この記事では、「超過」と「経過」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「超過」と「経過」の違い
「超過」と「経過」という二つの言葉は、どちらも「過ぎる」という意味を持ちます。
しかしこの二つの言葉には違いがあります。
「超過」という言葉を使うには、「あらかじめ定められている一定の基準」が存在する必要があります。
なぜなら「超過」は「決められている限度を超えること」という意味であるからです。
「経過」は「時間が過ぎる」や「場所や段階を通り過ぎる」という意味の語です。
「経過」という言葉は、「定められている基準」がない場合も使用できます。
「超過」と「経過」の使い方の違い
「超過」は「定められている基準を超えたとき」に用います。
「人数が超過してしまった」と用いれば、「決められた人数を超えて人が集まってしまった」という意味になります。
また、「時間が超過した」と用いた場合は、「決められた時間を過ぎてしまった」という意味です。
これに対し、「経過」は「過ぎる」という意味です。
「時間が経過した」と使った場合、単に「時間が過ぎた」という意味になります。
「超過」と「経過」の英語表記の違い
「超過」は英語で“go over”と表記されることが多いです。
“overrun”とも言います。
「経過」の英語表現は“passage”や“progress”です。
「超過」の意味
「超過」とは、「数や時間が定められた限度を超えること」です。
数値や時間が決められた一定以上になってしまったとき、「超過」という語が使われます。
「超過」の使い方
「予算が超過した」と使えば、「予算がオーバーした」と同じ意味になります。
「規定時刻を超過して働いた」と使えば、「決められた時刻より遅くまで働いた」という意味です。
決められた数や時間を過ぎた時、「超過」という言葉を使います。
「超過」を使った例文
・『チェックアウトに間に合わなかったので、超過料金を取られた』
・『予算の超過を指摘されて私は慌てました』
・『その手芸教室は人気が高く、参加可能な人数を超過して人が集まったので、抽選が行われた』
・『労働時間を超過していることに彼女は気付きませんでした』
・『一人カラオケは意外に楽しくて、つい長居してしまいました。超過料金は思ったほど高くはありませんでした』
・『先生に予算が超過してしまったことを相談すると、なんとかすると言ってくれた』
「超過」の類語
「超過」の類語は「過剰」(かじょう)です。
「過剰」とは、「必要よりも多いこと」です。
また、「超過」の英語表現の「オーバー」も、カタカナ表記でよく用いられます。
これは「超える」という意味です。
「超過」の対義語
「超過」の対義語は「不足」(ふそく)です。
「不足」とは、「足りないこと」という意味です。
また、「未満」(みまん)も「超過」の対義語だと考えられます。
「未満」は、「ある数がその数自体を含まずに小さいこと」です。
「経過」の意味
続いて「経過」の意味を解説します。
「経過」とは、「過ぎる」という意味です。
「ある場所や段階を通り過ぎること」を「経過」と言います。
時間が過ぎることも「経過」と表現されます。
「経過」の使い方
「経過を見る」などのように使われます。
これは「ある時間内における変化の具合を見る」ということです。
時間が過ぎていくにつれて、どのような変化があるか観察するということです。
「一年が経過した」と使う場合は、「一年が過ぎた」ということです。
場所の名前と組み合わせて使うこともあります。
「川越市を経過した」と使った場合、「川越市を通り過ぎた」という意味です。
「経過」を使った例文
・『彼女と最後に会ってから、既に八年が経過しようとしている。私は彼女の声を朧気にしか思い出せなくなっていた』
・『体調は回復したが、経過観察のため、一ヶ月に一度通院が必要だ』
・『祖母の術後の経過は良好で、私たち家族はとても安心しました』
・『今、浜松駅を経過したところです。じきに名古屋駅に到着するでしょう』
・『先生は結晶のできる経過を録画し、早送りの編集をして私たちに見せてくれた』
「経過」の類語
「経過」の類語は「通過」(つうか)です。
これは、「ある場所を通り過ぎる」という意味です。
場所に対して「経過」を用いた際の類語です。
「過程」(かてい)も「経過」の類語だと考えられます。
「過程」とは「一連のプロセス」という意味で、「経過」と同じく「持続する現象や変化」を説明・観察するときに用いられる言葉です。
「経過」の対義語
「経過」の対義語は「停滞」(ていたい)が考えられます。
「停滞」とは、「とどまって動かないこと」です。
まとめ
「超過」と「経過」の違いについてまとめました。
「超過」は「決められた一定以上を過ぎてしまうこと」です。
「あらかじめ定められている一定」が存在することが、「超過」という言葉を使用するときのポイントです。
「経過」は「時間が過ぎること」や「場所や段階を通り過ぎること」という意味です。