「明確」と「明らか」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「明確」と「明らか」の違い生活・教育

この記事では、「明確」「明らか」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「明確」と「明らか」の違い

「明確」「明らか」は、とてもよく似た意味の語です。

ふたつとも「疑う余地がないほどはっきりしている」という意味です。

違いはほとんどなく、大抵の場合、言い換えることが可能です。

しいて言えば、「明らか」には「見分けがつく」「一目ですぐにわかる」「わかりやすい」というニュアンスが含まれています。

ただ、これらのニュアンスは本当に微細なものです。

普通は言い換えて使っても問題はありません。


「明確」と「明らか」の使い方の違い

次に「明確」「明らか」の使い方の違いについて解説します。

「明確」「明らか」も形容動詞です。

「明確だ」「明らかだ」などと活用させることができます。

この点は同じです。

ただ、「明確」は名詞として用いることもできるのが特徴です。

「明らかを証明する」と使うと日本語として誤りですが、「明確を証明する」と使うことはできます。


「明確」と「明らか」の英語表記の違い

「明確」は英語で“explicit”と表記されます。

「明白な、はっきりした」という意味です。

「明らか」は英語表記だと“obvious”です。

これは「理解しやすい」という意味の単語です。

「明確」の意味

「明確」とは、簡単に言うと「間違いのないこと」です。

「明確」「メイ」「明るい」という字を書きますが、これは「はっきりしている」という意味の漢字です。

つまり、「はっきりしていて間違いのないこと」「明確」です。

「明確」の使い方

物事や理論などに対し、「明確だ」「明確である」などと使います。

「疑いがないほどに明らかだ」という意味です。

また、「明確化」(めいかくか)という言葉もあります。

「明確化」とは「明確にする」という意味の語です。

「それまで曖昧だったり、詳しくわかっていなかったことを、はっきりと分かるようにする」ということです。

「明確」「明らかである」という現在の状況を示す語ですが、「確実に起こりうるだろう」という意味で、未来の事象に対しても用いることができます。

「雲の色が濃いのでこれから雨が降るのは明確だ」と使った場合、「これから雨が降るのは確実に起こるだろう」という意味になります。

「明確」を使った例文

・『彼女が犯人ではないことは明確です。事件のあった時刻、彼女は数人と一緒に仕事をしていました。彼女にはアリバイがあります』
・『探偵は論理立てて推理を披露したので、事件のあらましは明確になった』
・『彼は子どもとは思えないほど理路整然とした理屈を用い、明確に物事を説明した』
・『明確だと思われていることも一度は疑ってみるとよい』
・『その噂の出所は明確ではないのであまり真に受けない方がいい、と教師は助言した』
・『今まで知られてこなかった彼女の出自は、今回の件で明確になりました』

「明確」の類語

「明確」の類語は「明瞭」(めいりょう)です。

「明瞭」とは「はっきりしていて、疑う余地のないこと」です。

また、「確実」(かくじつ)も「明確」の類語と言えるでしょう。

「確実」とは「間違っていないこと」という意味です。

「明確」の対義語

「明確」の対義語は「曖昧」(あいまい)です。

「曖昧」とは「はっきりせず、あやふやなこと」です。

「曖昧模糊」(あいまいもこ)という言葉もあります。

「曖昧」「模糊」は同じ意味の言葉なので、「模糊」(もこ)も「明確」の対義語です。

「明らか」の意味

続いて「明らか」の意味について解説していきます。

「明らか」とは「はっきりしていて疑わしくないこと」です。

「明白」とほぼ同じ意味の語で、「確かである」ということです。

元々は「明るい」という意味の、視覚的な感覚を示す語でした。

光の差し込む明るい様子のことを「明らか」と言う場合もあります。

しかし、一般的にもっとも多く使われているのは、やはり「はっきりしていて疑わしくないこと」という意味でしょう。

「目で見てすぐにわかる」「見分けがつく」というニュアンスも含んでいる語です。

「明らか」の使い方

「明らかだ」と使った場合は、「明白だ」という意味です。

確かにそうだ、ということです。

「明らかに〇〇だ」と用いたときは、「〇〇なのが疑いようがない」という意味になります。

「明らか」を使った例文

・『幼い姉妹が喧嘩していたので事情を聞くと、明らかに妹の方が悪かった』
・『この仕事が失敗したのは明らかに彼女に責任がある』
・『彼がこの時間にその場所にいたことは明らかにおかしい。何か隠しごとがあるに違いない』
・『先生が忘れ物をしたのは明らかだ。教室の前の席の生徒から筆記用具を毎時間借りている』
・『子どもは蓋の開いたままの油性ペンを後ろ手で隠し持ち、落書きしたのは僕じゃないよ、と明らかな嘘を吐いた』
・『今回発掘された化石の年代が明らかになった』

「明らか」の類語

「明らか」の類語は「清か」(さやか)です。

「清か」とは「はっきりしている」という意味です。

あまり馴染みのない言葉のように思えるかもしれませんが、「目にはさやかに見えない」という言い回しはよく知られています。

「清か」には「音がはっきりとよく聞こえる」という意味もあります。

「明らか」の対義語

「明らか」の対義語は「疑わしい」です。

「疑わしい」とは、「真実かどうかわからない」「不確実であり、信用できない」ということです。

また、「紛らわしい」も対義語であると考えられます。

「紛らわしい」とは、「はっきりとしておらず、見分けがつきにくい」という意味です。

まとめ

「明確」「明らか」の違いについてまとめました。

「明確」「明らか」「はっきりと確かである」という意味の語です。

二つともとてもよく似ている意味の言葉ですが、「明らか」には「見分けがつく」「わかりやすい」というニュアンスが含まれているのが特徴です。