「消滅」と「消失」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「消滅」と「消失」の違い状態

この記事では、「消滅」「消失」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「消滅」と「消失」の違い

「消滅」とは、五感で感じられなくなること、なかったものとなることです。

「消失」とは、五感で感じられなくなること、ある働きかけによって生じる影響がなくなることです。

どちらの言葉にも、きえる、ほるびる、なくなるという意味を持つ漢字の「消」が使用されており、2つの言葉は消えるという意味を持っている点は共通しています。

しかし、「消」の後の漢字が違い、漢字の意味も異なるので、言葉の意味も異なります。

「消滅」は、「滅」という漢字が使用されています。

「滅」には、ほるびる、ほろぼすという意味があります。

そのことからもわかるように、「消滅」とは滅んでなくなることを意味しています。

「消失」は、「失」という漢字が使用されています。

「失」には、うしなう、なくすという意味があります。

そのことからもわかるように、「消失」は持っていた状態のものが持っていない状態になることを意味しています。


「消滅」と「消失」の使い方の違い

これまで続いていたものが途中で切れて、消えてしまうことについて「消滅」を使用します。

権利がなくなる意味でも使用されています。

たとえば、ある大会に出場する権利があったのになくなってしまうなどです。

持っていたものが持っていない状態になる、そこにあったものがそこにない状態になることについて「消失」を使用します。


「消滅」と「消失」の英語表記の違い

「消滅」は英語で“become extinct”“disappear”と表現をします。

権利がなくなる意味では“lapse”です。

「消失」は英語で“disappear”“vanish”と表現をします。

「消滅」の意味

「消滅」とは、五感でとらえられなくなること、そこにあったものがなくなることです。

続いていたものが途切れて消える、すたれるという意味合いがあります。

日本には、ミニシアターと呼ばれる映画館があります。

ミニシアターは、大手映画配給会社の影響を受けることなく、映画館が独自に公開する映画を決めていることが少なくありません。

1980年代ころは活気があったようですが、現在は大きな映画館に客が集まる傾向があります。

そのため、ミニシアターがなくなってしまうかもしれないといわれています。

ミニシアターは、これまで日本に存在し続けていたものです。

それがもしもなくなったら、続いていたものが途切れる、すたれたということができるかもしれません。

こういった途切れてなくなるといった意味を「消滅」は持っています。

ミニシアターは形があるもので、目で見て存在を確認することができます。

このような五感でとらえることができるもの以外のものが、消えてしまう意味もあります。

たとえば、可能性についてです。

ある人は、プロ野球界に入ることができるかもしれないといわれていました。

これは、プロ野球界に入る可能性があるということができます。

この段階では、まだ実際には入っていません。

もし、可能性がなくなってしまったら、可能性が「消滅」したということができます。

「消滅」の使い方

これまであったものが途切れて消えることや、すたれて消えることについて使用をします。

滅んでという意味を含む言葉です。

今目の前にお菓子があります。

食べてしまえば、目の前から消えます。

これは滅んだことではないので、「消滅」は使用しません。

「消滅」を使った例文

・『有望とされていたが可能性が消滅した』
・『このままだと消滅する可能性があります』
・『組織を消滅させる』
・『一瞬にして消滅してしまった』

「消滅」の類語

「消失」「消散」が類語です。

「消散」には、霧のように散ってなくなるという意味があります。

「消滅」の対義語

「存続」が対義語です。

これからも続く、これからもあるという意味になります。

「消失」の意味

「消失」とは、五感でとらえられなくなること、あったものがなくなること、効力があったものがそうでなくなることです。

熱帯雨林にある森林は、現在も減り続けています。

その面積は1週間で東京都の面積と同じくらいだといわれています。

森林は目に見えるものです。

それが伐採されるとその場所からなくなってしまい、これまで森林があった場所では、森林を目でとらえることができなくなります。

五感でとらえられなくなる、つまり「消失」です。

永久凍土もなくなってきています。

これも五感でとらえられていたものが、五感でとらえられなくなったということができます。

目に見えるもの以外の意味もあります。

たとえば、口渇感です。

喉が渇いたと思っていても、しばらく時間が経ったり、他のことに意識を向けていたりすると、喉が渇いたという感覚はなくなります。

また、水分を補給することでも、喉が渇いた感覚はなくなります。

こういったことも意味する言葉です。

薬の成分は、体の中に入ってしまうと目でとらえることはできません。

しかし、血液中には存在しています。

薬を飲んで体内に吸収されると、血液中に薬の成分が存在するようになりますが、しばらく時間が経つと消えていきます。

こういったことも意味します。

「消失」の使い方

五感でとらえられなくなること、これまであったものがなくなることについて使用をします。

ここにあったということがわからない状態になることを意味します。

たとえば、ゲームのセーブデータは、「データを消す」を選択したり、ゲームが壊れてしまったりするとなくなります。

なくなったら、そこに以前データがあったことがわからなくなります。

こういったことに使用できる言葉です。

「消失」を使った例文

・『セーブデータが消失してしまった』
・『消失したと言い切れますか』
・『希少植物の自生地が消失した』
・『神経が消失しているようだ』

「消失」の類語

「消滅」「消散」が類語です。

「消失」の対義語

「存在」が対義語です。

まとめ

「消」という漢字が使用されており、消えるという意味を持つ2つの言葉ですが、何が消えるのか、どのように消えるのかという点で意味が異なります。

状態
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