「莫大」と「膨大」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「莫大」と「膨大」の違い状態

この記事では、「莫大」「膨大」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「莫大」と「膨大」の違い

「莫大」「数量・程度が非常に大きいこと」を意味しています。

「膨大」という言葉も「結果としての数量・程度の大きさ」を示しますが、「ふくれ上がって数量や程度が大きくなる」といった動的な増加のニュアンスが加わっている違いがあります。

「莫大」には「ふくれ上がって数量が増える」といった動的な意味合いはなく、「元々その数量や程度が極めて大きい」という意味のニュアンスになります。

また「膨大な人員」とはいいますが「莫大な人員」とはいえないため、「膨大」には「莫大」にない「(ふくれ上がった結果の)人の数の多さ」の意味合いがあります。


「莫大」と「膨大」の使い方の違い

「莫大」「膨大」の典型的な使い方の違いは、「莫大」のほうが「財産・金額・モノの量などの数量化できるもの」に対して使われる頻度が多いということです。

例えば、「膨大な財産」ともいえますが、一般的な用法としては「莫大な財産」のほうが使用される頻度が大きいのです。

「膨大」という表現の使い方は「明確な数量化がしづらいもの」あるいは「ふくれ上がって分量・数字の嵩(かさ)が増えるもの」に対して使われやすいという点が、「莫大」とは異なっています。

例えば、数量化が難しい「努力」について、「莫大な努力」という表現はしませんが、「膨大な努力」という表現をすることができる違いがあります。

さらに「人数・人員の多さ」を表す場合には、「膨大な人数(人員)」とは言いますが、「莫大な人数(人員)」とは言えない違いも挙げられます。


「莫大」と「膨大」の英語表記の違い

「莫大」という言葉を、英語を用いて表現すると以下になります。

“great”……非常に大きな、物事の程度がとても大きい。

莫大。

“huge”……とても大きな、巨大な。

物理的に非常に大きい。

数量が極めて多い。

莫大。

“immense”……巨大な、広大な。

計り知れず限りがない。

莫大。

「膨大」という言葉を、英語によって表すと以下になります。

“vast”……物理的に非常に広い。

数量・程度などが抜きん出て大きい。

膨大。

“enormous”……法外に大きい。

尺度(ものさし)を外れて大きい。

極めて巨大な。

膨大。

「莫大」の意味

「莫大(ばくだい)」は、「数量・程度が非常に大きい」を意味している言葉です。

「莫大」の漢文の語源は、「これより大なるは莫し(なし)=これよりも大きなものはない」にあります。

「莫大」の現代語の読み方は「ばくだい」ですが、近世以前の古い時代には「ばくたい」とも読まれていました。

「莫大」「莫大な埋蔵金」のような良い意味の「数量・程度の大きさ」にも、「莫大な損失」などの悪い意味の「数量・程度の大きさ」にも使われる意味を持っています。

「莫大」の使い方

「莫大」の使い方は「これより大きいものはない」の意味から派生して、「物事の数量や程度がとても大きいこと」を指して使われます。

「莫大」という表現は、特に「数量化することが可能なもの」に対して使用する使い方をします。

ただし、数えられるものであっても例外として、「人の数・人員」については「莫大」の表現を使うことはできません。

つまり、「莫大な人数を収容できる施設」といった言い方をすることはできないのです。

この場合は、「膨大な人数を収容できる施設」としたほうが適切な文章の表現になります。

「莫大」を使った例文

・『会長の莫大な遺産を相続することができそうな親族が五人はいて、会長の死後の遺産争いが懸念されていました。』
・『莫大なリソースを投入して政府がマイナンバーカードの運用システムを作りましたが、カードの普及率はまだ低い状態にあります。』
・『昨年は大型の台風が何個も本土に上陸したため、台風による災害被害が莫大になりました。』
・『先進国において安定した社会保障制度を維持するためには莫大な予算が常に必要になります。』
・『東シナ海周辺の海底には莫大な海洋資源が眠っているとされ、中国と関係諸国との摩擦が強まっています。』

「莫大」の類語

「莫大」の類語には、以下の言葉があります。

・『多大(ただい)』……モノの数・量が多いさま。抽象的な物事の程度が大きいことにも使えます。

・『甚大(じんだい)』……主に自然災害・事件事故など、好ましくない現象の結果としての損失・被害が極めて大きいこと。

「莫大」の対義語

「莫大」の対義語には、以下の言葉があります。

・『僅少(きんしょう)』……モノの数量がわずかであること。数・量が少ないさま。

「膨大」の意味

「膨大(ぼうだい)」とは、「膨張(ぼうちょう)して大きくなること」を意味しています。

「膨大」という言葉は、「ふくれ上がって数量・程度が大きくなるさま」を示唆しているのです。

そのため、「膨大」の表現には、「それ以前の状態よりも、数量・程度が増えている」という動的に増える意味のニュアンスが備わっています。

「膨大」の使い方

「膨大」という表現は、基本的には「対象となるものの数量・程度が大きいこと」という「名詞」の意味合いで使われますが、「動詞」としても使用できます。

例えば、「思っている以上に費用が膨大しました」のように、「膨大」「動詞」としても使える用法があるのです。

また「膨大」「明確に数量化することが難しい努力・成果」などについても、「膨大な努力・膨大な成果」といった使い方をすることが可能なのです。

「膨大」を使った例文

・『東京ドームで大型イベントを開催する際には、膨大な警備の人員が必要になってきます。』

・『私は東京大学の医学部に合格するため、高校1年生の頃から膨大な努力を積み重ねてきました。』

・『公務員の膨大な人件費が問題にされることもありますが、必要な社会システムの維持にはどうしてもコストがかかります。』

・『膨大な資料を整理する仕事をしていると、眼精疲労や肩こりなどの症状に悩まされます。』

・『先進国は少子高齢化の構造問題もあり、年々、国家財政の赤字が膨大しやすくなっています。』

「膨大」の類語

「膨大」の類語には、以下の言葉があります。

・『膨張(ぼうちょう)』……ふくれて大きさ・数量が大きくなること。

・『拡大(かくだい)』……広げて大きさや規模(数量)を大きくすること。

「膨大」の対義語

「膨大」の対義語には、以下の表現があります。

・『縮小(しゅくしょう)』……規模(サイズ)や数量が縮んで小さくなること。

・『僅少(きんしょう)』……数量がわずかで少ないさま。

まとめ

「莫大」「膨大」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「莫大」「膨大」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容を読んでみてください。

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