この記事では、「加熱」と「過熱」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「加熱」と「過熱」の違い
「加熱」とは、熱を加えることです。
「過熱」には、3つの意味があります。
1つめは、必要以上に物体が熱くなることです。
2つめは、液体が沸点以上にしても沸騰しない状態、沸点以上にしても沸騰させないことです。
3つめは、ほどあいを超えた状態になることです。
どちらの言葉も「かねつ」と読みますが、漢字が違います。
また、意味も違います。
「加熱」は、物に熱を加えることです。
水の入った鍋をガスコンロの上に置き、ガスコンロの火をつければ、水に熱を加えることができます。
フライパンに肉を置き、フライパンをガスコンロの上に置いて火をつければ、熱を加えることができます。
こういった行為が「加熱」です。
「過熱」には3つの意味がありますが、熱を加える意味は含まれていません。
必要以上に物体が熱くなるとき、必要以上に「加熱」していることがあります。
しかし、熱を加えるという意味は含まれていない言葉です。
たとえば機械の場合は、長時間使用をする、過度に使用をする、誤った使い方をするなどで、必要以上に熱くなってしまうことがあります。
これは、熱を加えずに起こっている現象です。
「加熱」と「過熱」の使い方の違い
熱を加えることにつて「加熱」を使用します。
熱を加える方法には、料理の場合は焼く、炒める、蒸す、煮る、揚げるなどがあります。
必要以上に熱くなることや、ほどあいが超えることについて「過熱」を使用します。
「加熱」と「過熱」の英語表記の違い
「加熱」は英語で“heating”と表現をします。
「過熱」は英語で、熱くなりすぎる意味では“overheating”と表現をします。
「加熱」の意味
「加熱」とは、物に熱を加えることです。
あるものそれ自体が自ら熱を発することではなく、外から熱を与えることを指しています。
料理の場合は加熱する方法には、焼く、炒める、蒸す、煮る、揚げるなどがあります。
焼く方法はさらに、直火焼き、間接焼き、オーブン焼きがあります。
オーブンで焼くとき、温度を設定することができますが、焼くは100℃以上で加熱することが可能です。
炒めるは、フライパンなどの少量の油をいれ、食材を入れて行います。
揚げるは、炒めるよりも使用する油の量が多く、熱を加えた油の中に食材を入れます。
一気圧では水は100度以上にならないため、一気圧では煮るは100度以上になることはありません。
蒸すは蒸し器を使用し、蒸し器の中は100度ほどになります。
殺菌の目的で「加熱」作業を行うこともあります。
細菌の中には熱に弱いものが存在し、「加熱」をすることで殺菌することができます。
菌によって死滅するする温度や「加熱」時間が違い、黄色ブドウ球菌の場合は60℃で2. 5分間「加熱」をすることで死滅します。
熱に強い菌も存在し、そういったものは「加熱」をしても死滅しないため、他の方法で殺菌を行います。
「加熱」の使い方
物体に熱を加えることに使用をします。
人間の体温は36度ほどに保たれていますが、これは自ら熱をつくり出しているのであり、外から熱が加えられて温まっているのではありません。
このような自ら熱をつくり出すことは「加熱」とはいいません。
「加熱」を使った例文
・『加熱調理をする』
・『十分に加熱をして殺菌する』
・『加熱が不十分だったため、食材が半生』
・『加熱し過ぎて卵が半熟にならなかった』
「加熱」の類語
「熱する」が類語です。
熱を加えるという意味があります。
「加熱」の対義語
「冷却」が対義語です。
温度を下げる、温度が下がるという意味があります。
「過熱」の意味
「過熱」には、3つの意味があります。
1つめは、必要以上に熱くなることです。
油は360度以上の温度にすることができます。
しかし実際には、家庭で油の温度を上げていき、360度くらいになると発火をするので、それ以上温度を上げることは難しいです。
家庭で調理をする際に360度にも油の温度を上げる必要はありません。
これは、必要以上に温度が高い状態といえます。
必要以上に油の温度が高くなると発火をして危険なため、ガスコンロによっては、自動で消火する調理油過熱防止機能が備わっているものがあります。
2つめの意味は、液体が沸点以上になっても沸騰しないこと、沸騰させずに沸点以上にすることです。
水は100度になると沸騰しますが、水なら100度になっても沸騰しない状態が「過熱」です。
液体によって沸点は異なります。
沸点とは、液体が沸騰しはじめる温度のことです。
3つめの意味は、ほどあいが超える状態になることです。
ある話題で盛り上がっているときに夢中になると、ほどあいを超えて白熱した状態になることがあります。
このような状態が「過熱」です。
盛り上がってよい雰囲気である「過熱」もあれば、動画などが問題になって話題になり、あまりよい意味ではない「過熱」をすることもあります。
「過熱」の使い方
日常生活では、必要以上に温度が高くなることや、ほどあいが超えた状態のことを指して使用されています。
温度が高くなることでは、身近なものだと油があります。
油の温度が高くなりすぎると危険なので、「過熱」にならないように注意が必要です。
ほどあいを超えた状態のことでは、「騒動が過熱する」「噂が過熱する」などの使われ方をします。
「過熱」を使った例文
・『過熱にならないように注意をしてください』
・『恋人騒動のことで過熱している』
・『過熱によって発火する恐れがあります』
・『噂は今後さらに過熱するだろう』
「過熱」の類語
ほどあいを超えた状態の意味の類語は「白熱」です。
雰囲気や感情などが熱を帯びた状態という意味があります。
「過熱」の対義語
ほど愛を超えた状態の対義語は「冷静」です。
感情に左右されず落ちついているという意味があります。
まとめ
同じ読みをする2つの言葉で、どちらの言葉にも「熱」という漢字が使用されていますが、意味は違います。
同じ読みなので、使用する際には意味と漢字を間違えないように注意が必要です。