「忠誠」と「忠実」と「忠義」の違いとは?分かりやすく解釈

「忠誠」と「忠実」と「忠義」の違い生活・教育

同じ文字を持つ言葉で意味合いの似ているものの中に「忠誠」「忠実」「忠義」という言葉があります。

一見すると違いが分かりにくい言葉ですが果たして違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、「忠誠」「忠実」「忠義」の違いを分かりやすく説明していきます。

「忠誠」【ちゅうせい】とは?

「忠誠」とは、嘘偽りのない心を持って尽くす気持ちを表している言葉です。

特定の国家や人物に対して、その思想や行動に心底共感し尊敬の気持ち抱いたといった時に現れるような気持ちのことです。

言葉単体だけではあまり使われず、忠誠を誓うとか忠誠心を持つなど、他の言葉と組み合わされて使われるような言葉です。


「忠誠」の例文

・『国家に対し忠誠を誓う人民』
・『忠誠の心を持つということは現代においては縁遠いかもしれない』


「忠実」【ちゅうじつ】とは?

「忠実」とは二つの意味で使われており、一つ目は嘘偽りのない心を持って尽くす行為、二つ目は正確に事を行うことを意味しています。

ですがここでは「忠誠」「忠義」との違いの記事ですので、一つ目の意味を掘り下げます。

先述の「忠誠」との違いが分かりにくいですが、「忠誠」「気持ち」を表していたのに対し、「忠実」「行為」を表しているという点が違います。

言うなれば、「忠誠」を誓ってとった行為が「忠実」ということになります。

「忠実」の例文

・『忠実な部下として名を馳せていることは果たして喜ばしい事なのかどうなのか』
・『かつての江戸の街並みを忠実に再現してみたい』

「忠義」【ちゅうぎ】とは?

「忠義」とは、主君や国家に対し嘘偽りのない心を持って尽くす様子を表している言葉です。

主君や国家に対し「忠誠」の気持ちを持って「忠実」に行動するということです。

「忠誠」「忠実」と明らかに違うのは、主君や国家に対してのみ使われるという点にあります。

その為三つの言葉の中では一番現代においては馴染みの薄い言葉であるとも言えます。

「忠義」の例文

・『幕府に対し忠義を尽くした人々がいたことを忘れない』
・『主君に対する忠義の心を持ってすれば死など怖くない』

「忠誠」と「忠実」と「忠義」の違い

「忠誠」「忠実」「忠義」の違いについて簡単にまとめると次のようになります。

「忠誠」とは、「嘘偽りのない心を持って尽くす気持ち」を表しています。

特定の国家や人物に対して抱く気持ちを表現した言葉です。

「忠実」とは、「嘘偽りのない心を持って尽くす行為」を表しています。

「忠誠」を誓った末の行動が「忠実」ということです。

「忠義」とは、「主君や国家に対し嘘偽りのない心を持って尽くす様子」を表しています。

現代においてはあまり使われない言葉です。

まとめ

「忠誠」「忠実」「忠義」の違いについて説明してきましたがご理解いただけましたでしょうか。

気持ちなのか行動なのか、また使う対象が違うということが分かりました。

この記事の内容が皆様のお役に立てるなら幸いです。