この記事では、「大幅」と「かなり」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「大幅」と「かなり」の違い
「大幅」には、3つの意味があります。
1つめは、一般的なものよりも端から端までの間隔が広いことです。
2つめは、布地の幅のことで、幅が広いものを指します。
3つめは、数量、価格などの動きの幅が大きいことです。
「かなり」には、程度が平均よりも上であるという意味があります。
「大幅」には3つの意味がありますが、その中で「かなり」と意味が似ているのは3つめの意味です。
「大幅」は程度のことについていうことができ、「かなり」も程度のことを指しているので、ほぼ同じ意味を持っていることになります。
たとえば、「大幅に電車が遅れる」とも「かなり電車が遅れる」ともいうことができます。
「大幅」には程度のこと以外の意味もあり、その意味は「かなり」にはありません。
この点に違いがあります。
「大幅」と「かなり」の使い方の違い
端から端までの間隔が大きなことや布地のことについては「大幅」を使用します。
平均よりも程度が上のことについては、どちらの言葉も使用可能です。
「大幅」は公の場でも日常会話でも使われますが、「かなり」は日常会話で使われており、公の場では使われません。
「大幅」と「かなり」の英語表記の違い
「大幅」は程度の意味では、何についてをいうのかによって表現方法が違い、価格については“steep”や“sharp”などと表現をします。
「かなり」は英語で“pretty”や“fairly”や“rather”と表現をします。
「大幅」の意味
「大幅」には、3つの意味があります。
1つめは、端から端からの間隔が大きいことです。
どれくらいの間隔なのかという具体的な数字はありません。
一般的な半紙は両腕を広げるよりも狭い幅です。
年末になると今年の漢字が発表されますが、そのときに使用される紙は、一般的に書道に使われる半紙よりも幅があり、両腕を広げたよりも大きな幅です。
紙の端から端までの間隔が大きくあります。
こういった隔たりを意味する言葉です。
2つめは布地のことで、幅の広いものを指しています。
手芸店で売られているバックや服などを作るときに使う布の場合は、140cm以上のものを指しています。
3つめは、数量や価格などの動きが大きいことです。
人身事故などがあると電車が到着する時刻が予定よりも遅くなることがあります。
ときには、1時間以上遅れることもあります。
これは、本来到着する時刻よりも大きく遅れているということができます。
これまでもらっていたボーナスは10万円だったとします。
しかし、今年は30万円になりました。
10万円から30万円に20万円分も多くなっています。
これは以前のボーナスと比べて今年のボーナスの価格が大きく変わったということができます。
このような大きな動きを意味する言葉です。
「大幅」の使い方
端から端までの間隔の意味では、何センチメートルという定義はなく、隔たりが大きなことを指して使用します。
布地については、洋服を作るときなどに使用する布の場合は140cm以上のものを指して使用します。
しかし、布の幅が140cm以上のものはダブル幅と呼ぶこともあり、「大幅」はあまり使われていないようです。
程度については、変動が大きなことについて使用をします。
どれくらいが大きいのかという具体的な数字はありません。
「大幅」を使った例文
・『昨年に比べて来園者が大幅に増えた』
・『スコアが大幅にダウンした』
・『経費を大幅に削減することができた』
・『規模を大幅に縮小して開催します』
・『予定時間よりも大幅に早く終わった』
「大幅」の類語
程度については「かなり」が類語です。
「大幅」の対義語
端から端までの間隔が大きい意味の対義語は「小幅」です。
「かなり」の意味
「かなり」には、平均よりも程度が超えているという意味があります。
東京スカイツリーの近くにあるカフェでは、スカイツリーにちなんだ高さが63. 4cmあるパフェが提供されています。
このパフェは一般的なパフェに比べると高さがある、つまり一般的なものより程度が超えています。
あるラーメン屋では、メガサイズのパフェを提供しています。
一般的なパフェ3人分ほどの大きさです。
これも平均よりも程度が超えているということができます。
電車で人身事故などがあると、到着予定時刻よりも遅れてホームに電車が到着します。
場合によっては1時間以上遅れることがあります。
電車が本来到着する時刻よりも、程度を超えて遅くなっているということができます。
インターネットを使っていて、あるぺージをクリックしたら、開くまでに3分もかかりました。
ページを開くまでにあまり時間がかからないパソコンだと、クリックしたら数秒でページが開きます。
それに比べると程度を超えて遅いといえるでしょう。
このように、一般的なことよりも程度が超えていることを意味する言葉です。
「かなり」の使い方
一般的なものよりも程度が超えていることについて使用をします。
具体的な数値はありません。
たとえば、月給が上がったとします。
これまで月給が10万円だった人だと5万円上がったら「かなり」かもしれませんが、これまで月給が100万円だった人だと5万円上がっても「かなり」とは思わないかもしれません。
人によって「かなり」が指す程度は違います。
「かなり」を使った例文
・『かなり体調がよいようだ』
・『かなり難しい曲を歌う』
・『痛みがかなり治まった』
・『かなりの速さで運転していた』
・『かなりうまくできたと思う』
「かなり」の類語
「相当」「だいぶ」が類語です。
どちらの言葉にも程度が平均以上という意味があります。
「相当」はあきれる感情や驚きを込めて使われることがあります。
「だいぶ」はこの先も進行する可能性があることに使われることがあります。
「かなり」の対義語
対義語はありません。
まとめ
程度についてはどちらの言葉もほぼ同じ意味で、どちらも同じように使うことが可能です。
「大幅」には隔たりや布地の意味もあり、この意味は「かなり」にはない点が異なります。