この記事では、「破れる」と「裂ける」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
破れると裂けるの違い
「破れる」には、いくつかの意味がありますが、「裂ける」と似ている意味も持っています。
「破れる」には、裂けたり、つぶれたりして、もとの形が壊れることという意味があります。
「破く」となると紙や布など薄いものの一部分が切れたり、穴が開くことを意味するのですが、「破れる」となると紙や布など薄いものだけでなく、恋愛や静けさなど形がないものが損なわれることの意味も含まれます。
「裂ける」には、ひと続きになっていたものが線状に離れることという意味があります。
いくつもに分かれるのではなく、二つに分かれという意味が含まれています。
どちらの言葉も元の形が壊れてしまう意味が含まれますが、どのように壊れるのかが異なります。
「破れる」の場合は、部分的に壊れることです。
「裂ける」の場合は、線状に切れて二つに分かれることを意味します。
きれいに二つに分かれていなくても「破れる」といえるし、穴が開いた状態も「破れる」と言えますが、「裂ける」とはいいません。
破れると裂けるの使い方の違い
「破れる」は、穴が開く、つぶれる、一部が欠けるなど、部分的に壊れることに関して使われます。
紙、布、障子、壁、恋、静寂など、さまざまなものに使うことができます。
「裂ける」は線状に分割されることに関して使われます。
穴が開いたり、つぶれたりすることには使われません。
紙や布など線状に分割できる物質だけでなく、口が裂けても言えないなど、比喩として使うこともできます。
破れると裂けるの英語表記の違い
「破れる」は英語では、“Tear”や“Break”と表記されます。
“Tear”には涙という意味もあり、“Break”の方が使われる頻度が高いです。
「裂ける」は英語では、“split”や“division”と表記します。
破れるの意味
「破れる」には、いくつもの意味があります。
まず、裂けたり、穴が開いたり、つぶれたりして、形が壊れることです。
他には、今まで続いていた状態が損なわれることという意味もあります。
「静寂が破れる」など、物質以外のものが損なわれることを表します。
さらに、成り立たずに終わることも意味します。
「破」という漢字には、こわれる、こわす、やぶれる、やぶすという意味があります。
破れるの使い方
「破れる」にはいくつもの意味がありますが、主な意味は元の形が壊れることです。
たとえば、一枚の紙の一部が損なわれてしまった、障子に穴が開いてしまった、静けさが壊れてしまったなど、こういったときに使われます。
岩や肉の塊のような厚みがあるもの、棒のような線状のものには使われません。
破れるを使った例文
・『障子が破れる』
・『静けさが破れる』
・『袋が破れる』
・『お気に入りの衣類が破れる』
・『心の破れるのを避ける』
破れるの類語
「破れる」にぴったり当てはまる類語はありません。
関連する語は「破ける」です。
破けるは、紙や布など薄いものが切れることを意味します。
破れるの対義語
「破れる」の対義語はありません。
裂けるの意味
「裂ける」には、ひと続きになっていたものが、線状に分かれて二つになるという意味があります。
紙や布など物質が線状に切れて離れることも意味するし、地面がぱっくりと開いてしまったような状態のことも意味しています。
また、物質だけでなく、比喩として使われることもあります。
たとえば、手で二つにきれいに割ることができるチーズが販売されていて、商品名に「さける」とは言っています。
あのチーズのように切れて分けられることを「裂ける」といいます。
ハサミで紙を二つに分けることは、一般的には「裂ける」とはいわず、切ると表現します。
刃物を使っているものは「切る」といいます。
裂けるの使い方
紙や布など薄いものが線状に切れて二つに離れることに使われることが多いです。
板のような厚みがあるものには、一般的には使いません。
この場合は、破るという言葉が使われます。
また、「口が裂けても言えない」のような表現にも使われます。
口が裂けるとは、実際に唇が切れてしまうことではなく、比喩表現として使われています。
「裂」という漢字には、さく、さける、さけめという意味があります。
裂けるを使った例文
・『闇が裂ける』
・『皮膚が裂けるような痛み』
・『筋肉が裂けるかと思った』
・『ピアスの穴をあけて肉が裂けるのではないかと心配』
・『チーズがきれいに裂けると快感』
裂けるの類語
「裂ける」の類語はありませんが、関連する語は「破ける」「破れる」です。
裂けるの対義語
対義語はありません。
まとめ
「破ける」と「裂ける」は関連する語で似たような意味を持っています。
どちらも壊れてしまう、損なわれてしまう意味が含まれています。
しかし、壊れ方や損なわれ方が二つの言葉では違いがあります。
違いを知って状況にあわせて使い分けてみましょう。