この記事では、「汚名返上」と「名誉挽回」の違いを分かりやすく説明していきます。
「汚名返上」と「名誉挽回」の違い
「汚名返上」と「名誉挽回」の違いについて紹介します。
「汚名返上」と「名誉挽回」の使い方の違い
「汚名返上」は、「一度悪い評価を付けられた場合に、新たな成果を上げて評判を打ち消すこと」に使います。
悪い評判を、活躍することでなかったことにすることを言います。
「名誉挽回」は、「一度傷ついた名誉や、失った信頼を再び取り戻すこと」に使います。
一度失ったものを取り戻して元の状態に回復させることを言います。
「汚名返上」と「名誉挽回」の英語表記の違い
基本的に、英語では「汚名返上」と「名誉挽回」はほぼ同じ表現が使われています。
日本語の意味に沿って使い分けした表現を紹介します。
「汚名返上」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「clear one’s name」で、「名前をキレイにする」=「汚名返上」という意味です。
“I am here to clear my name today.”
(今日は汚名返上する為に来た)
2つ目は「fix one’s bad reputation」で、「悪い評判を正す」=「汚名返上」という意味です。
“I would like to know how I fix my bad reputation.”
(私はどの様に汚名返上したら好いか知りたい)
「名誉挽回」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「redeem oneself」で、「自分を買い戻す」=「名誉挽回」という意味です。
“I have to make an effort to redeem myself.”
(名誉挽回するために努力しなければならない)
2つ目は「restore one’s honour」で、「人の名誉を引き戻す」=「名誉挽回」という意味です。
“He is working hard to restoring his honour.”
(彼は名誉挽回する為に一生懸命働いた)
「汚名返上」の意味
「汚名返上」は「おめいへんじょう」と読みます。
意味は「一度悪い評価が付いた人が、新たな成果を挙げて、悪い評価を打ち消すこと」です。
以前、ミスやトラブルを起こすなどして、悪い評判が立ってしまった人が、新たに手柄を立てることで、悪い評判をなかったことにすることを言います。
「汚名」は、「悪い評価や評判」という意味、「返上」は「一度こうむったものを返すこと」という意味、「汚名返上」で「一度こうむった悪い評価や評判を返すこと」になります。
「汚名返上」の使い方
「汚名返上」は、「一度こうむってしまった悪い評価を、手柄を立てて打ち消すこと」に使われます。
「汚名返上する・した」と使われることが多くなります。
基本的に、その人が大きなミスをしたり、トラブルを起こしたりして、悪い噂が流れたり、評価がさがってしまった時に使われる表現で、何も問題がない時には使えません。
また、「汚名返上」は「悪い評価をなくすこと」であり、「それ以上に良い評価を得る」という意味までは含まないのです。
「汚名返上」を使った例文
・『やっと試合に勝って「万年最下位チーム」の汚名返上をした』
・『身体が弱い奴と思われているので、汚名返上の為に頑張る』
・『何故か口が軽いと噂されているので、汚名返上したいと思う』
・『女癖が悪いと言われているが、そんなことはないので是非汚名返上したい』
・『前回は大失敗したが、次のプレゼンで汚名返上してみせる』
「汚名返上」の類語
・「恥を雪ぐ(はじをすすぐ)」
「身に受けた悪い評価を取り払うこと」という意味で、「雪」は「すすぐ」とも読み、「洗い清める」「ぬぐう」という意味があります。
「今回の会見でしっかり説明して恥を雪ぐつもりだ」などと使われます。
・「雪辱を果たす(せつじょくをはたす)」
「恥を拭い去って良い評価や信頼を取り戻すことを」という意味です。
「雪辱」で、「恥を洗い清める」という意味になります。
「やっとライバルに打ち勝って雪辱を果たした」などと使われます。
「汚名返上」の対義語
・「恥の上塗り(はじのうわぬり)」
「一度恥をかいたうえに、また恥をかくこと」という意味です。
「彼のあの言動は恥の上塗りに過ぎない」などと使われます。
「名誉挽回」の意味
「名誉挽回」は「めいよばんかい」と読みます。
意味は「一度傷ついた名誉や、失った信頼を取り戻して元通りにすること」です。
それまで良い評判があった人が、何らかのきっかけで悪い評価を受けることになってしまい、その後手柄を立てたり成功するなどして、元の良い評判に戻すことを言います。
「名誉」は「良い評判」「高い賞賛」という意味、「挽回」は「元の状態まで戻すこと」という意味、「名誉挽回」で「良い評判を元の状態まで戻すこと」になります。
「名誉挽回」の使い方
「名誉挽回」は、「一度傷付いた悪い評判や失った信頼を、回復させること」に使われます。
「名誉挽回する・した」と使われることが多くなります。
「挽回」は「一度失ったものを取り戻すこと」で、悪い評判がなくなると共に、元の良い評判に戻ることに使われる表現です。
「汚名挽回」と使う人もいますが誤りで、「汚名を回復させること」という意味になってしまいます。
「名誉挽回」を使った例文
・『ミスしてもその後の対応次第で名誉挽回が可能だ』
・『名誉挽回したいので、もう一度私にチャンスを下さいませんか』
・『彼が名誉挽回するにはかなり大きな成果を挙げる必要がある』
・『前回全く活躍できなかったので、今日は名誉挽回するつもりだ』
・『今回で名誉挽回すると張り切っていたが、思い通りにならなかった』
「名誉挽回」の類語
・「失地回復(しっちかいふく)」
「奪われた土地を取り戻すこと」から転じて、「奪われた地位や権力、領地などを取り戻すこと」という意味です。
「今後政治家として失地回復に努める」などと使われます。
・「巻き返しを図る(まきかえしをはかる)」
「不利な状態から勢いを取り戻して反撃に転ずること」という意味です。
「彼はこの作品で俳優としての巻き返しを図った」などと使われます。
「名誉挽回」の対義語
・「名誉失墜(しっつい)」
「それまでの地位や名声を失うこと」という意味です。
「彼はこれで完全に名誉失墜した」などと使われます。
まとめ
今回は「汚名返上」と「名誉挽回」について紹介しました。
「汚名返上」は「悪い評価をなくすこと」、「名誉挽回」は「失われたよ評価を取り戻すこと」と覚えておきましょう。