この記事では、「余分」と「過剰」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「余分」と「過剰」の違い
「余分」には、3つの意味があります。
1つめは、あまった分です。
2つめは、必要や予定よりも多い分です。
3つめは、必要以外のこと、余計です。
どの意味にも、何かの数量がちょうどではなく、それよりも多いという意味が含まれています。
「過剰」とは、必要な程度や数量を超えていることです。
決められた枠を超えているという意味になります。
「余分」の2つめの意味である、必要や予定よりも多いことと、「過剰」の意味はほぼ同じです。
しかし、「過剰」は悪い意味で使われることもあり、この点に違いがあります。
たとえば、パーティーを開くにあたってケーキを用意し、全員に配ってもケーキが残ったとします。
パーティー参加者が10人、用意したケーキが11個で、残った分は1個です。
この残った分のことを指して「余分」といいます。
必要な数量を超えているので「過剰」としてもよさそうですが、「余る」という意味が強いので「余分」とします。
「余る」には、多すぎて残りが出るという意味があり、「余分」にはこの意味が含まれています。
それに対して「過剰」には、この意味合いはありません。
「余分」と「過剰」の使い方の違い
「余分」は、何かの数量が必要を満たしていて、それよりも多いことに使用をします。
物に対して使用をし、事、人、自信など非物質的なものには使用しません。
必要よりも程度や数が超えていることに「過剰」を使用します。
決められている枠を超えることが望ましくない意味を含みます。
物や人だけでなく、非物質的なものにも使用できます。
「余分」と「過剰」の英語表記の違い
「余分」は英語で“surplus”や“excess”と表現をします。
「過剰」も英語で“surplus”や“excess”と表現をします。
「余分」の意味
「余分」には、3つの意味があります。
1つめは、あまった分です。
「余る」には、多すぎて残りが出るという意味があります。
5÷2はぴったり割り切ることができず、5÷2=2で1が残ります。
この残った1が「余分」なものです。
2つめの意味は、必要や予定よりも多いことです。
ある飲食店では、今日はいつもよりお客さんがたくさん来そうだからと、いつもよりも多く材料を仕入れました。
いつもの予定よりも多い量です。
このことが「余分」であり、「余分に仕入れる」のようないい方をします。
3つめの意味は、必要以外のこと、余計です。
「余計」には、必要よりも程度を超えて無駄なことという意味があります。
「余計なおしゃべりをするな」といいますが、無駄なおしゃべりがだという意味になります。
「余分な口出し」のような使われ方をし、無駄であるという意味があります。
「余分」の使い方
何かの数量が多いことを指して使用します。
物に対して使用する言葉で、事や人には使用しません。
「余分」を使った例文
・『魚に塩を振って余分な水分を出す』
・『子どもたちに配るお菓子を用意したら、1個余分だった』
・『ファンデーションをつけた後には、余分な油をティッシュで押さえてとる』
・『肉の余分な油を取り除いてカロリーをカット』
「余分」の類語
「余計」「余り」が類語です。
「余分」の対義語
「余分」は必要よりも多いことで、その反対の言葉は必要よりも少ないことです。
それを意味する言葉は「不足」です。
「過剰」の意味
「過剰」には、必要な程度や数量を超えているという意味があります。
サプリメントは、1日の摂取目安量が決められています。
たとえば、1日2粒が摂取目安量だった場合、それよりも多い数を摂ることは、必要な数量を超えており、「過剰」といいます。
サプリメントは、たくさん摂るほど体によい影響を与えるというものではなく、たくさん摂るほど体に負担をかけてしまう成分もあります。
「過剰」には、程度や数量を超えることが望ましくないという意味も含まれています。
「過剰」の使い方
そこまでと許されている範囲を超えることを指して使用します。
物や人にも、自信のような非物質的なものにも使用可能です。
「過剰」を使った例文
・『一部分に過剰な負担がかかったため、故障してしまった』
・『過剰な皮脂分泌を抑える成分を配合した化粧品です』
・『小さなことにも過剰に反応してしまう』
・『水分の過剰摂取で胃でぽちゃぽちゃ音がする』
「過剰」の類語
「超過」「過度」「行き過ぎ」が類語です。
「超過」には、物の数や時間が一定の枠を超えるという意味があります。
「過度」とは、程度を超すことです。
「行き過ぎ」には、程度を超えて物事をする、目的の場所を通りすぎてしまうという意味があります。
「過剰」の対義語
「不足」が対義語です。
まとめ
似たような意味を持っていますが、「余分」は余るという意味を含んでおり、「過剰」は超えるという意味を含んでいる点が違います。