この記事では、「意外」と「案外」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「意外」と「案外」の違い
日常会話において、同じような意味合いで用いられることが多い「意外」と「案外」。
正しい意味、使い分けの違いとしては、「意外」は、自分が思っていたこと、予想と違った結果になったときに使用する言葉で、「案外」は、自分の予想が外れそうなときに使用する言葉となります。
また、「意外」と「案外」の強さの違いは、「意外」の方が強く、その結果、感情の起伏も大きくなるのが「意外」の方となります。
そのほか、ともに名詞となる「意外」と「案外」ですが、実際、使用した際は少し違ってきます。
「意外」の場合、感情を表す際に使用する言葉となるため「意外に」などといったように形容動詞となり単体でも意味が成立します。
一方、「案外」の場合は、単体で用いられることはなく、役割としては副詞の役割が大きくなります。
「意外」と「案外」の使い方の違い
一般的に「意外」を使って表現すれば問題ありませんが、より的確に使い分けるためには、感情がこめられている際は「意外」を使用し、そうでない場合は「案外」を使用します。
また、「案外」の方が冷静に予想と違っていたことを受け止めることができる状態の際に使用し、「意外」の場合は、予想とは違っていたことに対する抑えきれない感情がある際に使用します。
「意外」と「案外」の英語表記の違い
「意外」の英語表記は、unexpected、out of the blue、unanticipated、unforeseen、unlooked-for、surprisingです。
「意外な」は、unexpected; unforeseen; 【形式ばった表現】 unlooked‐for、〈偶然の〉 accidental。
「意外に思う」は、〈驚く〉 be surprised 《at》、〈落胆する〉 be disappointed 《at》となります。
「案外」の英語表記は、contrary to expectationです。
「案外に思う」は、be surprised 《at the result》。
「案外難しい」は、be more difficult than one (had) expectedとなります。
「意外」の意味
「意外」の意味は、思いがけないこと、自分が考えていたことよりも大きく違っていること、自分が予想、想像していたことよりも大きく違っていること、などとなります。
自分が思っていたよりも大きく違うということで、その衝撃も大きく、その違いの驚きへの感情を含めた意味もあります。
「意外」の使い方
予想とは大きく違っていることを意味する「意外」。
そんな、「意外」の使い方としては、「意外に」、「意外と」、「意外な」、「意外にも」のほか、「意外性」などとなります。
「意外」を使った例文
・『ドラマのクライマックスで意外な展開を迎え驚いた。』
・『このままでは電車に間に合わないと思っていたが、意外にも余裕で間に合うことができた。』
・『勉強を始めた子供。口だけだろうと思っていたが、意外にも本気のようで夜遅くまで毎日、勉強している。』
・『難しいと思っていたが、意外にも簡単で助かった。』
「意外」の類語
「意外」の類語において、「予想されない」といった意味の類語には、意想外、打ち付け、俄、予想外、出し抜け、不意、思い掛けないなど。
「予期されない」といった意味の類語には、以ての外、ひょんな、思いもよらないなど。
「思いもかけないこと」といった意味の類語には、驚くべき、異様、唐突などがあります。
「意外」の対義語
「意外」の対義語は、「当然」です。
「当然」には、そうなるのが当たり前といった意味があります。
「案外」の意味
「案外」の意味は、思いのほか、思っていたことと違う、予想が外れる、異なると、などとなります。
「案外」の場合、自分が思っていたのとは違っていても、さほど、驚くといった感情はありません。
大きな衝撃などは受けず、冷静に違っていたことを受け止めることができる際に使用する言葉となります。
「案外」の使い方
驚くといった感情などは込められていない「案外」。
そんな、「案外」の使い方は、「案外な」、「案外に」、「案外と」のほか「案外できる」、「案外大丈夫」などとなります。
「案外」を使った例文
・『仕事が早く終わったので、案外早く帰宅することができそうで助かった。』
・『元気がないようだったので声をかけてみたら、案外大丈夫そうで安心した。』
・『今までわからなかった問題でもコツさえつかむことができれば、案外簡単に解けるものです。』
・『いつもはふざけている奴だが、案外真面目な一面も持っている。』
「案外」の類語
「案外」の類語において、「考えていたこととは異なっている」といった意味の類語には、意外、思いがけない、思いのほか、存外、予想外など。
「可能性の低そうな事柄」といった意味の類語には、ひょっとすると、まさかとは思うがなどがあります。
「案外」の対義語
「案外」の対義語は、「案の定」です。
「案の定」には、予想していた通りに事が運ぶといった意味があります。
まとめ
同じ意味として使用することも可能な「意外」と「案外」ですが、明確には以上のような違いがあります。
感情がこもっている場合には、「意外」を用い、冷静な状態の場合は「案外」を用いるといった使い分けが必要な2つの言葉です。