この記事では、「貧困」と「飢餓」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「貧困」と「飢餓」の違い
「貧困」や「飢餓」という言葉は、「貧困問題」「飢餓で苦しむ人々」など、よく新聞や雑誌の記事や報道番組などで使用されている言葉です。
「貧困」と「飢餓」は深刻な社会問題で、私たちはこの世の中から「貧困」や「飢餓」と言った社会問題が消えることを強く望んでいます。
しかし「貧困」と「飢餓」は消滅することなく、世界中で多くの人がこの問題に苦しんでいます。
さて「貧困」と「飢餓」の違いですが、「貧困」 が貧しくて生活に困ることを意味するのに対し、「飢餓」は十分な食料を得られず栄養失調や生命の危険にさらされている状態を示します。
しかし貧困と飢餓は深く連鎖していて「貧困」でお金がなく食料が買えず「飢餓」という状態になることがしばしばです。
もちろん、農作物の不作や流通がうまく行かずに食物が手に入らない「飢餓」もあります。
また「貧困」であっても、必要最低限の栄養を確保できている場合には飢餓状態にはなりません。
このように貧困がダイレクトに生命の危険につながらないのに対して、飢餓は生命の危険につながってしまいます。
「貧困」と「飢餓」の使い方の違い
「貧困」は貧しくて毎日の生活に困窮していることを表す時に、「飢餓」は食べるものがなく健康や生命に危険がある状態を表す時に使います。
「貧困に苦しむ」「飢餓に苦しむ」など「苦しむ」という動詞と一緒に使われることが多い言葉です。
さてす。
「貧困」と「飢餓」の英語表記の違い
「貧困」は英語で「poverty」「lack」を使って表現できます。
また「飢餓」は「starvation」「inanition」「hunger」などの英語を使います。
「貧困」の意味
「貧困」は(ひんこん)と読みます。
意味は貧しくて日々の生活に困ること、または重要なことが足りないことを意味します。
この「貧困」という言葉はかなり頻繁に使われていて、私たちは「貧困家庭」「貧困女子」などのタイトルの記事をよく目にします。
国自体が貧しくて国民のほとんどが貧困に苦しむところもありますが、経済大国でも貧困に苦しむ人がいます。
豊かだと思われている日本も例外ではなく、貧しくて生活に困っている人は少なくありません。
特にシングルマザー、高齢者、病気を抱えている人などの弱者は貧困生活を強いられているケースが多いのです。
国は「貧困対策」を考えて色々と試しているものの、貧富の差はどんどん大きくなってきているとも言われています。
「貧困」の使い方
「貧困」はよく耳にする言葉です。
特に「貧困女子」「貧困ビジネス」などは現代の社会情勢を表すトレンドな言葉として、いろいろな所で目にします。
プライベートな会話では「貧乏」「お金がない」と表現する方が多いかもしれません。
また「貧困」は経済的な困窮だだけではなく「貧困な精神」のような使い方もあります。
「貧困」を使った例文
・『彼は貧困で苦しむ人々の声に耳を傾け、できる限りの支援をした』
・『増加する貧困女子についての社会問題を取り上げたドキュメンタリーをテレビで観た』
・『創業者は貧困な家庭に生まれたけれど、努力し自分の店を持つようにまでなった』
・『この貧困から抜け出すためには、一生懸命に勉強するしかない』
「貧困」の類語
「貧困」の類語には「貧乏」「極貧」「困窮」「貧しい」「下流」などがあります。
生活に困っている高齢者を「下流老人」と表現する風潮があります。
また親しい人との会話では「貧困」ではなく、「お金がない」「生活が苦しい」と表現する方が一般的です。
「貧困」の対義語
「貧困」の対義語には「裕福」や「お金持ち」があります。
「貧困家庭」と対極にあるのが「裕福な家庭」です。
「飢餓」の意味
「飢餓」は(きが)と読みます。
長い間食べるものに困り。
栄養不足で生命や毎日の生活がおびやかされている状態を表す言葉です。
簡単にいえば「飢えていること」です。
新聞や雑誌などの社会問題を取り上げた記事ではよく目にする言葉です。
世界的な分布を見ると、南部アフリカに飢餓が多くなっていることがわかります。
しかし日本にもこの「飢餓」は存在しています。
食料がありふれていて、コンビニなどの売れ残り弁当などが大量に破棄されている現代の日本で「飢餓」があるとは信じがたことです。
ところが貧しくて十分な食べ物を手に入れられずに飢餓状態に陥っている貧困家庭は実際に存在します。
また親の育児放棄で食べ物を与えられずに、栄養失調になったり、命落とす子供もいます。
このように「隣の家では食べ物が溢れているのに、自分のところには食べ物がない」というような日本の「飢餓」は、人々の社会での繋がりが希薄になったことも原因の一つだと考えられます。
そのために「子供食堂」などを立ち上げて、無料で貧困家庭に食事を提供する人たちもいます。
「飢餓」の使い方
「飢餓」は社会問題をテーマとする記事などでよく使われる言葉です。
どちらかといえばニュースや新聞、論文などで使われます。
「飢餓」を使った例文
・『彼女は世界の飢餓を減らすためにヴィーガンになったらしい』
・『飢餓で苦しむ人々のために、彼女は基金を設立した』
・『このまま飢餓状態が続くと、多くの人が命を失うだろう』
・『長い間内戦が続いたために、飢餓で苦しむ人が増えた』
「飢餓」の類語
「飢餓」と同じような意味を持つ言葉には「餓え」「飢饉」があります。
また「食糧危機」も似たようなニュアンスを持ちます。
「飢餓」の対義語
「飢餓」の反対の意味を持つ言葉には「飽食」があります。
飽きるほど食べるという意味を持つ言葉で「飽食の時代」などはよく耳にします。
同じ世界に飢餓と飽食が同時に存在するのは悲しい現実です。
まとめ
「貧困」と「飢餓」はどちらも大きな社会問題です。
それぞれの違う意味を持ちますが、この二つの問題は連鎖しています。
貧困で飢餓になることもあれば、飢餓で病気になり働けずに貧困になることもあります。