「削減」と「縮小」の違いとは?例文をみながら分かりやすく解釈

「削減」と「縮小」の違いとは?状態

ビジネスや社会ニュースで頻繁に耳にする「削減」「縮小」の二つの言葉。

いずれも「何かを小さくする、少なくする」ときに使用します。

この記事では、「削減」「縮小」の違いを分かりやすく説明していきます。

「削減」とは?

現にあるものを削ってへらすこと、少なくすることを意味します。

自然に減るのではなく、人の意思や行動による人為的な減少を表します。

この言葉のニュアンスを理解するために「削」の文字に注目しましょう。

削るとは「切って除く、はしから薄くそぎとる」という意味で、はぎとっていくイメージです。

場合によっては痛みをともなう印象があります。


「削減」の使い方

「削減」が使用される代表的な例文をみてみましょう。

・予算を削減する。

・二酸化炭素の排出量を削減する。

・ゴミの量を削減する。

・人員を削減する。

・経費を削減する。

削減の対象となっている名詞はいずれも「量が複数または多数あるもの」となります。


「縮小」とは?

縮まって小さくなること、縮めて小さくすること、 小規模のものにしたり、なったりすることを意味します。

人の意思や行動で小さくなる場合と、人の意思に関係なく、自然になる場合も含まれます。

「縮」とは形のつりあいを変えずに、しわを寄せながら小さくなっていく様子を表しています。

「縮小」の使い方

「縮小」が使われる代表的な例文です。

・軍備を縮小する。

・画像ファイルを縮小する。

・イベントを縮小して実施した。

・事業を縮小する。

・老婆の顔はくしゃくしゃに縮小していた。

縮小という言葉があてはまる名詞は「数えるのが難しいもの」です。

「削減」と「縮小」の違い

「削減」という言葉はお金、二酸化炭素、ゴミ、人員など多くの数を有する物を、削いでいくように減らす場合に使用されます。

「縮小」とは全体の形はそのままに、サイズだけ小さくする、または、なる場合に用いられます。

使い分けるときは、対象が「数えられるものかどうか」「人為的に減る、もしくは減らすのか、自然に減ることもあるのか」を考えましょう。

仮に「軍備を削減する」と表現したとします。

軍備はまず自然には小さくなりません。

またこの表現では、軍備の何をなくすのかという疑問がうまれ、削減の対象がはっきりしません。

軍備は数えられず「削いでいくように」減らせないからです。

「軍事費を削減する」ならば理解できます。

また「予算を縮小する」とした場合はどうでしょうか。

稀に見られる表現です。

縮小とは「全体の形はそのままに、大きさだけ小さくする」という意味なので、正しくは「予算規模を縮小する」となります。

まとめ

「削減」「縮小」は同じテーマとニュアンスでよく使われる言葉です。

また「何かが小さくなる、減る」という、ネガティブなシチュエーションで使用されるという共通点があります。

使い分けが紛らわしいときは、「削」「削ぎ落していくこと」「縮」「全体の形はそのままにしわを寄せたりしながら大きさだけ小さくすること、なること」という、それぞれの漢字がもつ意味とイメージを思い出すと、違いがわかりやすくなります。

不況や経済低迷に関するニュースが多い昨今では、よくみかける重要単語となりました。

正しく理解し、使い分けられるようになりましょう。

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