この記事では、「スムーズ」と「円滑」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「スムーズ」と「円滑」の違い
「スムーズ」と「円滑」はどちらも「物事が滞ったり邪魔されたりすることなく滑らかに進むさま」という同じ意味を持っていて、相互に言い換えることができます。
ただし、「円滑」という言葉は「円滑な性格(人柄)の人」のように「角を立てずに(トゲトゲしくなくて)誰とでも上手く付き合える」といった意味を持っていますが、「スムーズ」は「スムーズな性格(人柄)の人」の文例で使えるような意味はないといった違いがあります。
また「スムーズ」にも「円滑」にない、「硬式テニスで使うラケットの表面(ラフではない面)」といった意味があります。
「スムーズ」と「円滑」の使い方の違い
「スムーズ」と「円滑」は「物事が支障(トラブル)なく順調に進行するさま」の意味では、まったく同じ使い方をすることができます。
例えば、「スムーズに課題を片付ける・スムーズな仕事の進捗状況」の文章はそのまま、「円滑に課題を片付ける・円滑な仕事の進捗状況」という表現に言い換えることが可能なのです。
「スムーズ」も「円滑」も、「スムーズな・円滑な・スムーズに・円滑に・スムーズでした・円滑でした」などの用法で使用されます。
ただし、「円滑」の表現は「彼女の円滑な性格で周りの人が癒されます」のように「角を立てることなく、滑らかで柔らかいさま」の意味で使うことができますが、「スムーズ」には「性格面の滑らかさ・柔軟性」を意味する用法はありません。
「スムーズ」と「円滑」の英語表記の違い
「スムーズ」の言葉を、英語で表記すると以下になります。
“smooth”“smoothness”(滑らかな・円滑な・スムーズ・英語ではスムースという発音になりますが、日本語での表記は一般的にスムーズになります。)
「円滑」の言葉を、英語を使用して表記すると以下になります。
“smooth”“smoothness”(滑らかで滞りがない・スムーズな・円滑・英語では円滑とスムーズの表現は同じになります。)
“do well”(上手に~する・順調に~する・円滑に~する)
“harmonious”“harmony”(角を立てずに調和している・融和した・調和・円滑)
「スムーズ」の意味
「スムーズ」とは、「物事・仕事が途中で滞ったり邪魔されたりすることなく、滑らかに進むさま」や「動作にぎこちなさがなくて滑らかなこと」を意味しています。
「スムーズ」というのは、「物事・仕事などが支障なく順調に進んでいくこと」や「途中でトラブルに遭ったりペースが乱れたりすることなく円滑に進行するさま」といったニュアンスを持つ言葉です。
スポーツ用語の「スムーズ」には、「硬式テニスで使用するラケットの表面(飾りガットがついていないラフではない面)」の意味合いもあります。
「スムーズ」の使い方
「スムーズ」は「スムーズに交渉を進めました」「怪我をしていてスムーズに歩けない状態です」のように、「物事が支障なく(遅滞なく)、思い通りに滑らかに進行するさま」や「動作が滑らかなさま」の意味で使うことができます。
「スムーズ」という言葉には、「スムーズな・スムーズに・スムーズです・スムーズに進む(スムーズに進行する)・スムーズに終わらせる」などの用法・用例で使うという使い方があります。
「スムーズ」を使った例文
・『彼は自分に割り振られた仕事をいつもスムーズに終わらせます。』
・『今日は道路が空いていたので、スムーズに目的地に到着することができました。』
・『今回のようにスムーズな交渉の展開であれば、ストレスをほとんど感じません。』
・『仕事がスムーズに進捗しない原因を特定して解決しなければなりません。』
・『このロボットは関節部分が非常にスムーズに動きます。』
「スムーズ」の類語
「スムーズ」の類語は、以下になります。
「順調(じゅんちょう)」「快調(かいちょう)」……支障や邪魔が入らずに調子が良いこと。
とても調子が良くて、思い通りに物事が進んでいくさま。
「滑らか(なめらか)」……滞り・硬さ・ひっかかりがないさま。
支障・遅滞がなくて良い状態や経過にあること。
「円滑(えんかつ)」……物事が滞ったり邪魔されたりすることなく、思い通りに順調に進行すること。
「スムーズ」の対義語
「スムーズ」の対義語は、以下になります。
「手際が悪い(てぎわがわるい)」……物事・問題に対処する時の段取り・方法が悪くて、順調に進まないこと。
「ぎこちない」……動作が固くて滑らかではないこと。
話し方にひっかかりや沈黙などがあって滑らかではないさま。
「ラフ」……滑らかではなくて粗いこと。
“rough”(ラフ)とは英語のスムーズ(スムース)の対義語に当たる言葉です。
「円滑」の意味
「円滑(えんかつ)」とは、「物事が邪魔されたり遅滞したりすることがなく、滑らかに(順調に)進行すること」や「動作に硬さ・ひっかかりがなくて滑らかなさま」を意味しています。
「円滑」の言葉は、「支障やトラブルがなくて、物事・活動がスラスラと思い通りに運ぶさま」といった意味のニュアンスを持っています。
また「円滑」には、「角を立てることなく、周囲と上手く調和しているさま」や「トゲトゲしさのない滑らかな性格・特性」といった意味合いもあります。
「円滑」の使い方
「円滑」は「会議が予想以上に円滑に進みました」のように、「物事・仕事が支障なく(トラブル・問題が起こらず)、順調に進んでいくさま」の意味で使用されています。
さらに「円滑」という言葉には「他者と角を立てることなく、滑らかに合わせられる特性」の意味もあるので、「円滑な性格なので喧嘩になることはまずありません」などの文章で使う使い方も持っています。
「円滑」には、「円滑な・円滑に・円滑です・円滑に進める・円滑に終わらせる・円滑に片付ける・円滑な人」などの用法・用例で使う使い方があります。
「円滑」を使った例文
・『円滑な会議の司会進行のお陰で、予定よりも一時間早く会議を終えられました。』
・『複数の人の利害が絡む仕事を円滑に進めるには、関係各所への根回しも必要になってきます。』
・『同僚との円滑なコミュニケーションがあれば、職場の居心地が良くなります。』
・『彼女の円滑な人柄によって、会社の和やかな雰囲気がつくられていたのです。』
・『プロの人たちの協力を得られたので、今日の仕事は円滑に片付けることができました。』
「円滑」の類語
「円滑」の類語は、以下になります。
「順調(じゅんちょう)」……物事・仕事の調子が良くて、予定通りに(思い通りに)スラスラと進行していくさま。
「流暢(りゅうちょう)」……話し方にひっかかり・つまりなどがなくて、スラスラと滑らかなさま。
「スムーズ」……物事が支障なく遅滞も起こらずに、思い通りに滑らかに進んでいること。
「柔軟(じゅうなん)」……人の間に角を立てて対立することなく、臨機応変に適応していけること。
「円滑」の対義語
「円滑」の対義語は、以下になります。
「遅滞(ちたい)」……物事が何らかの要因で滞って遅れること。
「難航(なんこう)」……物事・仕事が思い通りに進まないこと。
途中でトラブルが入ったり難易度が高かったりして、物事・仕事がはかどらないこと。
「頓挫(とんざ)」……物事・行動の勢いが急に弱くなって、途中で挫折してしまうこと。
急に勢いが衰えて調子が悪くなり、計画・目的を達成できなくなってしまうこと。
まとめ
「スムーズ」と「円滑」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「スムーズ」と「円滑」の意味・使い方・例文・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。