「利く」と「効く」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「利く」と「効く」の違い状態

この記事では、「利く」「効く」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「利く」と「効く」の違い

「利く」「効く」は国語辞典の項目では並べて記載されている同義語になります。

しかし、「利く」「効く」は漢字の字義が違うため、厳密には異なる意味を持つ言葉になります。

「利く」という言葉は、「元々持っている機能を発現させること」を意味しています。

「利く」の表現には、「可能」「言葉を発する・上手い具合に話をまとめる」などの意味も備わっています。

「利く」と比べて「効く」は、「何らかの効き目・良い作用があること」を意味している違いが挙げられます。


「利く」と「効く」の使い方の違い

「利く」「手足が利く・目が利く」のように、「人・動物・モノが元々保有する各種の機能を実際に十分使えること」を意味して使います。

「効く」「生物的な機能の発揮」の意味では使わない違いがあります。

「利く」の表現は「後払いが利く・クーポンの割引が効く」など「ある事柄ができること」の意味で使用できますが、「効く」「できるの意味」での使い方はありません。

また「口を利く・口利きする」などの用法でも、「利く」を使って「効く」は使わない点が違っています。

「効く」「良い効果がある」の意味での使い方が、「利く」にはないという違いも指摘できます。

さらに「利く」「利かせる」で他動詞の使い方もできますが、「効く」は基本的に自動詞としてしか使わない違いもあります。


「利く」と「効く」の英語表記の違い

「利く」を英語を使用して表記すると以下になります。

“work”……働く。働いて機能を使う。作用する。利く。

“act”……活動して機能する。活動して働く。利く。~が利く。

“be beyond~”……~する限界を超えている。~できない。~が効かない。

「効く」を英語を使って表記すると以下になります。

“have an effect”……効果・良い働きを持っている。効く。

“be effective”……効き目・効能がある。良い作用を及ぼす。効く。

「利く」の意味

「利く(きく)」とは、「その生体・モノが備えている機能を発揮すること」を意味しています。

「利く」という表現には、「ローンが利く」のように「~することができる」といった可能の意味合いもあります。

「利く」の意味として、「言葉を話す・仲介して世話をする・口利きをする」なども挙げられます。

「利く」の使い方

「利く」の言葉は「鼻が利く・腕が利く」のように、「本来備えた機能を発揮できる」の意味で使われます。

「利く」「特別割引が利く・無茶が利く」のように、「ある行為が可能である」といった意味合いでも使用できます。

さらに「口を利く」の文章で、「言葉を発する・仲介して話をつける」を示唆して使う使い方もあります。

「利く」を使った例文

・『年を取ってから目が利かなくなったので、夜間の運転は控えるようにしています。』
・『筋萎縮性側索硬化症で患者を苦しませる特徴は、段階的に手足が利かなくなって自律性が完全に失われる進行にあります。』
・『中年期を過ぎると、徹夜で膨大な分量の仕事を片付けるような無理が利かないからだになってきます。』
・『このカフェ&バーのお店は、顔なじみになった常連客であればツケが利きます。』
・『父親が社長と長年の友達で口を利いてくれたので、この会社に何の苦労もせずに入社することができたのです。』

「利く」の類語

「利く」の類語には、以下の言葉があります。

・『機能する(きのうする)』……持っている能力・作用などを発揮すること。力を現して役割を果たすこと。

・『可能(かのう)』……ある行為ややり方などができるということ。

・『世話する(せわする)』……相手のために関係者に口を利いたり根回ししたりすること。

「利く」の対義語

「利く」の対義語には、以下の言葉があります。

・『利かない』……持っている機能や力を使うことができない。

・『不可能(ふかのう)』……ある行為・物事ができないこと。可能ではないさま。

「効く」の意味

「効く(きく)」とは、「期待されていた効き目があること」を意味しています。

「効く」というのは、「ポジティブな効果・作用が現れること」を示している言葉なのです。

「効く」の表現には、「好ましい結果・効果が出てくる」の意味が備わっています。

「効く」の使い方

「効く」の動詞は、「薬や行動などに効果・効能がある」の意味で使うことができます。

「効く」という表現は、「好ましい効き目の結果が現れること」を意味して使用されています。

例えば、「この胃薬は胃酸過多の胃痛に対してかなり効きます」などの文章で使えるのです。

「効く」を使った例文

・『患者の症状にどの薬が効くのかを判断するのは医師の仕事であり、医師以外が処方箋を書くことは違法です。』
・『プロボクサーの突き刺すようなボディーブローは素人が思っている以上に効きます。』
・『人気のある芸能人を起用したテレビCMが効いて、売上で前年同月比150%の成長を遂げることができました。』
・『話題のラーメン屋は豚骨と鶏がらの出汁が効いたラーメンを出していて、スープを最後まで飽きずに楽しめました。』
・『我慢できないレベルの頭痛に襲われたのですが、先ほど飲んだアスピリンが効きました。』

「効く」の類語

「効く」の類語には、以下の言葉があります。

・『効果がある(こうかがある)』……薬剤・行為などの良い効き目があること。

・『有効(ゆうこう)』……確認できる効果があるさま。

・『堪える(こたえる)』……一定以上のレベルの苦痛・悩みの効き目を感じていてつらいさま。効いて参っているさま。

「効く」の対義語

「効く」の対義語には、以下の言葉があります。

・『効かない(きかない)』……望ましい効き目が出ないこと。

・『無効(むこう)』……効果・効能がないこと。ルールに違反しているなどの理由から、有効とは見なされないこと。

まとめ

「利く」「効く」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?

「利く」「効く」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の解説をチェックしてみてください。

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