同じように感じており、周囲の人たちの意見にその通りだと思いました。
他人の意見にそうだと感じているので、このことには「共感」を使用します。
「同情」と「共感」の英語表記の違い
「同情」は英語で“sympathy”や“compassion”や“pity”と表現をします。
「共感」は英語で“sympathy”と表現をします。
「同情」の意味
「同情」とは、他人の気持ちをその身になって思うこと、他人の境遇をかわいそうだと思うことです。
ひとり親世帯で親は夜に働いており、小さな子どもが夜は一人で食事をし、一人で眠っていました。
そのことを知った近所の人は、子どもはきっと寂しいだろうと考えました。
これは、他人の身の上になって気持ちを思うことです。
そして、つらいだろうという気持ちから、自宅に食事に招いたり、お菓子を与えたりなど、思いやりをもって世話をしていました。
こういった気持ちや行為が「同情」です。
「同情」の使い方
特に他人の不幸や苦労を自分のことのように思って、かわいそうと思ったり、思いやっていたわることに使用をします。
目上の人にも目下の人にも使用可能です。
同情する相手に対して直接「あなたに同情します」ということは少ないです。
「同情」される方はみじめな気持ちになってしまうことがあります。
「同情」を使った例文
・『同情を得る』
・『○○のファンから多くの同情の声が聞かれた』
・『私も深く同情します』
・『同情なんてされたくない』
・『彼に同情する』
「同情」の類語
「あわれみ」「思いやり」が類語です。
「あわれみ」には、かわいそうに思う気持ちという意味があり、「思いやり」には、他人の身の上になって思うことという意味があります。
「同情」の対義語
「無情」が対義語です。
思いやりがないという意味になります。
「共感」の意味
「共感」とは、他人の意見や感情にその通りだと感じること、他人と自分が同じ感覚を持っていると感じることです。
会社にお昼は自分で作ったお弁当を持参してくる人がいました。
その人は、自分でお弁当を作った方が節約できる、手間がかかっても節約をしたいと考えていました。
その話を聞いて、自分もその通りだと思いました。
このように「その通り」と思えることが共感です。
お弁当を作るのなんて面倒くさい、外食をした方が楽だと思うのは、他人と意見が違い、その通りと思えていないので、「共感」とはいいません。
「共感」の使い方
他人の意見や感情などにその通りと思えることに使用をします。
言っていることはわかるけれど、納得できない、その通りだとは思えないということには、「共感」という言葉は使用しません。
「共感」を使った例文
・『ドラマの主人公のセリフに共感する』
・『その考えに共感できます』
・『SNSで共感の声があがった』
・『多くの人が共感する』
・『好きな曲の歌詞に共感する』
「共感」の類語
「同感」「共鳴」が類語です。
「同感」には、他人と同じように感じることという意味があり、「共鳴」には、他人の考えや感情をよいと思い、自分も同じように感じることという意味があります。
「共感」の対義語
「反対」が対義語です。
ある意見などに同意しないこと、否定的であることという意味があります。
まとめ
他人のことを思っている点では意味が似ていますが、「同情」にはかわいそうに思う気持ちの意味が含まれており、「共感」にはその意味は含まれていない点に違いがあります。