この記事では、「目線」と「視線」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「目線」と「視線」の違い
「目線」には、3つの意味があります。
1つめは、視線のことです。
2つめは、あるものの立場からの、ものの考え方、ものの見方のことです。
3つめは、写真の中の人物を特定できないように、目の部分にかけるぼかしのことです。
「視線」にも、3の意味があります。
1つめは、目が向いている方向のことです。
2つめは、視軸のことです。
2つめは、他人を見る、または他人から見た、気持ちが表れた目つきのことです。
「目線」には「視線」という意味があり、この意味は同じになります。
2つの言葉には、どちらもそれ以外の意味があり、その意味は同じ部分はありません。
「目線」と「視線」の使い方の違い
「目線」は「視線」の意味で使われることがあります。
「目線が合う」「視線が合う」とどちらの表現も可能です。
2つの言葉にはそれ以外の意味もあり、その意味では置き換えることはできません。
たとえば、「子どもの目線に立つ」とはしても、「子どもの視線に立つ」とはしません。
「目線」と「視線」の英語表記の違い
「目線」は英語で“look”や“one’s eyes”と表現をします。
「視線」も英語で“look”や“one’s eyes”と表現をします。
「目線」の意味
「目線」には、3つの意味があります。
1つめは、視線のことです。
もともとは映画や演劇などで使われていた言葉ですが、一般にも使われるようになりました。
2つめは、ある立場からの、ものの考え方、ものの見方のことです。
製品を作る企業とそれを購入する人とでは、考え方が異なることがあります。
企業としては、できるだけコストを抑えて高く売りたい、消費者としてはできるだけよい品を安く購入したいと考えていることが少なくありません。
また、消費者はこういうものが欲しいと考えていても、企業はそれに気が付いていないこともあります。
企業が消費者の立場に立って考えてみることを「消費者の目線」といいます。
自分以外の人の置かれている状況から、考えたり、見たりすることです。
あるものの立場から考えたり、見たりすると、違った発見があります。
3つめの意味は、写真の中の人を特定しにくくするために、目の部分に入れるぼかしのことです。
SNSの画像やテレビなどでは、人の顔の目の部分にぼかした線が入っていることがあります。
この線のことが「目線」です。
「目線」の使い方
視線の意味では、「目線が合う」のような使い方をします。
目が見ている方向のことです。
ある立場による、ものの考え方やものの見方の意味では、「子ども目線」「クライアントの目線」のような使い方をします。
写真で使うぼかし線の意味よりも、視線や考え方・見方の意味で使うことの方が多くあります。
「目線」を使った例文
・『男性の目線を意識した服装』
・『主婦の目線で開発した商品』
・『カメラ目線で写る猫がかわいい写真』
・『高い椅子に座ったら目線が変わった』
・『子どもの目線で描かれた作品』
「目線」の類語
「視線」が類語です。
「目線」の対義語
ある立場からのものの考え方、ものの見方の意味の対義語は「自分本位」です。
「視線」の意味
「視線」には、3つの意味があります。
1つめは、目が向いている方向のことです。
写真を撮るときには、カメラの方向を見ることが一般的です。
この目が向いている方向のことを「目線」といいます。
2つめは、視軸のことです。
視軸とは、目の角膜・水晶体を通り、 網膜の中心にある黄斑部の中心に入る直線のことです。
3つめは、自分が他人を見るときの気持ちが表れた目つき、他人が見るときの気持ちが表れた目つきのことです。
「目は口ほどに物を言う」ということわざがあります。
目は口でいうことと同じくらい気持ちを表すという意味です。
目つきから気持ちを読み取ることができます。
人は言葉以外のコミュニケーションに頼っている部分が大きいと言われており、目つきもその一つです。
言葉以外のコミュニケーション方法を非言語コミュニケーションといいます。
「視線」の使い方
目が向いている方向の意味では、「視線が合う」のような使い方をします。
視軸の意味では、日常的に使うことは少ないです。
気持ちが表れた目つきの意味では、「世間の視線」「哀れみの視線」のような使い方をします。
「視線」を使った例文
・『世間からの視線が痛い』
・『視線を前に向けて歩く』
・『日本中の人が視線を集めている』
・『温かい視線で見守ってあげてください』
・『常に人からの視線を意識する』
「視線」の類語
「目線」が類語です。
「視線」の対義語
対義語はありません。
まとめ
2つの言葉は意味が同じ部分があり、同じように使うことができます。
しかし、それぞれ複数の意味を持っており、その部分ではまったく違う意味になります。