この記事では、「当事者」と「本人」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「当事者」と「本人」の違い
「当事者」と「本人」の大きな違いは、それに対する人数です。
意味としては、出来事に対し直接関係ある人を指す言葉となりますが、その際に値する人数が異なるのです。
「当事者」の場合は、その出来事に直接関係するすべての人を指し物となります。
そのため、決して1人ではなく大勢になることもあります。
もちろん、1人のみを指す場合でも「当事者」を使用することはできます。
それに対し、「本人」の場合は、出来事に対し直接関係のある1人の人を指します。
そのため、「本人」の場合、数人になることはなく人数は1人のみとなります。
大勢を指す場合「本人」を使用することはできません。
同じ出来事に対し直接関係する人を指す言葉ですが、それに対する人数に大きな違いがある「当事者」と「本人」となります。
「当事者」と「本人」の使い方の違い
「当事者」と「本人」の使い方の違いとしては、まずは、値する人数を考え使い分けが必要です。
出来事に対し数人を指す場合は必ず「当事者」を用いることになります。
そのため、「事件の当事者数名が…」や「事件の当事者3人が…」などと使用しますが、「本人」の場合は、「事件も関係者本人が…」といった使い方となります。
「当事者」と「本人」の英語表記の違い
「当事者」の英語表記は、parties concernedです。
「訴訟当事者」は、litigant parties、a litigant。
「当事者たち」は、the parties concernedとなります。
「本人」の英語表記は、 person in question; the said person; personです。
「本人自身で」は、in person、personallyとなります。
「当事者」の意味
出来事に対し直接関係する人を意味する「当事者」。
「当事者」の場合、人数に関係なく使用することができ、1人の場合でも複数の場合でも使用することができます。
ある事柄に直接関係している人を意味するほか、「当事者」の場合、法律関係に直接関係する人を指す場合に用いられることが多くなります。
また、複数人を表す場合は、「当事者たち」といった表現を用います。
「当事者」の使い方
「当事者」の使い方としては、出来事に対し直接関係する人に対し「事件の当事者」、「事故の当事者」、自分自身が出来事や事件の関係者であることを自覚する意味を持つ「当事者意識」。
民事訴訟や刑事訴訟の際に訴訟請求側と被告側とが争点を競い合う時、事案の究明にまつわる証拠物品や証明になる物を提出する際、その提出権を全て当事者にゆだねることを意味する「当事者主義」などがあります。
「当事者」を使った例文
・『最終的に事件の当事者を3人にまで絞ることができた。』
・『私の不注意によって自己の当事者になってしまった。』
・『この問題は当事者同士で解決することが望まれる。』
・『事故の様子を見ていただけの人は、当事者ではなく第3者の扱いとなります。』
「当事者」の類語
「当事者」の類語は、話題になっている物事に直接関係する人のことを意味する、対象者、該当者、当人、当該者、当該人物、本人、張本人、当の本人、当の人物、当該の人物、渦中の人、渦中の人間などとなります。
「当事者」の対義語
「当事者」の対義語は3つ考えられ、その事柄に関係のない立場の人を意味する「局外者(きょくがいしゃ)」。
当事者以外の人。
その事柄に直接関係のない者を意味する「第3者」。
傍らでただ見ているだけの者。
参画しない者を意味する「傍観者(ぼうかんしゃ)」となります。
「本人」の意味
出来事に対し直接関係する人を意味する「本人」。
「本人」の場合、用いることができる人数は1人だけです。
また、「本人」の場合、自分以外を指す言葉としても用いられることがあり、その場合も指す人数は1人だけとなります。
「本人」の使い方
出来事に直接関係する人を指す際に使用することになる「本人」。
1人だけを指す際に使用され、「本人確認」や「張本人」、「彼/彼女本人」、「本人次第」、「本人同士」といった使い方があります。
「本人」を使った例文
・『クレジットカードを作るために本人確認書類を郵送した。』
・『どこの学校を受験するのかは最後、親が決めるのではなく本人次第です。』
・『本人同士の話し合いによって、仲直りすることができてよかった。』
・『それについては、本人に確かめてからお答えさせて頂きます。』
「本人」の類語
「本人」の類語は、自分自身をはじめ、自ら、自己、我、自家、吾、吾れ、我れ、自分などとなります。
「本人」の対義語
「本人」の対義語は、「代人」です。
「代人」には、本人に代わって事を行う人。
代理人といった意味があります。
まとめ
このように、「当事者」と「本人」の大きな違いは人数となります。
「当事者」の場合、1人でも複数人でも使用することが可能ですが、「本人」の場合は、必ず1人だけとなります。
まずは、その点に注意し使い分けを行うことが大切です。