この記事では、「最大」と「最高」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「最大」と「最高」の違い
「最高」とは、ある範囲の中で比べてみて、一番量や数が多い、面積や容積が広い空間を占めていることです。
「最高」には、3つの意味があります。
1つめは、地位や高さの度合がもっとも上であることです。
2つめは、物事のほどあいがはっきりわかるほどに高いことです。
3つめは、物事が一番よい状態であること、これ以上なほど程に素晴らしいことです。
どちらの言葉にも、もっとも、一番という意味を持つ漢字の「最」が使用されており、2つの言葉はもっとも、一番という意味を持っています。
しかし、何が一番なのかという点に違いがあります。
「最大」の場合は、数や量が多い、規模がおおきいという意味を持つ漢字の「大」が使用されているとおり、もっとも数や量が多いこと、もっとも規模が大きいことを意味しています。
「最高」の場合は、たかいという意味を持つ漢字の「高」が使用されている通り、もっとも高いことを意味しています。
地位や高さが高いこと、程度が高いこと、よい意味で状態が高いことをいいます。
「最大」と「最高」の使い方の違い
2つの言葉は、他のものと比べて一番なことに使用します。
「最大」の場合は、一番大きいことについて使用をします。
数や量が大きい、つまり数や量が多いこと、面積や容積が大きい、つまり面積や容積が広い範囲を占めていることをいいます。
「最高」の場合は、一番高いことについて使用をします。
高さがあること、地位が高いこと、程度が高いこと、望ましい状態にあることをいいます。
「最大」と「最高」の英語表記の違い
「最大」は英語で“the biggest”や“the largest”と表現をします。
“the ~est”は最上級の表現です。
「最高」は英語で、一番高いという意味では“highest”と表現をします。
「最大」の意味
「最大」とは、他のものと比べて、その中でもっとも大きいという意味があります。
大きいとは、数や量が多いこと、面積・容積・形などが占める範囲が広いことです。
世界には196か国があり、国によって面積が異なります。
196か国ある中で一番面積が大きいのはロシアで17098246平方キロメートルになります。
日本の面積は377975平方キロメートルで、日本よりもロシアの方が面積が大きいことがわかります。
世界の中で国の面積が2番目に大きいのはカナダで、9984670平方キロメートルになります。
カナダと比べてもロシアの面積が大きいことがわかります。
世界にある国の中でもっとも大きい面積であることは、世界の国の中で面積が「最大」であるということができます。
面積が小さい国もあります。
世界の中で一番面積が小さい国はバチカンで、0. 4平方キロメートルになります。
世界の中で一番のことですが、大きいことでの一番ではなく、小さいことでの一番です。
こういった小さいことの一番は「最大」とはいいません。
蛇にもいろいろな種類があり、両手で持てるくらいの大きさのものから、大人1人ではとてもではないけれど持てないくらいの大きさのものまでいます。
「最大」といわれているものは、体長が13メートル、体重が1135キログラムあったといわれています。
数多くいる蛇の中で、もっとも長さや体重が大きいということができます。
このように、他と比べて一番大きいことを意味する言葉です。
「最大」の使い方
他と比べたときやある範囲の中で、一番大きいことを指して使用をします。
数、量、面積、容積などについていいます。
比べるものがないときには、あまり使用しない言葉です。
比べるものがなけば、大きいのか小さいのかわからないからです。
「最大」を使った例文
・『世界最大の大きさを誇る』
・『最大風速は30メートルと予想されます』
・『世界最大の都市』
・『最大で250キログラムになります』
「最大」の類語
「極大」「無限大」が類語です。
「極大」には、程度がはなはだしく大きいという意味があります。
「無限大」は、制限の範囲がなく大きいことです。
「最大」の対義語
「最小」が対義語です。
もっとも数や量が少ない、もっとも面積や容積の占めている範囲が狭いという意味があります。
「最高」の意味
「最高」には、3つの意味があります。
1つめは、地位や高さなどがもっとも上にあることです。
会社では、そこに勤めている人に役職が与えられています。
会社によっておかれている役職の名前が違いますが、一般的には代表取締役社長が一番上の地位の役職になります。
その他の役職には、専務、常務、部長、課長などがありますが、代表取締役社長はこれらよりも上の地位です。
会社の中では一番高いところにあります。
このように、他のものと比べて一番高いことを意味する言葉です。
他のものと比べてというのは、同種のものの中で比べることをいいます。
社長と課長を比べるのは、同じ会社組織の中のことであり、また役職という点で同種といえますが、社長と総理大臣を比べるのは同種とはいえません。
2つめの意味は、物事のほどあいがはっきりとわかるほどに目立って高いことです。
映画にはいろいろな作品があり、好みは人それぞれ違いますが、いろいろな作品を見ていると、その中でとても面白いと感じるものもあれば、あまり面白くなかったと感じるものもあります。
程度がはなはだしく面白いと感じられるものは、「最高に面白い映画」と表現することができます。
3つめは、物事の状態がもっともこうなって欲しいと思う状態にあることです。
これ以上ないほどに素晴らしいことです。
よい気分は、望ましい状態であるといえるでしょう。
もっともよい気分は、「最高に気分がよい」と表現できます。
「最高」の使い方
もっとも上のこと、もっとも程度が高いこと、もっともよい状態のことについて使用をします。
「最高」を使った例文
・『最高の1日を過ごした』
・『最高の笑顔を見せてくれた』
・『最高の品質だといえます』
・『最高気温は35度になる予想です』
「最高」の類語
「至高」が類語です。
これ以上ないほどにすぐれているという意味があります。
「最高」の対義語
「最低」が対義語です。
高さや地位などがもっとも低いこと、状態が望ましくないことという意味があります。
まとめ
もっともという意味を持つ2つの言葉ですが、もっともどうなのかという点で意味が違います。