この記事では、「過度」と「過剰」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
過度と過剰の違い
決められた範囲を超えているという点で、意味が同じ言葉です。
「過度」は、度を過ごすことです。
漢字が言葉の意味をそのまま表しています。
度とは、回数、ほどあい、数量、温度などのことを意味します。
これらが過ぎていることが「過度」です。
「過剰」は、必要な数量を超えていることです。
必要量を上回って多く、あまっている状態を意味します。
「過度」は、数量だけでなく、回数やていどなどのことも意味に含みます。
「過剰」も数量だけでなく、程度のことも意味に含んでいます。
つまり、ほぼ同じ意味ということです。
しかし、「過剰」の場合は、あまっているという意味を含んでいるので、この点は違います。
過度と過剰の使い方の違い
「過度」は度が過ぎていることになら、さまざまなことに使うことができます。
数量、重さ、ていどなどが決められた枠を超えているさまが「過度」です。
しかし、最もよく使われるのは、ていどについてです。
「過剰」は数が必要よりも多くてあまっていることについて使われます。
多い、少ないというのは、何か基準があるからで、その基準に比べて多い、少ないということができます。
「必要な量」という基準があり、それよりも多いことが「過剰」です。
「過剰」は物質だけでなく、自信や反応など非物質にも使われます。
どちらの言葉もあまりよい意味では使われません。
過度と過剰の英語表記の違い
「過度」は英語では“excessive”や“excess”と表記します。
「過剰」は英語では“excess”と表記をします。
“a surplus”は「余剰」という意味で、「過剰」の意味に含まれるあまっているという点では近いところがあります。
過度の意味
「過度」は度を過ごすことです。
漢字が言葉の意味を示しています。
「過」は、度がすぎる、はなはだしいという意味がある漢字で、「度」は、ほどあい、回数、数、量という意味がある漢字です。
ほどあいとは、ちょうどよい程度を意味します。
過ごすとは、程度を超すことです。
つまり、「過度」はちょうどよい程度を超すことという意味になります。
ちょうどよいとはどれくらいなのかは、人によって判断が違ったり、そのときどきの情況によって異なります。
たとえば、食べる量のことで考えてみると、お茶碗1杯のごはんで満足できる人もいれば、2杯、3杯と食べないと満足できない人もいて、ちょうどよい量が違います。
過度の使い方
度を越えていることになら、数量や程度など、さまざまなことに使うことができます。
数えられるものだけでなく、適応力やお世話のていどなど、非物質的な者にも使われます。
過度を使った例文
・『過度な期待が大きなプレッシャーとなる』
・『過度の労働によって体力が限界だ』
・『過度の運動で怪我をしないように注意』
・『過度な手洗いで肌荒れを起こす』
・『過度な心配をする』
過度の類語
「超過」や「過剰」が類語です。
「超過」には、一定の度合いが超えているという意味があります。
過度の対義語
対義語は「適度」です。
適度なことを過ぎていることが「過度」なので、その反対は「適度」になります。
過剰の意味
「過剰」は必要な量を超えていること、ありあまることです。
必要な量という一定の枠があり、それを超えていることを意味します。
必要な量を超えた分は残りです。
残った分のことをあまりといいます。
「剰」という漢字には、あまる、あます、あまり、多すぎて残るという意味があります。
過剰の使い方
必要な程度や数を超えて多いこと、あまっていることを意味したいときに使います。
たとえば、子ども会を開くことになり、子どもたちに配るお菓子を購入しました。
子どもの人数は10人なのに対し、購入したお菓子は12個でした。
10個あればいいのにそれを超えてしまっているので「過剰」となります。
数えられ物質だけでなく、非物質にも使われます。
過剰を使った例文
・『思ってもいなかった過剰な反応に驚いた』
・『過剰に購入する』
・『過剰に生産してしまった』
・『サプリメントの過剰な摂取に注意』
・『過剰な在庫を抱える』
過剰の類語
類語は「超過」や「過度」です。
「超過」は一定の限度を超えることです。
「超」という漢字には、こえる、限度をこすという意味があります。
「過」には、度をこすという意味があるので、似たような意味を持つ漢字を重ねている言葉になります。
過剰の対義語
対義語は「不足」です。
「不足」は十分に足りていないことを意味します。
「過剰」は十分であり、それ以上であまっている状態を意味していて、「不足」が対義語になります。
まとめ
どちらも一定の枠を超えていることを意味していて、ほぼ同じ意味を持っています。
そのため、似たような場面で使われています。