この記事では、「特異」と「特殊」と「特別」の違いを分かりやすく説明していきます。
「特異」とは?
「特異」【とくい】とは、ほかで見られないほど様子が異なること、または、飛びぬけて優れていることです。
漢字の「特」は、ほかより抜きんでていること、「異」はほかと違う、正しくないことを表しており、これらを組み合わせた「特異」は、一般と比べ様子が大きく異なることを意味しています。
「特異」は、良くも悪くもほかでは見られないほど様子が独特なことを表す言葉です。
「特に優れている」というポジティブな意味で使われることもあれば、「風変わりで奇抜」「常識から外れている」というネガティブなニュアンスで使われることもあります。
類語は「特殊」「異質」「異例」です。
「特殊」はほかと大きく異なること、「異質」は性質が異なること、「異例」は今までになかったことを表しています。
「特異」の例文
・『その魚は特異な姿をしているが、身は美味だ』
・『彼は特異な才能があり、大人が顔負けするような絵画を描く』
「特殊」とは?
「特殊」【とくしゅ】とは、ほかと内容が異なり、その用途や範囲が限られていることです。
漢字の「特」と「殊」は、普通のものとは際立って異なることを意味し、これらを組み合わせた「特殊」は、ほかと著しく異なる別格な様子を表しています。
「特殊」は内容や性質がほかのものと大きく異なることです。
「特殊車両」「特殊文字」のように、内容が専門的なもの、機能や用途が限られるものに用いられます。
また「ユニーク」「独特」という意味で使われることもあります。
類語は「特別」「独自」「特例」です。
「特別」はほかと格が違うこと、「独自」はそれだけがほかと異なること、「特例」はほかにない例という意味を持ちます。
「特殊」の例文
・『ハロウィンの日に特殊なメイクをして街へ出る』
・『そのペンは特殊なインクが使われ、濡れても文字がにじまない』
「特別」とは
「特別」【とくべつ】とは、ほかと内容が異なるため扱いが違っていることです。
漢字の「特」はほかより抜きんでていること、「別」はわけることを意味しており、これらを組み合わせた「特別」は、ほかと格が違うため扱いが分かれていることを表します。
「特別」という表現は、ほかより内容や機能が優れているもの、重要なものが別のレベルやランクに位置付けてある状況を指します。
類語「別格」「異例」です。
「別格」は優れていてほかと格が違うこと、「異例」は例が類を見ないことを表しします。
「特別」の例文
・『今日の夕食は、特別にステーキにしましょう』
・『出向先で特別な待遇を受ける』
「特異」と「特殊」と「特別」の違い
「特異」「特殊」「特別」は、漢字の「特」が意味するように「ほかより抜きんでている様子」を表しますが、ニュアンスが少しずつ異なります。
「特異」はほかのものと様子が著しく違って異様な感じがする場合、「特殊」は専門性があってほかとは性能や用途が違う場合、「特別」はほかのものより優れていてレベルやランクが上にある場合を指すときに、それぞれを使い分けるとよいでしょう。
「特異」「特殊」は「風変わり」というネガティブなニュアンスで使われることもあります。
また「特別」がネガティブな意味で使われることは少なく、「特異」も飛びぬけて優れているというポジティブな使い方ができます。
まとめ
「特異」「特殊」「特別」は共通して漢字の「特」を含み、互いに類語の関係も持っています。
ニュアンスが微妙に違うので、正しい意味を把握して適切に使い分けるようにしましょう。