普段何気なく使っている言葉の違いを知っていますか。
この記事では、「大量」と「多量」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
大量と多量の違い
「大量」には、数量が多いことやそのさまという意味と、心が広いことという意味の2通りがあります。
ここでは、数量が多いことやそのさまという意味で解説をします。
「多量」とは、分量の多いことやそのさまです。
どちらも数量がおおいという意味がありますが、厳密にいうと違う意味です。
「大量」は大きなまとまりや規模が大きい意味を含んでいます。
工場では日々多くの製品が製造されています。
大手企業の工場は大規模です。
こういった大きな工場でたくさんの数量の物が作られることなどが「大量」です。
一方、「多量」は物の量が多い意味を含んでいます。
ゲリラ豪雨のときには、たくさんの量の雨が降ります。
このたくさんの量のことを「多量」といいます。
大量と多量の使い方の違い
「大量」は、まとまりのある場合や規模が大きな場合に使用をします。
「大量のものをさばく」のように手に触れることができる物質に使うことも、「大量のエネルギーを消費する」のように手に触れることができないものにも使うことができます。
「多量」は、物の量が多い場合に使用をします。
物には固体や液体がありますが、どちらにも「多量」は使用でき、また有害物質など肉眼では見えないものにも使用できます。
大量と多量の英語表記の違い
「大量」は英語で“large quantity”と表記をします。
「多量」は英語で“large quantity”や“great deal”と表記をします。
大量の意味
「大量」には、2つの意味があります。
1つめは、数量の多いことやそのさまです。
もう一つは、心の広いことです。
ここでは、数量の多いことやそのさまという意味で解説をしています。
「大量」が意味する数量の多いことは、まとまりのある場合や規模が大きな場合のことを考えています。
「まとまり」とは、バラバラのものが統一されたひとかたまりになることです。
「規模」は、構造・内容・仕組みなどの大きさを意味します。
大量の使い方
数量が多いことの中でも、まとまりがある場合や規模の大きな場合に使用をします。
形のある物質にも、手に触れることができないものにも使用できます。
エネルギーは目に見える形では存在せず、手に触れることができません。
しかし、まとまりがあり、規模も大きいので、エネルギーの量が多いことは「大量」といえます。
工場では多くの製品が製造されています。
製造されているものは、目に見える形で存在しており、手に触れることもできます。
工場は規模が大きいので、こういったことにも「大量」という言葉を使用できます。
大量を使った例文
・『セール品を大量購入する』
・『大量の製品を販売する』
・『大量のエネルギーが漏れている』
・『こんなに大量の製品をさばけるだろうか』
・『あんなにあった大量の本が売り切れた』
大量の類語
「多量」が類語です。
大量の対義語
「大量」とは数量の多いことなので、数量の少ないことを意味する言葉が対義語です。
その言葉は「少量」になります。
多量の意味
「多量」とは、分量の多いことやそのさまです。
「分量」には、物の重量・容積・数量・割合などの多い少ないの程度という意味があります。
「多量」の場合は、重量・容積・割合のことではなく、物の量の多いことを意味しています。
物といっても、手に触れられるものだと液体と固体がありますが、「多量」は液体でも固体でも、量が多ければ「多量」といえます。
また、物には肉眼で見えるものと物質が小さすぎて肉眼では見えないもの、たとえば有害物質などがありますが、「多量」は肉眼で見えるものも肉眼では見えないものも量が多ければ「多量」といえます。
多量の使い方
物の量が多いことに使う言葉です。
「多量の雨」といった使い方をします。
雨は数えられるものではありませんが、「多量」は数えられないものに使用できます。
数えられるものへの使用も可能です。
「多量の鉛筆」のような使い方ができます。
数えられるものですが、「多量生産」とはあまりいいません。
規模が大きなものには使うことが少ない言葉です。
また、被害のようなものではないことには使用しません。
多量を使った例文
・『多量に食品を購入してどうするつもりなの』
・『多量の有害物質が含まれる空気』
・『多量の液体が漏れてくる』
・『多量の雨をもたらした』
・『サプリメントを多量に服用する』
多量の類語
「大量」が類語です。
関連する語では「豊富」や「潤沢」があります。
「豊富」は、たっぷりとあることです。
「潤沢」は、ものがうるおっているさまです。
多量の対義語
物の量が少ないことを意味する言葉が対義語で、それにあたるものは「少量」です。
まとめ
2つの言葉には、数量が多いことやそのさまという同じ意味がありますが、使われる場面に違いがあります。